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無償ストックオプションと有償ストックオプションの会計処理を確認する

■ (無償)ストックオプションの会計処理



企業と従業員の報酬(賃金)支払の変化について、連載第2回です。今回は、ストックオプション、有償ストックオプションの会計処理について確認していきます。

2017/10/20付 |日本経済新聞|朝刊 従業員が対価払う株式購入権 報酬か投資か 議論熱く 人件費計上なら業績に影響も

「従業員が事前に対価を払う有償ストックオプション(株式購入権)は「報酬」か、それとも「投資」なのか。明確なルールが無かった会計上の扱いを巡って激しい議論が起きている。報酬と見なされて人件費の扱いになれば、企業は費用負担を迫られる。新興企業を中心に業績に影響が出る可能性もある。」

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

(下記は、同記事添付の「有償ストックオプションを導入した上場企業は増えている」を引用)

20171020_有償ストックオプションを導入した上場企業は増えている_日本経済新聞朝刊

まずは、通常のストックオプションの会計処理から。

企業会計基準第8号 ストック・オプション等に関する会計基準(PDF)

そもそも、ストックオプションは、新株予約権の一種なので、新株予約権の会計処理とほぼ同一の処理を行います。

【設例】
X社(決算日 3月31日)は2017年6月30日の株主総会において、ストックオプションの付与を決定した。
1)付与日におけるストックオプションの公正な評価単価:5,000円/個
2)付与されたストックオプションの数:600個(従業員60人に対し10個/人)
3)付与日:2017年7月1日
4)権利確定日:2018年6月30日
5)ストックオプションの行使時の払込金額:2,500円/個
6)ストックオプションの権利行使期間:2018年7月1日~2019年6月30日

① 権利確定日以前の決算日(2018年3月31日)
権利確定日以前は、従業員がストックオプションを行使する権利が未確定で、従業員の労働サービスに対するインセンティブ効果が継続期待されている期間です。付与されたストックオプションは、勤務対象期間(付与日から権利確定日までの期間)において提供された労働サービスに対する報酬と考えられます。これを人件費の一部前払いとして、期間按分で費用化します。相手勘定は、純資産の部にある『新株予約権』を用います。

(借方)株式報酬費用 2,250,000 (貸方)新株予約権 2,250,000

5,000円/個 × 600個 × 9ヵ月 ÷ 12ヵ月 = 2,250,000円

② 権利確定日(2018年6月30日)
ストックオプションの権利不確定による失効数及び権利確定数がこの日に決定します。したがって、権利確定日をもって従業員に付与されたストックオプションに対応する労働サービスが完了したと考えます。まずは人件費の前払い分の期間対応を処理します。

(借方)株式報酬費用 750,000 (貸方)新株予約権 750,000

5,000円/個 × 600個 - 2,250,000円 = 750,000円

③ 権利行使時日(2018年12月31日)
権利確定日後は、従業員がストックオプションを行使する権利は確定しており、従業員は、現在及び将来の株価動向などを勘案して、いつでも権利行使及びその時期を判断することができます。従業員は権利確定日後、潜在的株主としての地位をすでに有していると考えられます。

従業員50人が10個/人全てについてストックオプションを権利行使することで、相応分の新株が発行されることになります。払込金額と新株予約権のうち、権利行使に対応する部分の合計額を払込資本に振り替えます。

(借方)現預金   1,250,000 (貸方)資本金 3,750,000
(借方)新株予約権 2,500,000

払込金額 = 2,500円×500個 = 1,250,000円
行使されたストックオプション金額 = 5,000円/個 × 500個 = 2,500,000円

これは、時価7,500円/個の自社株を2,500円/個で購入でき、差額の5,000円/個は、労働の対価として無償で付与されたストックオプションの価値ということになります。この差額の分だけが、従業員の金銭的インセンティブの源泉となるのです。

④ 権利失効時の処理(2019年6月30日)
ストックオプションの権利行使期間が到来しても、足元の株価が、オプション価値の5,000円/個を下回っている場合は、従業員はオプションの権利を放棄することが経済合理性のある行動であると考えます。しかし、ストックオプション発行会社としては、前払い賃金として付与したストックオプションの権利が放棄された(失効した)ので、権利確定日前に費用計上した前払い賃金を取り消す必要があります。つまり、反対仕訳で無かったことにするのです。

(借方)新株予約権 500,000 (貸方)新株予約権戻入益 500,000

5,000円/個 × 100個 = 500,000円


■ 有償ストックオプションに関する会計基準草案が出てきた背景とは?



前回投稿にもあるように、近年、役員や従業員への業績連動報酬制度、しかも後払い(なぜなら、ストックオプションは、仕事に頑張った後、企業価値が高まると自分への見返りが発生するので)であるストックオプションを用いたインセンティブ報酬制度が多くみられるようになりました。

さらに、企業が従業員に対し、ストックオプションとして新株予約権を付与する場合に、当該従業員が一定の額の金銭を払い込む制度の増加も目立っています。しかしながら、この有償新株予約権については、企業会計基準第8号「ストック・オプション等に関する会計基準」の適用範囲に含まれるか否かが明確でなく、現行実務では、その法形式に着目して、新株予約権に関する会計基準(複合金融商品適用指針)に従った会計処理を行っている企業が多いといわれています。こうした状況を踏まえ、本公開草案は、権利確定条件付き有償新株予約権に係る会計処理について、その取扱いを明確化することを目的として公表されました。

有償ストックオプションは、無償ストックオプションとは異なり、原則として株主総会の承認を経ることなく、取締役会決議のみでの機動的な発行が可能でした。加えて、会計処理上は、その法形式を重視し、基本的に、無償ストックオプションの会計処理に特有の報酬費用の計上は必要ないものとして取扱われてきました。このように有償ストックオプションは、無償ストックオプションと比較して、会社事務的にも、期間損益への影響面でも、多くのメリットを有し、従業員に対する新たなインセンティブ政策のひとつとして活用されてきた経緯があります。

