TOP > 会計(基礎編)

減損損失と減価償却費の本質的違いとは? - 固定資産の資産性評価の考え方、時価主義と費用収益対応の原則の違い

■ 固定資産をキャッシュマシーンと見るか、将来費用の仮計上と見るか、それが問題だ!



最近やたら「減損損失」という会計用語を目にします。その計算構造を簡単に説明します。

①計算対象
固定資産

②減損の兆候があるかの判定
判定対象資産が生み出す営業キャッシュフローまたは営業損益がマイナスである

③減損損失の認識の判定
対象資産の帳簿価額(簿価)と、対象資産が生み出す将来営業キャッシュフロー総額を比較し、前者の方が小さい

④減損損失額の測定
対象資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、元々の帳簿価額との差額を減損損失とする

※回収可能価額とは
 ・使用価値:割引前将来キャッシュフロー総額の現在価値
 ・正味売却価額:今、売却した場合の売値

「割引前」とか「現在価値」とかの用語が分からない場合は、無視して頂いても本質理解を邪魔しません。

平たく言うと、企業が現在使っている固定資産、例えば、とある機械装置を想像してください。その機械装置が壊れるまで稼げるであろう予想キャッシュフロー総額が、現在の機械装置の簿価より小さい場合、その差額を今期の損失として損益計算書(P/L)に計上し、その同額分だけ機械装置の簿価を引き下げる、というものです。

会計の教科書には減損損失に関する会計処理そのものの説明は丁寧に載っているのですが、どうして減損損失を計上しなければならないのか、あるいは、減価償却費とどう違うのか、について、そもそもの本質的な説明が不十分なものが多い気がします。

それは、ズバリ、計算対象とする資産をどう見ているかの違いです。すなわち、キャッシュマシーンとして見ているか、費用の塊りとして見ているか?

⇒「「のれん」残高24兆円に拡大 7年連続最高に 今年度5%増 潜在的な減損リスクも
⇒「日本郵政が豪物流子会社巡り最大4000億円規模の減損損失の計上へ - のれんの一括償却で膿を出し切り経営が上向くと考えるのは誤解です!
⇒「国際会計基準への移行で500億円の営業利益を押し上げるリクルートと、研究開発費を投資とみなして31兆円のGDPを押し上げる内閣府について


■ 固定資産の時価評価の結果が減損損失の認識であるとは言い切れない理由とは?



企業が有している資産は、すべていつでも換金可能な財産であると仮定します。換金可能ならば、常にいくらで売れるかを示す「時価」を持っているはずです。今、企業が宝石を持っていて、簿価100万円で、貸借対照表(B/S)に載せているとします。将来、150万円で売れる可能性が高い場合、「時価」は150万円ですので、B/Sに150万円で計上すると、常にB/Sがその企業の時価を表すものとなり、M&A取引において企業価値評価作業がとても楽になります。

一方で、その宝石が将来、80万円でしか売れないという予想がある時、「時価」は80万円となるので、B/Sには100万円ではなく、80万円に修正しておかないと、その企業が有している財産の時価がB/S上では分からなくなります。

つまり企業財産の時価評価には、プラス方向とマイナス方向があり、いわゆる「時価評価」「時価主義会計」という言葉を用いる場合には、評価損も評価益も、両方ともアリとします。しかし、減損会計が対象としている固定資産は、評価益の計上は「未実現利益」として計上が禁止されているにもかからず、評価損の方だけは、いわゆる「保守主義の原則」にしたがって厳格に計上することになったのです。同じことが、販売目的の棚卸資産への「低価基準」「低価法」の適用にも言えます。

会計(基礎編)_中途半端な時価主義会計

固定資産の減損に係る会計基準
 ・設定主体 企業会計審議会
 ・設定時期 平成14年8月

企業会計基準第9号 棚卸資産の評価に関する会計基準
 ・設定主体 企業会計基準委員会
 ・設定時期 平成18年7月
 ・最終改正 平成20年9月

企業会計基準第10号 金融商品に関する会計基準
 ・設定主体 企業会計基準委員会
 ・設定時期 平成11年1月(当時は企業会計審議会)
 ・最終改正 平成20年3月

企業が所有している財産は全て換金可能である、という仮定は無理がありますが、現在、全面的に「時価主義」を適用している「金融商品」や「トレーディング目的の棚卸資産」は換金可能性に裏付けられた評価益と評価損を客観的に測定できることが前提としてあって初めて時価評価できるといえます。

一方で、中途半端に「評価損」の方しか計上が許されていない(見方によっては、評価損の計上だけを会計基準で強制されている)販売目的の棚卸資産と固定資産の方にも、「正味売却価額」という概念が盛り込まれているので、市場で売買され得ることを前提に評価損の計上額が考えられています。ただ「評価益」の方は認識するだけの自信が無い(客観的に評価益の測定額に自信が持てない)、そういう理由で全面時価評価が見送られているのです。

⇒「国際会計基準IFRSが変える(下)のれんや資産の「時価」重視 リスク管理の精度高める

■ 固定資産の現在価値を重視するなら減損損失で、費用収益対応を重視するなら定期償却で!



ただし、固定資産については、市場で売買されて時価評価できるか否かの論点以外に、「費用性資産」という側面でも考察しなければなりません。この考え方は、「資産というものは、期間費用化されることを前提に、支出と費用の差額調整のためにB/Sに仮計上されているものである」という資産観に基づくものです。

これは、動態論といって、損益計算書(P/L)で企業業績を評価することが財務諸表の最も大事な作成目的であるという立場に基づくもので、簿記論的には「前払い費用」がB/S計上される意識と同一のものである、といえば、理解しやすいのではないでしょうか。

この会計観では、資産の費用化について、減価償却(定期償却)という会計処理が代表的です。とある企業が5年間使用することを前提に、機械設備を100万円で購入した場合、100万円は「費用収益対応の原則」に則って、5年間の売上獲得に等しく貢献するものであるから、100万円を5分割して、20万円をそれぞれの会計年度に費用として分割計上した方が毎年の損益計算が正常に行われる、という期間損益計算中心の会計処理に基づくものです。

ここまでの説明をいったん整理すると、大抵の固定資産は、
① 中途半端な「時価主義」と「保守主義の原則」によって、評価損だけ「減損損失」として計上しなければならない
② と同時に、費用性資産として、「費用収益対応の原則」によって、一定額を毎期「減価償却費」として、費用化させなければならない

という2面性を持っていることになります。この時価主義における「換金性資産」と、「費用化資産」という2つの性質から、それぞれ「減損損失」と「減価償却費」という2つの費用化(損失計上)が行われ、B/SからP/Lへとその価額が移行していくのです。


■ 最後に残った「のれん」をどう考えるべきなのか?



固定資産の費用化の議論の中には、最近当たり前になったM&Aに関連して、最近富に目にする「のれん」の「減損損失」か「定期償却」か、という論点があります。


ややこしいことに、「のれん」については、その計上額算定に客観性に欠けることが多いことから、評価益の計上は許されていない以前に「のれん」そのものも「自家創設のれん(自己創設のれん)」として資産計上が禁止されています。唯一、M&A時に対価として支払った現金か自己株式評価額を拠り所に、B/Sに登場する資産となっています。

では、費用化についてはどうか? 日本の会計基準では、「保守主義の原則」「費用収益対応の原則」の観点から、20年以内定額償却が義務付けられていますが、IFRSでは、中途半端な「時価主義」の考え方に基づき、「減損会計」の対象となり、減損損失の形でしか、P/Lに移行(費用化)しません。

筆者は会計学の大家に逆らって、「のれん代」の資産性に疑義を抱いているので、資産計上そのものに反対する立場を取っています。(^^;)

⇒「国際会計士連盟会長「のれん、適宜再評価を」 - IFRSにみられるように、のれんを定期償却しないのは無謬性のあるグローバル・スダンダードだと思い込んでいる人へ

どうしても資産計上が避けられないとしたら、「保守主義の原則」あるいは「費用収益対応の原則」にしたがい、定期償却すべきであると考えています。これは「のれん」の資産計上に消極的に賛成し(積極的には賛成しないで)、定期償却することによってその罪悪をいくらかでも軽減した方がよいと考えています。