筆者は、そもそも「有償」ストックオプションという呼称に違和感を持たざるを得ません。ストックオプションは、そもそも無償で新株引受権(昔の呼称、今は新株予約権)を割り当てることで、キャッシュアウトは後で企業にやさしく、従業員には賃金の前払いができる(しかも、業績連動を保持させたまま)というインセンティブ制度がそもそもの制度主旨だったはず。
それを「有償」で割り当てるということは、冒頭の新聞記事にもあるように、

「有償ストックオプションは、企業の従業員らが対価を払って株式を購入する権利を取得し、業績や株価などの目標を達成できれば権利行使できる仕組みだ。目標が未達成になれば対価の分だけ損をするため、従業員の意欲を高める効果があるとされる。企業の成長とともに従業員が資産形成する手段との見方もある。」

インセンティブ報酬制度と従業員の金融資産形成の投資の目的が入り混じってしまっています。つまり、純粋な報酬制度ではなく、有償部分は、従業員側のリスク負担で、キャッシュアウトを勤めている会社に対して先払いさせているのです。うーん、と首をひねって見せます。こういう報酬制度設計が本当に有効なのだろうか? 会計基準の制定の方は、現状追認ですが、そっちは適切かと思います。


■ 念のため、有償ストックオプションの会計処理を押さえておきます



できるだけ、(無償)ストックオプションとの違いが分かるように、前々章の設例を援用して、仕訳を見ていきましょう。

【設例】
X社(決算日 3月31日)は2017年6月30日の株主総会において、ストックオプションの付与を決定した。
1)付与日におけるストックオプションの公正な評価単価:5,000円/個
2)付与日におけるストックオプションの有償部分の払込金額:1,000円/個
3)付与されたストックオプションの数:600個(従業員60人に対し10個/人)
4)付与日:2017年7月1日
5)権利確定日:2018年6月30日
6)ストックオプションの行使時の払込金額:1,500円/個
7)ストックオプションの権利行使期間:2018年7月1日~2019年6月30日


① 有償ストックオプション付与日
有償分の従業員からの払込を受け付けます。相手勘定として、純資産の部にある『新株予約権』を用います。

(借方)現預金 600,000 (貸方)新株予約権 600,000

1,000円/個 × 600個 = 600,000円

② 権利確定日以前の決算日(2018年3月31日)
従来は、この時点で、付与された有償ストックオプションは、勤務対象期間(付与日から権利確定日までの期間)において提供された労働サービスに対する報酬であるとして、人件費の前払い扱いをしなくてよかったものを、無償と同様に人件費の一部前払いとして、期間按分で費用化します。相手勘定は、純資産の部にある『新株予約権』を用います。

(借方)株式報酬費用 1,800,000 (貸方)新株予約権 1,800,000

(5,000円/個 × 600個- 600,000円(有償分))× 9ヵ月 ÷ 12ヵ月 = 1,800,000円

③ 権利確定日(2018年6月30日)
ストックオプションの権利不確定による失効数及び権利確定数がこの日に決定します。したがって、権利確定日をもって従業員に付与されたストックオプションに対応する労働サービスが完了したと考えます。まずは人件費の前払い分の期間対応を処理します。

(借方)株式報酬費用 600,000 (貸方)新株予約権 600,000

5,000円/個 × 600個 - 1,800,000円 - 600,000円 = 600,000円

④ 権利行使時日(2018年12月31日)
権利確定日後は、従業員がストックオプションを行使する権利は確定しており、従業員は、現在及び将来の株価動向などを勘案して、いつでも権利行使及びその時期を判断することができます。従業員は権利確定日後、潜在的株主としての地位をすでに有していると考えられます。

従業員50人が10個/人全てについてストックオプションを権利行使することで、相応分の新株が発行されることになります。払込金額と新株予約権のうち、権利行使に対応する部分の合計額を払込資本に振り替えます。

(借方)現預金    750,000 (貸方)資本金 3,250,000
(借方)新株予約権 2,500,000

払込金額 = 1,500円×500個 = 750,000円
行使されたストックオプション金額 = 5,000円/個 × 500個 = 2,500,000円

これは、時価7,500円/個の自社株を1,500円/個で購入でき、差額の5,000円/個から、有償分の1,000円/個をさらに差し引いた4,000円/個が、労働の対価として無償で付与されたストックオプションの価値ということになります。この差額の分だけが、従業員の金銭的インセンティブの源泉となるのです。

⑤ 権利失効時の処理(2019年6月30日)
ストックオプションの権利行使期間が到来しても、足元の株価が、オプション価値の5,000円/個を下回っている場合は、従業員はオプションの権利を放棄することが経済合理性のある行動であると考えます。しかし、ストックオプション発行会社としては、前払い賃金として付与したストックオプションの権利が放棄された(失効した)ので、権利確定日前に費用計上した前払い賃金を取り消す必要があります。つまり、反対仕訳で無かったことにするのです。

(借方)新株予約権 500,000 (貸方)新株予約権戻入益 500,000

5,000円/個 × 100個 = 500,000円

最後の最後に、現状のストックオプション会計基準、有償ストックオプション草案、従来適用されていた複合金融商品適用指針それぞれに従った仕訳一覧表をば。

営管理会計トピック_ストックオプションの会計処理

各企業が、費用が増えて困る、といった反対には、その分資本金が膨れ上がっている事実があるだけのことなのですが。。。(^^;)

(注)職業倫理の問題から、公開情報に基づいた記述に徹します。また、それに対する意見表明はあくまで個人的なものであり、筆者が属するいかなる組織・団体の見解とも無関係です

はてさて、こういう経営・会計に関する投稿記事は、兄弟サイトの
経営コンサルタントによる経営戦略と経営管理に効く経営管理会計」にてご覧ください。
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スティーブ・ジョブズ(16)一つのことを、一生やり続けられると確信する日がくる

■ 最近はやった「GRIT」やり抜く力



一つのことを、一生やり続けられると確信する日がくる。

(米国の実業家、アップル創業者 / 1955~2011)
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ペンシルバニア大学 心理学教授 Angela Lee Duckworth(アンジェラ・リー・ダックワース) 氏によれば、

「グリット」とは、物事に対する情熱であり、また何かの目的を達成するためにとてつもなく長い時間、継続的に粘り強く努力することによって、物事を最後までやり遂げる力のこと

なのだそうです。氏の提唱するものに

「成功と生まれ持った才能・知能は関係ない」

というものがあります。

生まれつき素晴らしい才能や知能を持っているにも関わらず、十分な結果が得られなかった人は世の中にたくさんいます。そういう人は、ただ単に、ご自身のその才能・知能を伸ばすための長期的な、継続的な努力が足りなかっただけの人なのです。ダックワース氏の長年の研究によれば、グリットは生まれ持った才能・知能とは基本的に関連性がないし、同時に、先天的な才能・知能を測る方法としてグリットを用いることもできないのだそうです。




それで、スティーブ・ジョブズの冒頭の言葉を思い出すのです。

鶏と卵とどっちが先か、それは私にもわかりません。「好きなこと」だからずっと続けられるのか、「ずっと続けられること」だから好きになるのか。いずれにせよ、ローマは一日にして成らず。短兵急に手っ取り早い成果を求めた施策は失敗の可能性が高い。逆に、成果が出るまでそのことに専念する。専念するから成功が生み出される。

好き → 難なく続けられる → 成果が出やすくなる → 達成感・満足感が得られる → ますます好きになる → もっと続けることができるようになる → (続く)

えっ、私ですか? 経営管理について自分で考え抜き、周囲の人に共感してもらい、逆にインスパイアされることを望みます。それが生活の糧を得る手段として、経営コンサルタントという生業にもなっている。こんな幸せなことはありません。(^^;)

好きこそものの上手なれ



こうした管理会計・経営管理に関する投稿をほぼ毎日更新!
続きは兄弟サイト「経営コンサルタントによる経営戦略と経営管理に効く経営管理会計」へ

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(大機小機)トヨタとマツダの「持ち合い」 - 持ち合いがダメで、共同出資が許される理由とは?

■ トヨタとマツダの包括的業務提携を深化させるための資本提携について



持ち合い株式。政策保有株式とも呼びますが、トヨタ自動車とマツダの相互に約500億円を出資しあう資本提携でより強固なアライアンス構築のステージに進みました。EV車の開発の早期化、北米製造拠点での共同生産など、様々な理由による提携となり、2015年5月に、環境、安全技術分野を軸とする包括提携より一歩進んだものとなりました。

2017/8/4付 |日本経済新聞|電子版 トヨタ・マツダ、500億円相互出資を発表

「トヨタ自動車とマツダは4日、10月に互いに約500億円を出資し、資本提携すると発表した。トヨタはマツダ株の5.05%を取得し、第2位株主となる。米国で共同で約1760億円を投じ、2021年をめどに年産30万台規模の新工場の建設を検討することでも合意した。電気自動車(EV)や「コネクテッドカー(つながる車)」分野でも協業し、異業種を含めて競争が激しくなる次世代技術の開発を急ぐ。」

(下記は、同記事添付の「資本提携発表の記者会見で握手するトヨタ自動車の豊田社長(左)とマツダの小飼社長(4日午後、東京都中央区)」を引用)
資本提携発表の記者会見で握手するトヨタ自動車の豊田社長(左)とマツダの小飼社長

本記事によりますと、10月2日に互いの株式を取得する予定で、トヨタはマツダが実施する第三者割当増資を引き受ける形での出資となります。これは、東証・金融庁の株券の大量保有に関する5%ルールに配慮した形と思われます。マツダも500億円でトヨタ株を0.25%取得しますが、こちらは同額出資といっても、トヨタの自己資本規模からすると、同じ500億円といえども、20以上のインパクトの差があるということになります。

さて、包括的業務提携をさらに深化させるため、資本提携にまで発展させる。こういう文脈は、日本企業社会にどっぷりつかっていると、そんなに奇異には映らないものなのですが、欧米の機関投資家にとっては、やはり日本株式会社の特殊論となるようです。


■ これが持合い株式に対する海外投資家を名乗る人の指摘ポイントだ!



今回のコラムは、執筆者、万年青さん旧知の海外投資家からのメールから始まります。

2017/8/17付 |日本経済新聞|朝刊 (大機小機)トヨタとマツダの「持ち合い」

「トヨタ自動車とマツダが資本業務提携で合意したと発表したその日、旧知の海外投資家から1通のメールが届いた。
 「業務提携は解るが何故500億円の同額の株式持ち合いが必要なのか。アベノミクスでは、コーポレートガバナンス強化のため持ち合い株は削減する方針ではなかったのか。トヨタがマツダ株を5%持つということは、マツダにとっては安定株主が増え、トヨタにとってはマツダを系列化したという意味か」と畳み掛けるような論調である。」

本コラムで紹介される海外投資家からの質問に答える形で、持ち合い株式の問題点が指摘されています。

① 資本の空洞化
② 株主による経営監視機能の形骸化
③ 企業統治の弱体化
④ 株主の実質的な平等性に対する弊害


そして、投資家側も襟を正すようになったと。

「日本再興戦略に基づき、スチュワードシップ・コードでは機関投資家に「対話を通じた企業の中長期的な成長を促すこと」を求めている。株式持ち合いはこうした活動を空洞化する。」

さらにこの海外投資家から次のような反論があったとか。

「日本は系列や株式持ち合いは経済の発展にとってマイナスだと宣言したのではなかったのか。株の持ち合いは日本にしかない慣行で、他の株主の権利を毀損する行為だ。資金使途は互いの株の持ち合いじゃないか。株の持ち合いで希薄化を生じさせるのはおかしい」

言いたいことは、トヨタまたはマツダの株主にとって、500億円のお金は相互の株式持ち合いに費やされ、既存株主の経済的権利や経営参加権を毀損するという指摘。本当でしょうか?