いったんB/Sに計上された「のれん」をそのまま放置しておくことは、自動的に「自家創設のれん(自己創設のれん)」を許すことになり、「のれん」の資産性に関する議論が自己矛盾を起こしているだけでなく、著しく会計制度の客観性や安定性を阻害するものになってしまうからです。

⇒「(経済教室)国際会計基準の展望(下) 「のれん」処理、日本型は妥当 西川郁生 慶応義塾大学教授

資産をB/Sに計上される資格を評価する際に議論される「資産性」について、まずは「換金性」の面から「時価主義」視点で固定資産を見ます。しかし、それは「評価損(減損損失)」だけを強制する中途半端な時価主義的な見方でしかありません。同時に、固定資産(IFRSではのれんを除く)は、「費用性」の面から「定期償却」もされなければなりません。B/SからP/Lに資産価値を移す理屈が同時に2つある固定資産。とくに、その「換金性」に著しく欠ける「のれん」を適当に(本人たちは適正にと思っているはずですが)時価評価してはじかれる「減損損失」が、そもそも客観性にかけて、恣意的に認識基準を操作できるのも、仕方のないことなのです。それゆえ、センセーショナルに何千億円もの減損損失が公表されるのも自然なことなのです。それが制度会計的に、ステークホルダーのための会計情報のディスクロージャーになっているかどうかは置いておいて。。。(^^;)
財務会計(入門編)_減損損失と減価償却費の本質的違いとは? - 固定資産の資産性評価の考え方、時価主義と費用収益対応の原則の違い


このような現役コンサルタントの投稿は、下記兄弟サイトでほぼ日更新中!
⇒「経営コンサルタントによる経営戦略と経営管理に効く経営管理会計
新サイトTOP画面


テーマ : 経営コンサルタントからのアドバイス
ジャンル : ビジネス

「決算」について(2)- 配当と決算月

■ 「決算」→「配当」の支払い

会計(基礎編) 
前回」は、「決算」について、「会計期間」と「財務諸表」との関係を説明しました。
では、なぜ「決算」といって、会社業績を一定期間を置いて明らかにする必要があるのでしょうか。「財務諸表」をつくるため? いやいや、そうならば、なぜ「財務諸表」を作らねばならないのでしょうか?

このシリーズの最初の方(利益情報の意味)でも言及しましたが、

①経営者の頑張りを評価して経営者への報酬額を明らかにするため
 (→ 業績評価利益の計算)

②株主に配当金をいくら支払っていいか明らかにするため
 (→ 配当可能利益の計算)


では、「決算」タイミングと「配当金」の支払いについて、これまでの歴史的経緯を振り返ってみたいと思います。

旧商法(昔の会社に対する法律)では、1974年10月の改正前までは、年2回、決算することが決まっていて、株主は年2回、配当金をもらうことができました。しかし、配当金をいくらにするかは、株主総会といって、全株主が集まった会議の場で決める必要があります。

この74年時の法改正で、決算を1年間と定められた会社には、一定のルール(配当可能限度額の計算ルール)を守るなら、いちいち全株主が集まって議論しなくても、取締役会が代わりに、正式な1年ごとの決算(本決算という)の丁度真ん中の6か月たった時点(基準日という)で、「中間配当」を支払うことができるようにしました。

最近では、「会社法」が新たに制定(2006年)され、従来は最大年2回に配当金の支払いが制限されていたものを、配当可能限度額のルールを守るなら、取締役会の決議で、いつでも配当金の支払いをすることができるようになりました。

理屈の上では毎日、配当金を出すことができます。まあ、節度を守るなら、四半期決算ごとに配当金を支払う、というのが適切かもしれません。

ちなみに、この記事を書いている時点でのWiKi調べでは、四半期配当会社は次の通りです。
  • あおぞら銀行(8304)
  • イー・アクセス(9427)
  • スミダコーポレーション(6817)
  • GMOインターネット(9449)
  • 東京リスマチック(7861)
  • 日立工機(6581)
  • ホギメディカル(3593)
  • ホンダ(7267)
  • リンクアンドモチベーション(2170)
したがって、従来の「決算」に込められた株主の思いという点では、昔に比べて比重が軽くなった感があります。


■ 決算月の決め方

原則として、決算期間を1年とした場合、何月からその1年(事業年度という)を始めるのが普通なのでしょうか。

論より証拠で、筆者が個人的に半年前に調べた、日本市場で上場している会社(当時、決算月まで把握できた3,277社)の決算月の分布状況を下記に示します。
→参考にしたサイトはこちら(右サイドのリンク一覧からも参照可能)

会計(基礎編)_決算月の分布

まず、大きな特徴として、次のことが挙げられます。

① 3月決算の会社が、全体の7割を占める
② 石油・石炭業界、ゴム製品業界は、12月決算会社もそこそこある
③ 小売業は、2月決算会社が3割以上を占める
④ 銀行業は100%が3月決算会社である(その他の金融業界も3月に集中)


① 3月決算会社が大多数

日本は、政府や学校が4月始まりになっています。官公需が売上に大きく影響する業種は、政府の年度末の予算消化のために、大きな需要の伸びがある3月の売上をいち早く年度業績に反映するために、決算を3月にするのは道理に適っています。

また、学生が3月に学校を卒業して、4月から一斉に新人の入社を迎える、というのも人事上効率がよい、という理由もあります。ただし、最近は通年採用や、海外留学経験者のために10月入社等も増えてきているのが実態です。

② グローバル企業に12月決算が多い
現時点の日本の会計ルールでは、親会社と子会社の決算月が3ヵ月以内のズレなら、子会社の正式な決算データを使って、連結決算をしてよいことになっています。ただし、IFRSは、簡単に言うと、決算月は揃っていないといけない。また、様々な税制上の便宜的にも決算月はグループ各社出揃っていた方が良いこともあります。

そこで、外資が親会社の日本の会社、グローバル化が進んでいる業種では12月決算が多くなる傾向があります。

③ 流通業には2月決算が多い
決算業務には、棚卸(たなおろし)といって、在庫の数量と金額を実際にカウントする作業があります。日本の商習慣上、「にっぱち」といって、2月と8月は商品の動きが鈍くなることが経験則で分かっているので、決算手続を楽にするため、2月に決算をする会社が小売業を中心に少なからず存在するということです。

④ 銀行業は100%が3月決算会社である
銀行法(第17条)にて、4月1日から3月31日と法律で決まっているのです。


■ 決算月にまつわる小話

ちなみに、中国は、法定で12月決算と決まっています。そこで、中国に現地法人を持つ日本企業は、12月決算の数字を使って連結決算をするか、3月に、中国の現地法人だけ仮決算させることも行われています。

政府の会計期間に企業も強制的に合わせられているのですね。
ということで、今度は世界の政府(公共機関)の会計期間が気になりませんか?

会計(基礎編)_世界の公共機関の会計期間 

最後に、強烈な会計期間の変更についてのお話をします。
税制改正により2012年4月1日以降に開始する事業年度から、法人税率が5%引き下げられたことはご存知ですか? キーエンスは3月20日を決算日としていた為に、新しい税率の適用を受けるのは2013年3月21日から始まる事業年度からになってしまいます。
(決算日は必ずしも月末日でなくてもいいのですよね。決算月が自由なら決算日の設定も日本では自由です)

そこで、キーエンスは、
第41期の事業年度を、2012年3月21日~6月20日の3ヵ月、と繰り上げ、
第42期の事業年度を、2012年6月21日~2013年3月20日の6ヵ月、で締切り、
第43期の事業年度を、2013年3月21日~2014年3月20日の1年間に再び戻す

ということで、第42期の法人税負担額を40億円ほど節約しました。

ここまで、「「決算」について(2)- 配当と決算月」の説明をしました。
会計(基礎編)_「決算」について(2)- 配当と決算月




テーマ : 会計・税務
ジャンル : ファイナンス

「決算」について(1)- 会計期間と財務諸表との関係

■ 「決算」の基本

会計(基礎編)
前回」まで、「財務諸表(F/S)」を色々な角度から見てきました。それら「財務諸表」はいつ作成されるのでしょうか。簡単に答えると、「決算(けっさん)した時に作成される」です。では、「決算」とはどういうものでしょうか?