■ 株式持ち合いと相互出資子会社設立との違いとは?



下図をご覧ください。両社が500億円を出資して、EV車開発のための事業投資や北米共同生産のための事業投資に費やすというビジネスサイドの要素はどちらも不変とします。ただし、出資金の動きだけを、①株式持ち合い、②共同出資子会社(ジョイントベンチャー)設立という形式面での違いを表現してみます。
(紙面の都合で、面積グラフの高さが微妙に調整されていますが、ご容赦下さい。)

経営管理会計トピック_株式持ち合いと共同出資子会社設立


(1)株式持ち合い
まず貸借対照表の資産側にある現金で相互の株式を購入します。それぞれの購入株式は投資その他の資産として有形固定資産に計上されます。トヨタの方は、総資産は不変です。なぜなら、所有現金をマツダ株に振り替えただけで、マツダは市中からトヨタ株式を買い付けるからです(公開買い付け)。一方で、マツダは、トヨタへの第三者割当増資で総資産が500億円分増価します。その対価として、B/Sの貸方では、トヨタ株式という資産が増加します。

(2)共同出資
この場合、両社ともに総資産は不変です。借方の資産構成が、現金が子会社株式に変換するだけです。

そして、いずれの場合でもビジネスサイドの業績へのインパクトは同じと仮定した場合、株主への経済的影響も変わらないことを以下に説明します。共同事業が500の利益を創出した場合、それぞれの株主への貢献は250ずつ。ROIは、等しく50%。後は、それがどのように株主に帰属するか。

トラッキングストック対象でもない限り、事業利益は株主を選ぶことができません。それゆえ、株式持ち合いのケースであっても、既存株主と持ち合い株主は等しく新事業からのROI:50%を享受します。

一見、株式持ち合いのケースだと、マツダは、トヨタの出資分だけ、既存株主の新事業からの利益の取り分が、54.5%(1100÷600)に減額されるように見えます。これが、既存株主の利益の希釈化だとの誤解部分。だって、マツダの既存株主は新事業に1円も出していないじゃありませんか。しかし、利益は株主を選べない。マツダの既存株主にも新事業の利益は分配されるので、利益の希釈化どころか、付加的に利益が増えて歓迎すべき事態になっているはずです。トヨタの株主は、総資産(=総資本)が不変なので、その辺りは条件不動で、ここでも不公平は全く発生していません。

ただし、共同出資会社方式の長所は、そこから得られた果実(新事業からの利益)を従来資産による既存事業と明確に切り分けられる部分だけ。投下資本利益率が計算しやすい点になります。その一方で、共同出資子会社に移管できない共通資産(本社サービスや多重利用可能な知財権、グループや親会社のブランド力、経営ノウハウなど)の活用の制約を受けるデメリットが生じる可能性があります。

いわゆる海外投資家を語って株主利益の最大化を主張する人たちへ。投資の世界にフリーランチはありませんよ。持ち合いだろうが、共同出資形式だろうが、キチンと投資のリスクを負った人に、公平に利益を享受する権利が与えられるのです。(^^;)

(注)職業倫理の問題から、公開情報に基づいた記述に徹します。また、それに対する意見表明はあくまで個人的なものであり、筆者が属するいかなる組織・団体の見解とも無関係です。

こういう経営管理・管理会計に関する投稿をほぼ毎日更新しているのは下記の兄弟サイト
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満員御礼!2017/7/12 日本CFO協会主催 CFO NIGHT!! 『経理業務へのRPA導入および運用事例』

■ RPA:Robotic Process Automation の事例紹介セミナー 満員御礼!



2017年7月12日(水)に、一般社団法人 日本CFO協会主催による「CFO NIGHT!!2017」が開催され、筆者も、基調講演の後、プロフェッショナルセッションBとして、「経理業務へのRPA導入および運用事例」と題し、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA:Robotic Process Automation)を経理業務に適用した事例紹介と、RPAの今と将来について、40分という短時間ではありましたが、コンパクトにRPAの衝撃の大きさと導入にあたってのTIPSをご来場いただいた聴衆の皆様になんとかお伝えできたのではないかと感じています。

100名定員の広さを有する会場をご用意いただいたのですが、事前登録から100名超の応募申し込みがあり、当日も大盛況でした。会場に追加の椅子を何脚か持ち込んだのですが、それでも収容できずに、立ち見で聴講頂いた方や、諦めて別セッション会場へ流れた方もいらっしゃいました。有料のセミナーにもかからず盛況で、この場で、関係者の皆様に改めてお礼申し上げます。m(_ _)m

もし宜しければ、近いうちに同様のテーマでのセミナーを企画したいと考えておりますし、直接コンタクト頂ければ、時間の許す限り、個別説明にあがる所存でおります。ご希望される方は、本ブログの問い合わせ欄、小職の Facebook、Twitter、Google+、Linkedin からアクセス頂ければと思います。
CFO Night!! 2017_4_小林友昭


■ RPAの基本をおさらいする!