「決算」とは、とりあえず説明の最初なので極端に簡単に言うと、

①ある一定の「会計期間」において、
②「収益(売上など)」と「費用」を集計して、「損益」を計算するとともに、
③「会計期間」の終わる瞬間の会社の「財産」の状況を記録しておくものです。

ここから、ひとつずつ解説していきます。


■ 会計期間

基本は、1年間です。会社法では1年を超えてはいけない、とだけされていますが、いろんな手続きが面倒なので、1年としている会社がほとんどです。後で説明しますが、決算月を変更する時には、「変則決算」といって、1年未満の会計期間が例外的に設定されることがあります。

そこで、「会計年度」という言葉が存在します。カレンダーでは、1年は1月に始まります。カレンダーで始まるのは「年」で、「Calendar Year」、略して「CY」。例えば、2014年は、「CY2014」「CY14」と記載します。日本の学校の新学年やお役所の予算期間は4月に始まります。それを日本語では「年度」と呼び、1月から始まる「年」と区別することがあり、会計の世界でも英語では、「Fiscal Year」、略して「FY」と表記します。2014年度は、「FY14」とか「FY2014」となります。


■ 損益の計算期間

「損益」は、ある「会計期間」の間に積み上がったものを集計していきます。会計期間が4月に始まって3月に終わる1年ならば、12ヵ月間の「収益」と「費用」を合算していきます。

ここで、「中間決算」とか「四半期決算」を説明します。「中間決算」は、1年である「本決算」の前半6か月、「四半期決算」は、会計年度の3か月毎に行われる決算です。中間決算では6か月分、四半期決算では3ヵ月分の「損益」情報を足し込みます。

その際、該当する6か月や3ヵ月の間だけの「単期」か、年度末のゴールに向かって経過月の「累計」の両方で業績管理を行います。

下表の第3四半期を例にとると、
単期:50
累計:120
として、業績を管理します。

会計(基礎編)_フロー情報 
「制度会計」という会社外部のステークホルダーに情報開示(ディスクローズ)するのは、最短が四半期ということになっています。制度外で、決算の基礎データとして、または「管理会計」として、月次決算や場合によっては日次決算を行うこともあります。特に、商品のコストを計算して、売上原価と在庫金額を明らかにするための「原価計算」は月次で行われることが多く、月次決算制度が前提となっている場合が多くなっています。

ちなみに、「損益」は「フロー情報」といって、その会計期間における「お金」の出入りを「収益」と「費用」という定義でそれぞれ集計し、差し引き計算で算出されます。同じ考え方で、「キャッシュフロー」も「キャッシュ・イン・フロー(現金収入)」と「キャッシュ・アウト・フロー(現金支出)」の差額として計算されます。合計して意味のある情報を「フロー情報」として考えるのが簡単です。

ということで、財務諸表の仲間でいうと、「損益計算書」、「包括利益計算書」、「製造原価報告書(明細書)」や「キャッシュフロー計算書」が会計期間の合算値として作成されます。


■ 財産状況の把握

一方で、「決算」時点の会社の財産、「現金」、「土地」、「商品在庫」とか「建物」などが、いくら残っているかも把握しておく必要があります。また同時に、「資本金」とか「借入金」とか、その時点でいくらのお金を社外から調達しているかも管理しておく必要があります。

こういう情報は「ストック情報」といって、ある「会計期間」の終わりの時点、「期末」と呼ぶのですが、期末時点の残高情報として記録されているものになります。その時点の瞬間値なのですが、その瞬間瞬間でいくらの在高(ありだか)になっているか、把握することも大事ですが、その前回の「期末」からどれだけ増減したかもチェックしておく必要もあります。

そこで、「期末時点」の残高の他に、前回の「期末」からの変動分も「変動業績」として管理します。

下表を例にとると、年度末において、
期末業績:50
前四半期末からの変動業績:10
前年度末からの変動業績:20
として業績を管理します。

会計(基礎編)_ストック情報 
このように、ある時点の瞬間値や、各時点間の変動分を計算して作成されるのが、財務諸表の仲間でいうと、「貸借対照表」や「株主資本等変動計算書」になります。


■ (おさらい)「フロー情報」と「ストック情報」の関係

グループ名は『財務諸表』」の回で説明した通り、「ストック情報」である「貸借対照表」に記載されている金額の前期末からの変動分を表したのが「フロー情報」となります。「株主資本等変動計算書」だけは残高の変動分そのものを記録したものなので、厳密には「フロー情報」ではありませんが。

綺麗に「貸借対照表」の増減を「フロー情報」が漏れなくダブりなく、全て説明しきれる関係にあることを、「クリーンサープラス関係」と専門家は呼ぶのですが、残念ながら、現在の制度会計が提供している財務諸表の表示形式では、そのことを確かめることはできないケースがほとんどです。

皆さんに実際にどの会社の連結財務諸表でもいいので、確認してもらいたいと思います。損益計算書が明らかにしている「当期純利益」、包括利益計算書が明らかにしている「包括利益」、キャッシュフロー計算書が明らかにしている「現金(等価物)」などは、貸借対照表には記載がないのです。また、「リサイクリング」といって、包括利益が当期純利益に生まれ変わるケース(基礎編では少々難しいので別シリーズで説明します)まであります。

逆に、貸借対照表に記載のある製品在庫については、現会計ルールの下では「連結」製造原価報告書の開示義務が無いため、「連結」ベースでは、在庫増減を「フロー情報」を絡めて、外部の第三者が開示情報によって把握することはできません。おそらく、社内用でも「連結」製造原価報告書を作成している会社は少ないに違いありませんが。

教科書でいっている高邁な会計理論は、会計実務において確認ができない(反映されていない)ことが多いのは残念なことです。

今回は、「「決算」について(1)」にて、会計期間の設定の基本と、決算で明らかにされる会計情報について説明しました。次回は、引き続き、「「決算」について(2)」として、「決算月」「配当」などについて説明したいと思います。
会計(基礎編)_「決算」について(1)- 会計期間と財務諸表との関係

テーマ : 会計・税務
ジャンル : ファイナンス

株主資本等変動計算書を斬る

■ S/Sの構造と他F/Sとの相関関係

会計(基礎編)
前回」まで、「包括利益計算書(C/I)」の説明をしてきました。今回は「○○を斬る」シリーズの最終回として、「株主資本等変動計算書(S/S)」の内容を見ていきます。

まず、S/Sは、B/Sの「純資産」の前期と今期の差分の内訳を記載したものになります。

会計(基礎編)_株主資本等変動計算書とBSの関係

名称の「株主資本等」の『株主資本』と『等』が気になると思います。そこで、その内訳を下記に示します。
会計(基礎編)_株主資本等変動計算書の内容 

●株主資本
株主としての財産額を表しています。もし、この瞬間会社を解散して、会社が持っている財産を山分けする場合の金額(あくまで会計帳簿に乗っている金額ベースですが)を意味しています。

① 資本金
そもそもの、株主から会社設立のために、根本となる出資額を意味しています。株主総会という株主が集まる会議で、その金額を減らしたり増やしたりすることが話し合われます。

② 資本剰余金
「資本取引」から生じる金額と説明されても、いまいちピンとこないと思います。株主から出資してもらったお金の一部を資本金にしないで、もしもの時に、資本金より取り崩しやすいように名称を変えて保有しておく金額とか、増資(新株発行)や会社組織変更により株主の出資金額の修正値を放り込んでおいたりする器として用意されています。

③ 利益剰余金
簡単に言うと、P/Lで計算された純利益から、配当金として株主に配った残りを放り込んでおく器として用意されているものです。P/Lで計算された「儲け」が積み上がったものを意味するので、「損益取引」に起因する会社財産という意味になります。

④ 自己株式
会社が自社の株式を購入した分なので、いつもマイナス表示になっています。普通は、会社の外の人(投資家=株主)からお金をもらって資本金が増えるところ、会社自身が持っている現金で自社の株を買うので、資本金がその分減ってしまいます。そこで、資本金のマイナスとして表示されます。株式市場に流通している株券を自社で買って、金庫にしまっておくというイメージから「金庫株」とも呼ばれます。

●その他の包括利益累計額
「包括利益計算書」で計算された「その他の包括利益」のその瞬間の累計残高を意味しています。

●新株予約権
極言すると、将来株式を新規に発行する時に、株券を購入できる権利として手付金を前払いした金額になります。まだ、当社の株主になっていませんが、その会社に手付金を払っているので、将来の株主から預かっているお金として、株主資本とは別で管理します。

●少数株主持分
親会社以外の株主から出資された金額に、出資後に会社が儲けた利益で配当されていない分を足した金額を意味しています。

「新株予約権」や「少数株主持分」は、厳格に、銀行からの融資金額とは異なります。とはいえ、純粋に今現在の会社を支配している株主から出資された金額(株主資本)とも違います。はっきりと「負債」といえないものは全てごった煮にして、「純資産」と呼んで放り込むことにしました。


■ S/Sの表示形式の留意点

実は、S/Sには定型フォームが会計基準ごとにことなり、同じ会計基準でも複数の表示方法が選択できるようになっています。したがって、有価証券報告書で各社のS/Sを見てみると、いろんなフォームのものにお目にかかることができます。

下記に、きわめて初心者に分かりやすくデフォルメしたフォームを紹介します。

会計(基礎編)_株主資本等変動計算書_フォーム

縦は、今年の最初の残高、今年の変動内容、今年の最後の残高の順番に並んでいます。
横は、純資産の項目ごとに並んでいます。
この例では、株主資本は細かくなっていますが、実務では、その他の包括利益累計額も、C/Iの表示単位である細分類ごとになっているケースが多いです。

このデフォルメ表で、他のF/Sとの数字の突合せ方法を簡単にまとめます。

期首残高と期末残高は、該当項目がB/Sの昨年と今年の「純資産」に記載されています。大概のB/Sは昨年と今年の数字が左右に並んでいるので、見つけやすいです。

当期変動額の「配当金」はキャッシュフロー計算書の「財務キャッシュフロー」に該当の項目があります。ただし、本当に現金を株主に払っているかで多少金額が変わっているケースもあります。

当期変動額の「当期純利益」はP/Lの下の方に同額が記載されています。

今回一番の山場なのですが、当期変動額の「その他の変動額」の内、「包括利益」に関する部分は、「包括利益計算書」に該当の金額が見つけられるか、実は微妙です。というのも、日本基準とIFRSでは、「その他の包括利益」が「少数株主にかかわるもの」「持分法にかかわるもの」が別表示になっていたり、混入していたりするので、「包括利益計算書」をいくら眺めていても、S/Sと同じ金額を探すのが非常に困難だからです。

米国会計基準の場合、S/Sのその他包括利益累計額(の当期変動分)の非支配株主持分も合算した「経済的単一体説」の数字が、「包括利益計算書」にそのまま記載してあるので、お互いの数字のリンクを検証することができます。アメリカ人は不透明さを徹底的に嫌いますので、その性質がここにも出ています。


■ 実例をお見せします

論点は、前章で全て言及しましたので、ここでは、3つの会計基準によるS/Sの実例をご紹介するに留めたいと思います。

●日本基準
会計(基礎編)_株主資本等変動計算書_日産自動車

●米国基準
会計(基礎編)_株主資本等変動計算書_トヨタ自動車

●IFRS
会計(基礎編)_株主資本等変動計算書_JT

IFRSでは、積極的に「株主資本」の定義がなされていません。それは、「新株予約権」を合算して親会社持分が定義してあるからです。フォーム名称も「持分変動計算書」となっていますから。もうひとつの特徴は、「その他の包括利益」と「当期純利益」の振替額が「85億円」ときちんと定義してあることです。前回、包括利益計算書の説明の際、IFRSでは、その他の包括利益の区分に、「後で純利益に振り替えられるか否か」というものがあるお話をしました。この85億円は、損益取引として認識され、当期純利益に計上され、結果として利益剰余金に足し込まれた分です。


もしよろしければ、ひとつひとつの数字を、B/S、P/L、C/Iと照らし合わせてみてください。トヨタ自動車(米国基準)のS/Sしか、他のF/Sと数字が一致しないと思います。

ここまで、「株主資本等変動計算書を斬る」の説明をしました。
会計(基礎編)_株主資本等変動計算書を斬る 

テーマ : 会計・税務
ジャンル : ファイナンス

包括利益計算書を斬る(3)

■ 「包括利益計算書を斬る」の最終回

会計(基礎編)
前回」は、「連結」に対する考え方の違いにより、「連結損益計算書(P/L)」から「連結包括利益計算書(C/I)」へ渡されるバトン(当期純利益)の名称が違ってくることを指摘しました。包括利益計算書の説明として、それとなく「連結」に関する考え方の違いに言及してみました。ちょっと横道に逸れましたが、会計全体を理解するためには、どこかで触れるべき話題だったので、これでよかったのではと思います。改めて、「連結財務諸表」の特徴は別の回で説明したいと思います。

今回は、いつもの3社の実際の「(連結)包括利益計算書」を眺めて、相違点を確認していきたいと思います。


■ では本物をご覧ください

連結P/Lからの「当期純利益」の引継ぎが大事なので、略式ながら連結P/Lのお尻から記述を始めています。

【日本基準】
会計(基礎編)_包括利益計算書_日産自動車

前回説明した通り、連結P/Lの一番下の「当期純利益」から始まらず、「少数株主損益」を控除する前の、「少数株主損益調整前当期純利益」からスタートしています。

前々回の概要説明には登場してこなかった「持分法適用会社に対する持ち分相当額」は、超簡単に言うと、20~50%未満の出資比率の関連会社の損益考慮分です。日産自動車の場合は、ルノーと東風汽車がそれに当たります。

他の2社に比べて、当期純利益よりその他の包括利益の比率の方が高くなっています。経営者にとって、当期純利益より、将来の損益見込によって左右されるその他包括利益の方が、コントロールしにくい項目なので、経営リスクがその分高いとも言えます。例えば、「その他有価証券評価差額金」は、持ち合い株式の時価評価が含まれていますが、株式市況次第で、この損益が経営者のいかなる努力にも無関係に損益が増減してします。


【米国基準】
会計(基礎編)_包括利益計算書_トヨタ自動車

トヨタ自動車は、米国(SEC)基準で財務諸表を作成していますので、英語版がSECに提出されています。英語版を確認すると、「非支配持分控除前当期純利益」に該当する箇所の項目名は、「Net income」になっていますので、和訳した時に、日本の会計基準に合わせた名称に代えてくれたのでしょう。トヨタの気遣いが感じられるところです。

極力その他の包括利益が当期純利益に比較して抑制されるようにコントロールされているように見受けられます。


【IFRS】
会計(基礎編)_包括利益計算書_JT

JTは、IFRSで連結財務諸表を作成していますので、英語名称を無理やり和訳しているのでしょう。こなれた日本語ではなく、やたら名称が長く、生硬な感じになっています。よく項目名を読み込むと、日産自動車やトヨタ自動車と同じ項目を意味していることが分かると思います。

素直に、「当期(純)利益」からスタートしているので、そこはこれまでの説明通りです。
(ちなみに、日本語の「当期利益」と「当期純利益」の違い分かりますか?意味する利益概念は同じですが、根拠ルールが違うので異なる名称で呼ばれるだけのことです。JTはIFRSで作成されているのでわざわざ「純」を付けていないだけです。では根拠ルールの違いは?興が乗ってきたので、あえて答えは書きません。ご自身で、2つの言葉を並べてググってみてください)

ただ表示構造にひとつだけ留意点があります。
それは、その他の包括利益が「純損益に振り替えられない項目」と「後に純損益に振り替えられる可能性のある項目」に区分されているところです。
「後に純損益に振り替えられる可能性のある項目」とは、日本風に言うと「為替換算調整勘定」や「繰延ヘッジ損益」が含まれているのですが、前者は子会社の持ち分を実際に売買したり、後者はデリバティブ取引を手じまいしたりすると、いわゆる「損益取引」の範疇に入って、連結P/Lに組み込まれる可能性を有しているものということを意味しています。

逆に、「純損益に振り替えられない項目」は、前提条件が不変な場合は、そのままではいつまで経っても永遠に連結P/Lに表示されることはない項目を意味しています。

どうですか?「包括利益計算書」はなかなか手応えがあったのではないでしょうか?
  • 「連結」と「単体」
  • 「持分」と「連結」の定義の違い
  • 会計基準ごとに異なる名称と表示形式
これらの論点を筆者の力の限り平易に説明しました。全3回、もしよろしかったらもう一度復習してみてください。

ここまで、「包括利益計算書を斬る(3)」の説明をしました。
会計(基礎編)_包括利益計算書を斬る(3)



テーマ : 会計・税務
ジャンル : ファイナンス

包括利益計算書を斬る(2)