ここで、改めてRPAのご紹介を。

● RPAとは?
デジタルレイバー(Digital Labor)とも呼ばれており、ホワイトカラーの間接業務を自動化することで、① 閑散期と繁忙期の間の工数変動の波を抑制する、② 間接工数自体を削減することで、間接人件費を削減する、ことを目的としています。デスクトップ上で人間がする作業をロボットに記憶させますので、ロボットがあなたの定型業務を代行してくれます。ロボットの代行業務によって、24時間365日休むことなく、定型的な業務を繰り返し反復して自動化してくれることで、これまで手が付けられなかった煩雑な作業も短い時間で処理してくれる効果まで期待することができます。


● RPA導入のポイントとは?
ロボットに、一定のルールを覚えさせることで、基準にもとづいた判断作業をさせることも実現可能になります。将来的には、AI(人工知能)による強化学習・深層学習(ディープラーニング)機能により、より高度な判断作業をさせることもでき、その生産性向上と応用範囲の広がりに対する将来性は大きなものがあります。

また、人間のデジタル情報処理を代わりに行わせるという発想に立つ技術を用いているので、既存の基幹システムやワークフローシステムを再構築する導入コストを最小限に抑えることができます。従来、システムとシステム、データとデータを人間系でつないでいた、その「人間系」をロボット(デジタルレイバー)に置き換える点が、画期的であると考えています。



■ 改めて実感するデジタルデバイド:RPAを全く知らない人から既にRPA導入で苦労している人まで



RPAの導入事例をテーマに登壇したのですが、セッション後の個別質問や、その後の懇親会での名刺交換させて頂いた後の対話の中で、RPAの浸透度や理解度に企業間のギャップがかなり大きいことが手に取るようにわかりました。当方と致しましては、「RPAの導入事例」というテーマでセッション開催を呼びかけた手前、すでにご存じの方、導入済みだが何かお困りごとをお持ちで悩んでいる方の参加を前提にしていました。

もちろん、そういう方々のご参加があり、当然、セッション後の個別質問、個別対話の中で、そういう突っ込んだ導入後の悩みに対する相談であったり、ツール選定のクライテリアなどでひとしきり会話が盛り上がったのですが、一方で、「RPAはどれくらいの企業規模から導入できますか?」「初期投資は何千万円ぐらいになるのですか?」というご質問を受けました。別段、ここでセールストーク、ポジショントークでやおら不安をあおって、筆者自身のビジネスチャンスを無理矢理広げようという意図は全くありませんが、時流のテーマに対する感度が千差万別で、あからさま認知レベルの差がこれほど大きいと、全く知らない人(だった人)は、もう少し、アンテナを高くして、情報収集に務められたらよろしいかと老婆心ながら思った次第です。

本ブログもできるだけ、時流のテーマを取り上げるように努力していますので、通読頂ければ幸いでございます。(^^;)


■ RPAの取り組みについて何が成功の鍵を握っているのか?



専門家ぶって、ここで一説ぶち上げようという意図ではなく、昨晩盛り上がった会話の中から、いくつかのトピックをご紹介したいと思います。

● 経営トップからRPA導入で間接人員90%削減という目標設定されているのですが?

セッションでは、無人化・代行を主目的とした「欧米型RPA」と、現業業務の作業効率を上げることを主目的とした「日本型RPA」という、やや乱暴ですが分かりやすい類型化をさせて頂きました。当然、いきなり90%間接人員削減という経営目標を手っ取り早く達成するためには、トップダウン方式で、「欧米型RPA」的な導入アプローチでRPA課題に取り組む必要があるかもしれません。

しかし、多くの日本企業におかれましては、多くの間接人員の暗黙知や属人的作業の集合体で、バックオフィスの仕事が回っていることも事実です。欧米型の徹底した業務標準化→一気呵成にRPAに代替→間接人員の首切り、というストーリーは、結果から見ると効率的に目的達成できそうですが、そのストーリーで、既存社員の協力が果たして得られるものでしょうか?

RPAは、人間が仮想ロボットに、作業シナリオを覚え込ませる必要があります。どこまでも、生身の人間が道具としてロボットを使うのです。より広い見地で、業務改善を含む業務フローの標準化やプロセス化に対する知見を自発的に集結させることで、より適切で合理的なRPAが組めるのです。最初から首切りが目的のプロジェクトに当事者に該当する人が協力するわけがないじゃないですか。

ここで。「欧米型」「日本型」と紋切型で類型化しているのは、ひとつに、RPAソリューションベンダーの出自の分類でもあります。上記の課題認識の違いがそれぞれのRPAソフトウェアの製品仕様に反映されていますので。しかし、私がより強調したいのは、進め方の「欧米型」「日本型」の区別です。後者は、製造業のQCサークルによる改善活動が生産現場の生産性向上と作業品質向上に大いに役立った事例を参照し、それがホワイトカラー職場にも同様に適用できると固く信じています。生産現場でも、ホワイトカラー職場においても、日本人の働き方の気質というのはそう大差はありませんので。筆者は、日本人による日本企業のためのPRA推進にこれからも尽力したいと考えています。

● セルフAIが登場したら、これまで貯めてきた経験値は全て無に帰するのではないか?

これは、既にRPAを導入済みの大企業様のCFOの方との対話の中で触れられた話題です。この企業様では、筆者みたいな年寄り(笑)ではなく、RPAを30代までの若手にどんどん触られて、シナリオライブラリーの充実を図られていらっしゃいます。しかし、AIが自己学習でどんどん自律的に賢くなっていったら、生身の人間がよってたかって、ああでもない、こうでもないと試行錯誤して作成したRPAが全て、瞬時に時代遅れになってしまい使い物にならなくなるではないかというリスクが無いか、というご懸念です。それゆえ、現時点であまりRPAばかりに傾注するタイミングではないのかも、というご見識をお持ちでした。

これはある意味、正鵠を得ています。RPAの世界では、

① ルールベース(定型業務の自働化)
② 機械学習(過去データからルールを学習)
③ IoA: Internet of Abilities (人間の能力をAI・ロボが拡張していく)


というステップ論が語られることが多く、現在、一般に流布しているRPAツールのほとんどは、第1段階のものです。この企業様は、AI自体も手がけられているので、既に、第2段階のコグニティブAIを商品化しており、社内でもAI知見が豊富で、既に、RPAの第2コーナーを回りかけている段階にあるが故の悩みのように見受けられました。

あえて、気づきポイントを指摘させて頂くなら、自己学習AIが出した結果を検証するのは人間であるということです。学習スピードはけた違いでも、そのシナリオが人間社会の中で倫理的に問題が無いのか、生身の人間の生体的な限界値内のものなのか。それは生身の人間によってAIが出した答えを検証してあげる仕事は残ります。その時の業務判断の質をあげるためにも、同種のシナリオ作りの経験をある程度積んでおく必要があるでしょう。

また、過去のデータ蓄積からは見つけ出せないひらめきから来る業務改善のインプットは人間から出ないと、第2段階のAI(弱いAI)からは期待できません。AIとかIOT、RPAもそうですが、一般的なマスコミ報道にあるように、少々SF的な受け止め方と、実務的な実現可能性の間に現存する認識ギャップにも併せて留意する必要があるかもしれませんね。

もっと対話の内容をご紹介したかったのですが、紙面の都合上、今回はここまで。
また、ご縁があったら、是非、小職のセミナーまで足をお運び頂ければ幸甚でございます。m(_ _)m

一般社団法人 日本CFO協会 CFO NIGHT!! 2017

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2017/7/12 セミナー登壇 日本CFO協会主催 CFO NIGHT!! 経理業務へのRPA導入および運用事例

■ ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA:Robotic Process Automation)



2017年7月12日(水)に、一般社団法人 日本CFO協会主催による「CFO NIGHT!!2017」があります。株式会社三菱ケミカルホールディングス 代表執行役副社長 小酒井 健吉氏による基調講演の後、プロフェッショナルセッションBとして、小職が「経理業務へのRPA導入および運用事例」と題して、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA:Robotic Process Automation)を経理業務に適用した事例紹介と、RPAの今と将来について語りたいと思います。

20170610_CFO NIGHT!!_RPA

● RPAとは?
デジタルレイバー(Digital Labor)とも呼ばれており、ホワイトカラーの間接業務を自動化することで、① 閑散期と繁忙期の間の工数変動の波を抑制する、② 間接工数自体を削減することで、間接人件費を削減する、ことを目的としています。デスクトップ上で人間がする作業をロボットに記憶させますので、ロボットがあなたの定型業務を代行してくれます。ロボットの代行業務によって、24時間365日休むことなく、定型的な業務を繰り返し反復して自動化してくれることで、これまで手が付けられなかった煩雑な作業も短い時間で処理してくれる効果まで期待することができます。

20170610_CFO NIGHT!!_プロフェッショナルセッションB

● RPA導入のポイントとは?
ロボットに、一定のルールを覚えさせることで、基準にもとづいた判断作業をさせることも実現可能になります。将来的には、AI(人工知能)による強化学習・深層学習(ディープラーニング)機能により、より高度な判断作業をさせることもでき、その生産性向上と応用範囲の広がりに対する将来性は大きなものがあります。

また、人間のデジタル情報処理を代わりに行わせるという発想に立つ技術を用いているので、既存の基幹システムやワークフローシステムを再構築する導入コストを最小限に抑えることができます。従来、システムとシステム、データとデータを人間系でつないでいた、その「人間系」をロボット(デジタルレイバー)に置き換える点が、画期的であると考えています。

20170610_CFO NIGHT!!_開催概要

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海外に技術流出を恐れ、海外資本への会社・事業売却を懸念する件について

■ 海外資本による日系企業の事業売却を恐れる事にどれだけの意味があるか?


中国の政治指導者、 鄧小平の言葉として「白猫であれ黒猫であれ、鼠を捕るのが良い猫である」というのがあります。
ここから、「海外資本であれ国内資本であれ、事業買収にお金を出してくれるのがよい資本である」と心底から考えています。
ホンハイによるシャープ救済の時も大いに議論されました。ジャパンディスプレイ設立の時も、この論点が背景にありました。

筆者は屁理屈屋なので、本当に理屈だけなのですが、外国資本が入る度に「すわっ、技術流出の恐れあり!」と騒ぐのは、純粋に経済的・経営的視点に立つと、どこに、そんな論拠が成立するのか? と本当に真剣に考え込んでしまいます。

1)買収でなくても、技術流出する可能性はある
 ・産業スパイ(ほとんどのケースで違法になる可能性大ですが、それは刑罰上の問題です)
 ・貴重な知財を握っている人材の異動(知財の持ち出しは当然刑罰の対象になります)

2)外国資本だけを特別視することの正当性はない
 ・特定の国籍の企業による買収だけを危険視するのは、外交上の問題をすり替えている
 ・外国籍の投資ファンドならば、傾向として批判が甘くなるのはなぜか? 理屈が一貫していないのでは?

現代は、グローバル資本主義の世の中です。お金(資本)は国境をいともたやすく超える存在になりました。国家より巨大な経済主体となったグローバル大企業による影響力行使はとどまるところを知りません。その力の行使が腹に据えかねたのか、タックスヘイブン活用や過剰な課税回避を目の敵にして、国家権力の方も「徴税権」をかざして、巨大資本を統制しようと「法の権力」で対抗しようとしています。

もはや、巨大資本は国家にも対抗できる存在になりました。それゆえ、どこかの主権に属すると一見思われる産業資本に日本企業が買収されるたびに大騒ぎすることは、もはや意味のないことといえます。どこかの国家主権の藩屏として、グローバル巨大企業に代表される産業資本が、特定の国家のために行動する・使役されるというはもはや幻想だからです。

とある主権国家の出資があるならば、特定の産業資本だけでなく、投資ファンドでも、当該国家主権の意を受けて行動する可能性が考えられます。それゆえ、その企業体(産業資本)の見かけ上の国籍が問題なのではなく、だれが出資者(株主)かが問題なのです。

何が言いたいのかというと、順風満帆な経営状態である日本企業があるとします。その株主構成は、外国人株主比率が50%あるとします。それでも、その企業は日本企業(日系企業)と一般的には考えられています。創始者が日本人だから? 日本国籍の従業員比率が多いから? 