■ もしかしたら大物かもしれない「C/I」の2回目の説明

会計(基礎編)
前回」は、「包括利益計算書(C/I)」が、P/LとB/Sの間を取り持ち、自分自身の中にはどういうものが含まれているかについて説明しました。

新参者は、どの世界でも軽視されがちです。もしかすると、C/Iも大変重要な財務諸表なのかもしれません。ただ、当初は、人によってその評価・位置付けがバラバラであることが常です。今回も、C/Iは、世界各国の会計ルールにとって、ちょっと違う扱いをされています。それは、C/Iだけでなく、C/IとP/Lの人間関係をどう理解するか、実は、根底に「連結」に対する認識の差異が存在していることに起因しています。


■ 「連結」と「単体」

このシリーズは、「会計(基礎編)」なので、ざっくりとだけ説明させて頂きます。会社が「決算書(財務諸表とも呼ぶ)」を作る単位は、なんだと思いますか? 基本形は、法務局で法人登記をした「法律上の会社」単位です。しかし、「法律上の会社」が他の「法律上の会社」に出資をして、いわゆる「子会社」を設立して、「企業グループ」を形成することがあります。

トヨタ自動車の場合は、日野自動車、ダイハツ工業、Toyota Motor Manufacturing, Kentucky, Inc.(TMMK)等を子会社としています。

ちなみに、トヨタ自動車の「法律上の会社」としての財務諸表と、「企業グループ」としての財務諸表の違いは、下表の通りです。

会計(基礎編)_トヨタ連単倍率

「法律上の会社」を「単体」、「企業グループ」を「連結」と呼び、「連結」単位で作成した財務諸表を「連結財務諸表」と呼びます。
「連結」数値が「単体」数値の何倍になっているかを「連単倍率」といいます。
トヨタ自動車の「連単倍率」を見てみると、
  • 売上高:2.3倍
  • 総資産:3.0倍
  • 従業員数:5.0倍
になっています。
企業グループ全体で見た方が、トヨタグループ全体の経済活動が分かるとは思いませんか? 

ちなみに、今回のトヨタ自動車の連単比較は正常でしたが、不況になったり、企業全体の業績が思わしくなくなると、「親会社が赤字で、グループ全体が黒字」、または、「親会社だけが黒字で、グループ全体は赤字」になったりすることがあります。それは、税金の問題だったり、配当金支払の問題だったり、従業員への業績比例のボーナス払いの関係だったりで、いろいろな会計的操作(おっと失礼、絶妙な調整)が行われるせいです。


■ 資本関係と持分

上記の連単倍率を示した表にある「当期純利益」は、厳密には「当社株主に帰属する当期純利益」といいます。次は、このネーミングの意味を考えます。

下記は、例に挙げたトヨタ自動車の資本関係(一部)を図示したものです。

会計(基礎編)_トヨタグループ出資関係

TMKKは、完全子会社(100%出資子会社)で、トヨタ自動車以外に株主は存在しませんが、日野自動車とダイハツ工業は、東証に株式を上場しており、トヨタ自動車以外にも株主が存在します。株主には、会社に対する配当金の請求や会社財産の処分、取締役の選任など、一人一票ではなく、一株一票の権利(請求権)があります。この持ち株比率に応じて、相応の権利を有しているこの権利を「持分」といいます。株主は「持分」の比率に応じて、配当金の支払いを受けたり、株主総会で様々な決議を行ったりします(ここでは、多数議決権株式の話は横においておきます)。みなさんも、マンションにお住みの方なら「区分所有」の仕組みをよくご存知だとおもいます。株式会社も同じです。

つまり、トヨタ自動車の財務諸表(連結P/L)を眺めると、日野自動車の当期純利益の50.4%、ダイハツ工業の当期純利益の51.5%だけを合わせた利益が、トヨタ自動車としての「当社株主に帰属する当期純利益」という定義になります。


■ 国(会計ルール)によって「連結」の考え方が異なる

日本は、「親会社説」といって、上述の通り、親会社であるトヨタ自動車の「持分」で比例按分した分の利益だけを集計したものを「当期純利益」とみなします。
一方、米国基準や、最近世界中で流行っているIFRSは、「経済的単一体説」といって、トヨタ自動車という自動車の開発・製造・販売・付属金融サービスをしている企業グループ全体の経営活動から生み出された利益を「当期純利益」とみなします。

この考え方の違いが、連結P/Lの下の部分の科目表示の差異となって表れてきます。

会計(基礎編)_連結概念_親会社説_経済的単一体説

連結P/Lの終わり方に2パターンあるということは、連結包括利益計算書の始まり方にも2パターンあるということです。こちらは、科目名称だけの問題ですが。なぜなら、連結包括利益の計算は、別段「持分」の違いを意識して行うのではなく、連結包括利益を一度計算した後、また親会社と少数株主(または非支配持分)に分解するだけですから。

ちなみに、多勢に無勢で世界では「経済的単一体説」が優勢になっています。興味のある方は、日本の会計基準の変更予定も調べてみてください。「長い物には巻かれよ」になっているハズです。。。

次回は、短編になりそうですが、「実際の(連結)包括利益計算書を眺めてみる」をテーマにする予定です。

ここまで、「包括利益計算書を斬る(2)」の説明をしました。

会計(基礎編)_包括利益計算書を斬る(2)

テーマ : 会計・税務
ジャンル : ファイナンス

包括利益計算書を斬る(1)

■ 大物でないのに3回に分けて説明します

会計(基礎編)
前回」まで、登場順に、P/L、B/S、C/F(C/S)と財務諸表(F/S)における大物3者を一回ずつの読み切りで説明してきました。ここにきて、「○○を斬る」シリーズは、3回にかけて「包括利益計算書(C/I)」を説明することにします。前3者に比べて、新参者のC/I、内容そのものの理解というより、表示のされ方の前提条件の説明からお話しなければならないので、追加で2回を要します。実は、P/Lの所で説明を省いた影響もあります。そこで、今回は、損益計算書(P/L)との関係からお話を始めます。


■ 「包括利益計算書」は「損益計算書」の続編

会計ルールでは、「損益計算書」と「包括利益計算書」を合体させても、分離させても、どっちでもよいことになっています。筆者は、分離させたものの方をよく目にします。
損益計算書の弟誕生の秘密」の回で、「包括利益計算書」登場の理由を簡単に説明しましたが、今度は、貸借対照表との関係性の中で、3者の立ち位置を説明します。

古き良き時代は、下図のような人間関係(?)がP/LとB/Sの間に成立していました。

会計(基礎編)_古き良き時代のPLとBSの関係

P/Lの計算結果の「利益」は、B/Sの「資本」の増減をぴたっと表していました。2人は親密な関係を長い間保っていました。

しかし、M&Aが活発になってくると、B/Sがその瞬間瞬間の公正な買収価値(公正な財産価値)を表していないとの批判の声が大きくなり、P/Lに断りもせず、B/Sの側で勝手に、「資産」と「負債」の時価評価を始めて、P/Lに頼らずに、「資本」の金額の増減を計算し始めました。「資本」の額が、株主の正味の所有財産の価値を表しており、M&Aは、この株主の所有財産価値を売買するものだからです。

会計(基礎編)_仲違いを始めたPLとBS

P/Lにも譲ることができない事情がありました。P/Lの「収益」と「費用」には、それぞれ計算するルールが厳格に決められており、勝手に「時価評価」の結果を「利益」に算入することは、長い間、厳禁とされていたのです。簡単に言うと、現在および将来、確実に「現金(同等物)」が増えることが保証されていない「利益」は「未実現利益」と呼んで、特に忌み嫌い、P/Lから排除する、というのが、従来のP/L世界の一番大事な掟(おきて)だったのです。

「利益」=「儲け」を計算する目的にまで、遡って考えてみてください。P/Lの計算する「利益」は、「業績評価利益」として、例えば1年間の経営者の努力を証明するものでもあります。そこに、まだ売買取引を行ってもいないモノの、もしかしたら、いくらで売れるかもしれないから、その利益を足す(低い評価額が出たら損失になる)ということを許してしまうと、経営者の本当の実力を示す「利益」にならないと(多くの日本の会計学者は)考えるからです。