「日本企業」という定義も曖昧なものです。「技術流出」というのも、どこからどこへの流出を危険視しているのか? グローバル企業はもはや国境を越えた存在です。

日系企業でも外資企業でも法人税を払ってくれる企業が主権国家にとって良い企業。

法人税はそもそも課税所得がないと徴収できませんね。 出資者の出自にこだわって、本当なら儲かるビジネスを儲けさせないとしたら、それこそ経済原理に反する行いです。そんなことを、法の力で捻じ曲げることは許されません。

国家主権、経済原理、資本構成、外交や国益問題、徴税権の行使。

そういうことをきちんと整理して考えていれば、特定の国籍を持つ(という幻想を抱いている)資本に日系企業やその事業が買収される意味、そして技術流出という面だけを強調して問題視する意味がどれだけあるのか? 企業活動の本質により多くの方が気づくことを願ってやみません。(^^;)

そんなこんなで、現役の経営コンサルタントが日々、思うところを綴っている兄弟サイトこちら。

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(7/27)【無料セミナー】原価管理業務改善とICTの最新トレンド!~利益創造のための原価管理とシステム適用のポイント~

『全員参加の原価管理で利益を創る - 最新ICT活用事例』
~今年もプロジェクト原価管理を語ります!~


2016年7月27日
主催:株式会社NTTデータ ビジネスシステムズ
共催:株式会社クニエ、株式会社NTTデータ

【セミナー概要】

コスト競争が激化している今日、原価情報の活用が急務となっています。多くの企業では正しい原価を掴むために日々奮闘されていますが 『経営層の求める原価管理のレベルにICTが追い付いていない』 、『手作りのシステムがブラックボックス化している』などの様々な経営課題をお持ちのお客様も多いかと思います。

今回のセミナーでは、大手企業様の原価管理コンサルティングを数多く経験されている株式会社クニエの小林氏をお招きし、業種・業態を限定せず、原価管理の基礎や多くのお客様に共通する改善の方向性について、ご説明頂きます。後半には、個別原価計算の領域における「グループ企業のICTの統合化・シェアードサービス化」や「手作りからパッケージへ乗りかえた成功事例」について、ソリューション紹介と共にご説明致します。

原価管理業務の積極的改善を図りたい あるいは 原価管理に課題をお持ちの経営幹部・部門リーダー・ご担当者の方のご参加をお待ちしております。


【本セミナーのポイント!!】
業種を限定しない原価管理における収支の見える化・原価低減の改善の方向性
個別原価計算領域における「グループ企業ICTの統合化・シェアードサービス化」事例紹介
原価管理システムをパッケージに乗せかえた成功事例のご紹介


【プログラム】 (下記は、筆者が講演する部分を一部抜粋)
20160628_原価管理セミナー_プログラム


申込みページはこちら

【問い合わせ先】
お電話:0120-458-459
第一システム事業本部 Biz∫ソリューション事業部 Biz∫ソリューション企画営業部
E-MAIL:biz_sales@nttdata-bizsys.co.jp


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簿記を全く知らずして決算書が本当に読めるようになるのか?

■ 簿記を勉強しないでも決算書が読めるという本を書いている人は簿記を勉強したことがあるのか?


断言します。
決算書(財務諸表)は、簿記を勉強しておかないと、本当のことは理解できません。

そもそも、「簿記知識が無くても決算書が読める!」という類の本を書いている著者自身は、程度の差こそあれ、必ず簿記を勉強しているはずです。そうでないと、「決算の読み方」という類の本は書くことができません。

世の中には、甘言を弄して本を売ろうとしている人が多くて大変困ります。

「食べるのを我慢しないで、○○日で成功するダイエット」
「必ず儲かる、これから急騰するおススメ株はこちら!」
「誰でもやればできる、副業で○○○万円の収入を得る方法」

必ず儲かる株を知っているのなら、本を書いている間も惜しんで、資金繰りを必死にやって、自分でがっぽり買い込んで、人知れず大儲けしていればいいじゃないですか。わざわざ、おススメ株を書物で紹介することに何の意味があるんでしょう? もし儲からなかったら、損失補填でもしてくれるのでしょうか?

話を「簿記」と「決算書」の関係に戻しますと、企業を取り巻く諸々の経済的取引のうち、会計的取引になるものを抽出し、簿記のルールに従って、「仕訳」という会計素データをちまちまと作成してきます。それから「仕訳」を、整理して、決算書(財務諸表)のフレームワークにはめていきます。

①「費用」と「収益」のカテゴリに入ったデータを「損益計算書」へ
②「資産」「負債」「資本(純資産)」のカテゴリに入ったデータを「貸借対照表」へ
③「現金同等物」の増減データを「キャッシュフロー計算書」へ
④「株主資本」の増減データを「株主資本等変動計算書」へ


極論的にシンプルな説明をさせてもらうと、
去年と今年の「貸借対照表」がまずあって、「貸借対照表」に記載されている「当期純利益」の今年1年間の増減理由を記しているのが「損益計算書」で、「現金同等物」の今年1年間の増減理由を記しているのが「キャッシュフロー計算書」で、「株主資本」の今年1年間の増減理由を記しているのが「株主資本等変動計算書」です。

こう説明されても、簿記の知識がないと、「へぇ~、そうなんだ」で終わってしまいます。よく、決算書を読むのに簿記の知識が必須かどうかの議論をするときに、「自動車のエンジンの構造や製造方法を知らなくても、自動車を運転できるように、複式簿記を知らなくても、決算書は読めるようになる」という比喩を使う人がいます。でもね、内輪差とか、ポンピングブレーキとかの知識がないと、運転自身が危なっかしくなるでしょ。簿記の知識ってそういうレベルのものです。