そこで、仲違いを始めてしまったP/LとB/Sを仲直りさせ、間を取り持つために、「包括利益計算書(C/I)」が誕生しました。C/Iは、P/Lから「当期純利益」を受け取って、自分の中で時価評価に関する利益を足し込んであげて、「包括利益」という新しい名前を付けて、B/Sに受け渡してあげることにしました。

会計(基礎編)_PLとBSの仲を取り持ったCI

こうすることで、間にC/Iに仲介を頼む形になりましたが、P/LとB/Sの喧嘩は一旦おさまった形になっています。


■ その他の包括利益の中身

それでは、当期純利益に足し込まれる「その他の包括利益」の代表選手をご紹介します。

会計(基礎編)_包括利益の中身

《その他有価証券評価差額金》
いわゆる「持ち合い株式」を、もし売却したらいくら儲かるかを計算した金額。
実際には、売却していないところが特徴。もし、売却したら、「損益取引」として、P/Lの仲間になります。

《繰延ヘッジ損益》
「為替予約」とか「金利スワップ取引」とか、小難しい金融派生商品を使って、デリバティブ取引を行った際に、決算時点で確実性の高い評価損益は、P/Lに算入するものの、将来に発生する可能性のある損益は、あくまで評価上の仮損益として、ここで包括利益に入れておきます。

《為替換算調整勘定》
ドルとか、ユーロで作成された海外子会社の財務諸表を、日本の親会社の財務諸表とがっちゃんこして、企業グループ全体の成績を示す「連結財務諸表」を作成する際、ドルやユーロを日本円に換算する時に発生する調整額を意味しています。

例えば、1ドル=100円で出資して米国の子会社を設立した数年後、変動相場制により、円安になって、1ドル=110円で連結財務諸表を作成しようとした場合、10円だけ、米国子会社の価値が上がっていることになります。でも、米国子会社の株式を誰かに売却したわけではないので、「損益取引」にはなりません。したがって、P/Lにこの10円を利益として算入するわけにはいきません。そこで、C/Iの方で面倒を見ることにしました。

《退職給付に係る調整額》
将来会社からもらえる(ハズ)の退職金は、現時点で様々な金融資産で資金運用した結果の利益で賄われています。予定している運用利率と、これまでの実際の運用利率に差額が発生しているケースが多いです。また、退職年金制度を途中で変更した時に、当初考えていなかった将来の支払予定額の増分があるかもしれません。こうした、将来発生する退職年金の運用資産や支払額の変動で、現時点で分かっている分は、「損益取引」には入れられないが、金額は分かっている。その分をC/Iで面倒を見ることにしました。

《土地再評価差額金》
これは、制度が変わりそうなので、簡単にだけ触れておきます。その昔、土地を時価評価して、売却していなくても、買った時の値段から現在の価値まで地価が上がった分だけ会社の価値(資本額)を増やしてもいいよ、という時限立法があったものに対応する分です。

次回は、「P/LとC/Iのこじれた関係」、「持分と連結の考え方」をテーマに、引き続き「包括利益計算書」の説明をする予定です。

ここまで、「包括利益計算書を斬る(1)」の説明をしました。

会計(基礎編)_包括利益計算書を斬る(1)

テーマ : 会計・税務
ジャンル : ファイナンス

キャッシュフロー計算書を斬る

■ 「キャッシュ・フロー計算書」の中身

会計(基礎編)
前回」は、「貸借対照表(B/S)」の説明をしました。今回は、「キャッシュ・フロー計算書(C/S)」の中身を見ていくことにします。

キャッシュ・フロー計算書は、B/SやP/Lに比べて、最近登場したばかりの「ひよっこ」なので、表示方法にもバリエーションがあり、分析手法もまだ確固たるものがありません。まだ発展途上の財務諸表なのだと理解してから解説をお読みください。

まず、「キャッシュ・フロー計算書」が表示してくれる「キャッシュ・フロー」とは、「現金及び現金同等物」の残高の増減を意味しています。ですので、プラスにもマイナスにもなることがあります。「現金等価物」とは、「ほぼ現金と同じ扱いができるもの」です。3ヵ月以内の期限の定期預金やコマーシャル・ペーパー等が代表選手ですが、ここでは詳細までは説明しません。以下では、簡単に「現金」、そして「キャッシュ・フロー」は略して「CF」と記載することもあります。

まず、全体像をご覧ください。

会計(基礎編)_キャッシュフロー計算書_4分類  

「現金」が増減する理由別に、4つに分類しています。

《1.営業活動によるキャッシュ・フロー》
普通に商売をしていると自然に会社に出入りする現金の増減

《2.投資活動によるキャッシュ・フロー》
長期的に保有することが前提の固定資産の売買に絡む現金の増減

《3.財務活動によるキャッシュ・フロー》
金融機関から資金を調達したり、返済したりする金融取引に絡む現金の増減

《4.為替換算差異による調整》
外貨建て資産(通常は日本円以外)の評価(円安とか円高というやつ)による現金の評価額の増減


■ 営業活動によるキャッシュ・フローの表示スタイル

営業活動によるキャッシュ・フロー(以下、○○CFと表記)は、前半部分の計算方法が2種類あります。

《第1法》
「現金収入」から「現金支出」を差し引いて計算する方法

《第2法》
「損益計算書」に記載のある「税前利益」に、現金支出が絡まない「費用」を足し戻して計算する方法

現在は、圧倒的に、「第2法」が主流になっています。理由は、以下の通りです。

① 「CF計算書」自体を作成するのが簡単
② 「損益計算書」の「利益」、「貸借対照表」の「(正味)運転資本」との相関関係を後から分析しやすい


「(正味)運転資本」とは、色々な定義があるのですが、代表的なものの一つとして、

(運転資本) = (流動資産) - (流動負債)


で計算され、商品の売買や製品の製造・販売に関連して、必要とされるお金のことを意味しています。詳しい説明は、別シリーズの「財務分析」までお待ちください。


■ キャッシュ・フロー計算書の中を通る現金取引

下表は、主要な3つのCF分類の中身を表しています。前提として、「間接法」で表記しています。
 会計(基礎編)_キャッシュフロー計算書_3分類の取引内容
営業CFは、P/L由来の取引とB/S由来の取引に区分することができます。P/L由来の取引だけを取り出して、「狭義の営業CF」と呼ぶこともあります。
営業CFをプラスにするには、①現金の裏付けのある収入を増やす、②現金支出を減らす、③運転資本を減らす、の3つの方法があります。

管理会計では簡略的な計算が許されるので、

(簡易営業CF) = (営業利益) + (減価償却費) - (法人税)

と簡単に計算することも実務の中ではあります。

投資CFは、長期性の資産の売買に絡む現金取引に由来するものです。「設備投資」がここに含まれるので、大体の会社の投資CFは大きなマイナス値を示すことが通常です。後は、保有資産の売却(不動産や投資有価証券)でマイナス値を小さくすることもあります。

筆者のあまり好みではないのですが、これも便利なので、使うには使うのですが、

フリー・キャッシュ・フロー(FCF:Free Cash flow) = 営業CF + 投資CF

という計算式もあります。日本基準では表示しませんが、米国基準にある括りです。
管理会計では、別のFCFの定義もあるので、詳細は別シリーズで解説します。

ここが「CF計算書」を見るポイントなのですが、FCFがプラスかマイナスかを重視します。営業CFは普通にビジネスをやっていると入ってくるお金、投資CFはビジネスの基盤を構築するための「設備投資」という名目で会社から出ていく大金。これがバランスしているか、どっちかが不足しているか、を見極めるのがCF分析の第1歩です。

FCFが大幅な赤字だった場合、次に来る財務CFで、プラスにしないと会社全体で現金収支の帳尻が合いません。そこで、金融機関から不足分の資金を調達してきます。逆に、FCFが大幅な黒字だった場合、会社の中に資金の余裕が生まれていることを示すので、金融機関に借金を返済しようとしたり、株主還元に回そうとします。そうすると、財務CFがマイナスになります。


■ 新参者の宿命

「CF計算書」は、筆者のような管理会計屋にとって、難関のひとつです(まあ、筆者に苦手が多いだけとも言えますが)。その理由は、3つのCFの分類・定義が流動的で、財務分析する時に、気を付ける必要があるからです。

① 形式的理由:日本の会計基準で複数の分類ルールを許容している
② 実質的理由:多様な業態・業種の違いを洗練して分類できていない


まず、理由①ですが、下表をご覧ください。
会計(基礎編)_キャッシュフロー計算書_日本基準の揺れ  

日本の基準からなのですが、「第1法」と「第2法」のいずれでも「CF計算書」を作成することが許されているので、競合他社比較する前に、真剣に中身を見て相違を確認する必要があります。

次に、理由②ですが、前回の日産自動車とトヨタ自動車のB/Sの解説はご記憶にありますか? どちらも、自動車をつくるメーカーなのですが、「金融サービス」もやっていました。「金融サービス」も通常の営業活動の一環なので、「金融サービス」に必要な資金のやり取りは営業CFに入っているかと思いきや、実際は投資CFに分類されています。商社や銀行ならば当然「金融サービス」は主たる営業活動なので、営業CFに分類されています。EDINET等で、複数の業種の会社の「CF計算書」を確認してみてください。バリエーションの幅の広さに愕然となると思います。
 

■ 実際の「CF計算書」を眺めてみる

今回はちょっと趣向を凝らして、いつもの3社の「CF計算書」をグラフ表示にしてみました。

会計(基礎編)_キャッシュフロー計算書_3社比較 
会計(基礎編)_キャッシュフロー計算書_3社比較_グラフ 
日産自動車とトヨタ自動車は、多額の設備投資により、営業CFより投資CFの方が大きいため、2社ともFCFがマイナスになっています。その穴埋めとして、借入金を増やしているので、財務CFがプラスになっています。一方で、JTは、FCFがプラスになっているので、借入金も返済し、かつ配当金も払っているので、財務CFがマイナスになっています。ただし、3社ともしっかり資金管理をしているので、単年度では現金収支がプラス、すなわち、前年より保有している「現金」の残高が増えています。

ここまで、「キャッシュフロー計算書を斬る」を説明しました。

会計(基礎編)_キャッシュフロー計算書を斬る

テーマ : 会計・税務
ジャンル : ファイナンス

貸借対照表を斬る

■ 「貸借対照表」の中身

会計(基礎編)
前回」は、「損益計算書(P/L)」の説明をしました。今回は、「貸借対照表(B/S)」の中身を見ていくことにします。

「貸借対照表」は、会社経営における大きな資金の流れの中で、「社外のどこから活動資金を調達してきたか」「調達してきた資金を使ってどんな財産を所有しているか」の明細表です。特徴としては、「調達資金」と「財産目録」の金額は一致するように計算するように仕組まれています。左側に「財産目録」、右側に「調達資金」が表示され、左右対称になっているので、「対照」という名がついています。
(同じ「たいしょう」でも漢字が違うんですよね。「対照」は「照らし合わせる」の意味)

「財産目録」は「資産」、「調達資金」はその出所から区分して「負債」と「資本(純資産)」と呼びます。「資本」という名は、株主から集めたお金、および会社の『儲け』から株主の取り分が収まる箱なのですが、最近、「負債」とも「資本」とも区別がつきにくいものが出てきたので、「負債」以外のものを入れる箱として「純資産」と呼ぶようになっています。

では、下記の概略図をご覧ください。

会計(基礎編)_貸借対照表の中身


■ 「流動」と「固定」の分類の意味

大きな箱が6つありますね。先に左右の「財産目録」と「調達資金」の違いを説明しましたが、今度は上下の「流動」と「固定」の違いを説明します。

「流動」と「固定」の区別の仕方には、2つのルールがあります。「流動」に入るのは、

① 1年基準: 1年の間に会社の内外に出入りするもの
② 正常営業循環基準: 普通の経営活動をしていると自然に会社の内外に出入りするもの


通常、「決算」と呼ばれる会社の利益を計算する代表的期間が「1年」なので、その間にぐるぐると動き回るお金の流れを示すものは「流動」というグループに入れます。それが「財産」だったら「流動資産」、「調達資金」だったら「流動負債」という風に。

でも、ゼネコンのような建設業、造船業等の場合は、普通の経営活動をしていても、ぐるぐる回っているお金の流れがたまたま1年を超えるものがあるかもしれない、でもぐるぐる回っているのには間違いないので、「流動」のグループに入れましょう、というのが「② 正常営業循環基準」の真意です。

通常、株主は1年で株主であることを辞め、会社を1年で清算することは、近代産業の中での株式会社の常識では考えられません。したがって、「資本(純資産)」はすべて「固定」となりますので、わざわざ「固定」の冠(かんむり)を付けて呼ぶことはありません。しかし、「財務分析」という「財務諸表」の数字を経営に生かすためにいろいろとデータ解析する際には、「固定」のグループに入れてデータ解析します。

この話とデイトレーダーの話が矛盾するとお考えの方はいらっしゃいますか? 確かに、デイトレーダーは、数分、数時間、数日という短期間である会社の株主になったり、株主でなくなったり、つまり株式の売買を頻繁に繰り返します。でも、会社や「財務諸表」の方から見ると、別に、株主から調達した資金の金額がデイトレーダーの株式売買の結果で変わることはありません。単に、株券(今は電子化されましたが)の持ち主がコロコロと変わるだけで、株主からの資金調達額は不変なので、「固定」扱いでいいのです。


■ (補足)固定資産の細分類

固定資産は、本当はもうちょっと詳しく分類されています。

会計(基礎編)_貸借対照表_固定資産の内訳 

ビジネス分析には、「流動資産」か「固定資産」か、「ビジネスをするうえで事業に投下されている資産」か、「ビジネスとはあまり関係のない資産(金融商品や貸付金など)で資金運用中の資産」か、この2つの分類が大事なので、大括りで3つに分類しています。


■ 実際の「貸借対照表」を眺めてみる

それでは、前回と同じ流れで、日産自動車(日本基準)、トヨタ自動車(米国基準)、日本たばこ産業(IFRS)の3つの貸借対照表を実際に順を追ってみていきましょう。

面積(それぞれの項目の高さ)は、全体の構成比を表しています。B/Sを眺めるときは、常に全体との構成比、左右のバランスに注目してください。

《1.日産自動車》
ルノーと資本提携しているため、欧米流のROE(自己資本利益率)重視の財務戦略から、どうしても負債の比率が同業他社と比べてどうしても多くなります。しかし、流動資産より流動負債の方が小さいので、資金繰りに過度な問題が出るほどではありません。つまり、ぐるぐる回っているお金は、外から調達してくるお金より、中でとどまっているお金の方が多いということです。そうすると、借金をして、調達額を増やす必要が無い、という理屈になります。

会計(基礎編)_貸借対照表_日産自動車 


《2.トヨタ自動車》
日産自動車に比べて、純資産の比率が大きいので、外部借入への依存率が低いと言えます。ただし、低ければ低い程良いかどうかは左右のバランスをみて、または事業(財務)計画次第なので、ここではその詳細までは突っ込みません(別シリーズで財務分析は触れる予定なので)。

左側の財産目録の特徴としては、金融債権、投資その他の資産の比率が大きく、いつでもお金に困ったら、現金化できる資産が多いことを示しています。

会計(基礎編)_貸借対照表_トヨタ自動車 

日産自動車もトヨタ自動車もおおむね「自動車」を造っている製造業なのですが、「金融債権」を持っています。これは、自動車の割賦販売やディーラーへの貸付金やリース債権から構成されています。もはや、自動車メーカーというのは、単に車を造っているだけでなく、車を売るための、金融サービスをも手掛けているということです。

2社を比べて、EV車、FCV車、自動運転技術等への開発投資の余力(資金力)は、現時点ではどっちの方が多いでしょうか???