私は、学生時代に独学で日商簿記4級にチャレンジした際、「貸方」に「借入金」という勘定科目が記載されているのを発見して、すぐに誤植だと思い、出版社に問い合わせたほどの素人から会計人生を始めました。当然、簿記4級の独学は挫折してしまい、1年後、会計専門学校に通い始め、ようやく簿記1級を取得しました。

「貸方」って、銀行が企業に貸し付けをする際に、銀行側から見た定義からくる用語で、銀行が貸すお金は当然企業から見れば「借入金」なのですよ。こういう解説をしてくれる本こそ本当に会計初学者に必要なんだろうと思います。

そういう私は、実は、学生時代に運転免許を取った後、ほとんど自動車の運転をしたことが無い超ペーパードライバーなんです。簿記とエンジンの話をする資格ないじゃん!
m(_ _)m



(それでも、簿記知識がなくてもてっとり早く決算書の構造と、財務諸表間の関係を知りたい方は、筆者の「会計(基礎編)」のシリーズを読んでみてください。でも少しでも、説明についていけないと感じたら、その時こそ、あなたにとって簿記の勉強が本当に必要なんだと実感できた瞬間だと思いますよ。)

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オービック情報システムセミナー[2016年 夏] 商社における事業ポートフォリオ管理での財務指標活用法(6/17)

■ 商社における事業ポートフォリオ管理で必要なこと


オービック情報システムセミナー[2016年 夏]にて、商社向けの事業ポートフォリオ管理における財務指標の活用法について講演させていただきます。業種は「商社」となっておりますが、複数の事業セグメントから構成される製造業、サービス業、そして商社を含む流通業でも汎用的に管理会計的な事業採算の評価方法を説明いたします。筆者の管理会計・経営管理の世界観にご興味がある方は、どうぞ業種を問わず、会場まで足をお運び頂けると幸いです。実際に、商社様の事例紹介もいたしますので、会計理論にだけ偏った、『絵に描いた餅』にだけはなっていないことは100%保証します。きちんと実務解を説明するのでご安心ください。

20160519_オービック情報システムセミナー_2016年夏

20160519_オービック情報システムセミナー_2016年夏_地図
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予算管理でPDCAが回せている自信ありますか?

■  予算管理プロセスでPDCAを回すことができている状態を想像してみてください!


単年度予算を策定して、月次決算を実施して、予実差異分析をおこなって、目標未達を埋めるためのアクションプランを決定する。この一連の作業を、PDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルと一般的には呼ばれており、PDCAを回すための指南書や、コンサルティングサービスが世の中を闊歩しています。この現状に対して、どうにも筆者は首を傾げざるを得ません。

以下は、よくある企業の予算管理プロセスの実態です。

P:予算策定は、前年の第3四半期末前後の需要予測に基づいてスタートする
D:月次決算は、前月末実績レポートが出るのが翌月末ぐらい
C:予実差異は、勘定科目別で、ざっくりとしたセグメント・組織別でしかでない
A:改善プランは、過去に起きた問題にフォーカスして立案される

Pについて
3月決算会社の場合、単年度予算を作り始めるのが、前年の12月前後から。市場動向・技術動向の変化が激しい現代において、15カ月前の市場予測に基づく目標設定は、どれだけ精度が担保されているのでしょうか?

Dについて
例えば、5月実績レポートが出るのに、6月の第12~15営業日ぐらいまで待つこともざら。そこから分析を開始していては、分析結果が出るのが、翌々月になりますよ。2か月前の実績報告はもはや、誰の注意も引きません。

Cについて
予実差異、目標と実績の差異をレポートできるのは、勘定科目のざっくりセグメントだったりします。例えば、産業機械セグメントの売上高が予算比:20%減、対前年比:13%減、みたいな。皆が本当に知りたいのは、売れ筋のハズだった●●機械の納期遅れが発生して、売上が立つのが2か月遅れる、とか、主要顧客からの見込受注が顧客都合で半減してしまった、とかが知りたいのでは、、、

Aについて
期初からこれまで経過した売上未達に対してどうするか? というプランを考えるのが妥当と皆が考えるかもしれません。でも、年度末目標の未達部分を挽回する短期的な話と、競争市場で、コンペチターに売り負けしない製品ラインナップ作りと、大口顧客の攻め方という本質的な話とは、打ち手が随分変わってしまいます。それでも、年度末の売上目標値にこだわりますか?




■ 過去にこだわったPDCAではなく、現在をどうするかにフォーカスしたPDCAにしましょう!


ということで、通説で世間にまかり通っている常識として、「予算管理」「目標管理」の領域で「PDCA」プロセスを回す、というのは、たとえ、プロセスを効率化したり、ITを駆使してタイムラグをどんなに縮めたりしても、目指すべきゴールが後ろ向きな、15カ月前の目標未達のギャップを埋める、ことに執着していてはだめだと思います。

「手段」の問題ではなくて、「目的」の問題。現状目指すべき、現状ありたい姿を「目標値」とおいて、そこからの乖離を上下共に、できるだけ少なくするような補正活動を行うこと。これが本家本元の「PDCA」だったはず。というのは、PDCAの提唱者であるデミング博士は、「予算管理」「目標管理」の領域でこのコンセプトを世に広めようとしたのではなく、「品質管理」の領域で上下の外れ値を無くして、「標準化」「平準化」をそもそもの目的としていたから。巷に溢れる「PDCA」本のほとんど全ては、デミング博士の意図とは全く異なることを世に広めようとしています。

(参考)
⇒「経営管理 その管理方法
⇒「PDCAサイクルと経営管理

あなたの会社のPDCAへのスタンス、いつ変えるんですか? 今でしょ!(林修風)

(注)職業倫理の問題から、公開情報に基づいた記述に徹します。また、それに対する意見表明はあくまで個人的なものであり、筆者が属するいかなる組織・団体の見解とも無関係です。



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