《3.日本たばこ産業(JT)》
こちらは、業種が違うので、前2社と単純比較できないのですが、資本比率が圧倒的に大きくなっています。元々半官半民で独占企業だったので(「専売公社」という言葉はもう死語でしょうが)、長年の利益の蓄積から資本が厚くなっています。そして、どんどん事業拡大するためにM&Aで会社を大きくしていきました。RJRナビスコ社、ガラハー社、鳥居薬品、加ト吉(テーブルマーク)等から次々と事業(会社)を買収しているのは、ニュースなどで皆さんもよくご存知でしょう。

その際に、手に入れた事業(会社)の財産(時価評価されたもの)より、多額の買収資金を支払った差額を「のれん」という名称で自分の会社の「貸借対照表」の「資産」の箱に入れておくことになっています。JTはこの金額が非常に大きくなっています。もし、買収先の事業が失敗に終わると、この「のれん」がパーになるので、借金(負債)で買収資金を調達していると、万が一の時に、会社の中でお金が足りなくなって、借金を返済できなく恐れがあります。したがって、資本の比率が大きいのはとりあえず理に適っているともいえます。

会計(基礎編)_貸借対照表_JT


■ (補足)貸借対照表の見方

前章で簡単に3社の「貸借対照表」を眺めて、筆者がコメントしましたが、何か気が付かれたことがありますでしょうか? 筆者のコメントはいずれも「貸借対照表」の右下から左上という一定の流れがあります。そこには当然意図があります。「貸借対照表」は、お金の流れを把握して、どうやって会社を儲けさせるかが一目でわかる「財務諸表(F/S)」なので、自然とお金の流れに従って「貸借対照表」を読む習慣になっているだけです。

「財務諸表」の読み方は、十人十色でいいと思っていますので、上記のストーリーはあくまで筆者の個人的な習慣なだけです。その業界に詳しい人は、むしろ、財産の構成から、すなわちお客様に近い視点から「貸借対照表」を読むかもしれません。それはそれで正解だと思うのであります。自分なりの読み方のスタイルを確立して頂ければと思います。

もう一つ、「貸借対照表」も、表示項目の名称と表示順には大まかなルールがあるのですが、結構、会社の裁量に任されているところもあるので、例示した3社とも、名称も並びもバラバラだったと思います。こればかりは場数を踏んで、何と何が同じものを指しているのか、経験を積んでいくしかありません。いつも左上が「流動資産」とは限りません。電力会社の「貸借対照表」を確認してみてください。

ここまで、「貸借対照表を斬る」を説明しました。

会計(基礎編)_貸借対照表を斬る

テーマ : 会計・税務
ジャンル : ファイナンス

損益計算書を斬る

■ 「損益計算書の中身」

会計(基礎編)
前回」まで、「財務諸表(F/S)」を全体概要の説明をしてきました。今回からは、ひとつひとつの財務諸表の中身を見ていきます。トップバッターは「損益計算書(P/L)」です。

「損益計算書」は、「儲けるために犠牲にしたもの(会社から出て行ったもの)と獲得したもの(会社に入ってきたもの)の差額」を「利益」として表示するためのものです。獲得したもの、犠牲にしたもの、それぞれ種類分けされています。

これまでの学習に基づくと、「獲得」とは「財産の増加」、「犠牲」とは「財産の減少」です。そして、「財産の増減」がプラス(黒字)になれば、「利益」、マイナス(赤字)になれば、「損失」と呼ばれます。

《獲得したもの》
  • 売上高
  • 営業外収益
  • 特別利益

《犠牲にしたもの》
  • (売上)原価
  • 販売費および一般管理費
  • 営業外費用
  • 特別損失
  • 法人税等

「獲得したもの」が3種類、「犠牲にしたもの」が5種類あります。これらの組み合わせで、様々な種類の「利益」を「損益計算書」の中で表現することができます。

会計(基礎編)_損益計算書の中身_日本基準 

① (売上高) - (売上原価) = (売上総利益)
② (売上高) - (売上原価 + 販売費および一般管理費) = (営業利益)
③ (営業利益) + (営業外収益) - (営業外費用) = (経常利益)
④ (経常利益) + (特別利益) - (特別損失) = (税引前利益)
⑤ (税引前利益) - (法人税等) = (当期純利益)


「売上」から始まって、「損益取引」に絡んだ「資産(財産)」の増加分を示す「当期純利益」に辿り着くまで、いろんな種類の「収益」と「費用」を足したり引いたりしています。

ここで一つ用語の注意です。「原価」には、「製造原価(または仕入原価)」と「売上原価」があります。「製造原価明細書」には、前の決算から次の決算の間、作ったもののコスト(=製造原価)、買ってきたもののコスト(=仕入原価)が記録されています。そのうち、同じ期間内に売れたものにかかったコストを「売上原価」と呼ぶことになっています。

まさしく、「売上=獲得したもの」に対応する「売上原価=犠牲になったもの」という意味です。つまり、「製造原価(または仕入原価)」と「売上原価」の差額は、「在庫」を意味しており、「在庫」はそのまま持っているだけでは、「売上増加=財産増加」に貢献していません。したがって、「財産増加」に寄与しないものは「費用(または原価)」とは看做さないということです。

「損益計算書」を眺めるとき、最終的に「損益取引」に起因する「財産の増加」=「当期純利益」を生み出すのに、どの価値犠牲(費用)、どの価値獲得(収益)が貢献しているか、途中の「○○利益」のバランスは去年と比べて良くなっているか(悪くなっているか)を見るという姿勢が大事です。


■ 実際の「損益計算書」を眺めてみる

それでは、具体例として、日産自動車の直近の「損益計算書」を見てみましょう。

会計(基礎編)_損益計算書_日産自動車

その前年と対比して何が改善したのかを見るために、2年分を並べてあります。また、売上高を100%においた売上高構成比率をその右に付け加えています。

分析視点の置き方のひとつの例を下記に記します。

① 当期純利益が前年に比べて513億円増えたことは良かった。でも、売上高との比率では、4.2%から4.0%に悪化しているから、途中段階の何かが影響しているのだろう。
② 売上原価は、83.4%から82.4%と、対売上高比率は改善している。きっと、自動車をつくる時の材料費とか工場で働いている人の作業時間を削減することに成功したのだろう。
③ でも、販売費および一般管理費が、11.5%から12.9%に悪化しているので、間接部門のヒトの人件費とか、広告宣伝費、販売報奨金(リベートなど)がかさんだのかもしれない。


注)「少数株主損益」云々は、「連結決算」のやり方・考え方で出てくる概念です。別の機会に説明する予定です。


■ グローバル基準の損益計算書のフォーマット

前章まで、説明してきた「損益計算書」のフォーマットは、「日本基準」のものです。日本の会社(厳密には、日本の株式市場に上場している会社)は、「日本基準」「米国(SEC)基準」「国際会計基準(IFRS)」の3種類の内のいずれかのフォーマットで「財務諸表」を外部のステークホルダーに公開(ディスクローズ)してもよいことになっています。日産自動車は、ルノーと資本提携しているにもかかわらず、「日本基準」なのですが、競合のトヨタ自動車は「米国(SEC)基準」で「財務諸表」を作成しています。

IFRS適用会社一覧はこちら

下記に、トヨタ自動車(米国基準)の「損益計算書」を例示します。

会計(基礎編)_損益計算書_トヨタ自動車 

① (売上高) - (売上原価並びに販売費および一般管理費) = (営業利益)
② (営業利益) + (その他の収益・費用) = (税引前利益)
③ (税引前利益) - (法人税等) + (持分法投資損益) = (当期純利益)


注)「非支配持分」云々も「連結決算」関連なので、説明はここでは割愛します。

次に、日本たばこ産業(JT)のIFRSによる「損益計算書」を例示します。

会計(基礎編)_損益計算書_JT 

① (売上収益) - (売上原価) = (売上総利益)
② (売上総利益) + (その他の営業収益) + (持分法による投資利益) - 
       (販売費および一般管理費等) = (営業利益)
③ (営業利益) + (金融収益) - (金融費用) = (税引前利益)
④ (税引前利益) - (法人所得税費用) = (当期利益)


似たような言葉が並んでいると思いますが、名前だけで判断せず、計算の中身をきちんと確認するクセをつけてください。トヨタとJTの「営業利益」には、「持分法投資損益」が入っていますか、入っていませんか? 同じIFRSでも、ソフトバンクの「損益計算書」では、持分法投資損益はどこに計上されているでしょうか? 興味がありましたら、ブログ右のリンク集から「EDINET」か会社のホームページから有価証券報告書を探し当てて、確認してみてください。

注)「持分法投資損益」とは、きわめて乱暴に言うと、20%~50%(未満)の出資比率の関連会社の当期純利益の増減分です。

ここまで、「損益計算書を斬る」の説明をしました。

会計(基礎編)_損益計算書を斬る


テーマ : 会計・税務
ジャンル : ファイナンス

Amazon ファイナンス・経営書 売上ランキング

楽天 経理・財務管理 書籍 売上ランキング

最新記事
カテゴリ
緊急!?アンケート
より面白いブログづくりにご協力お願いします!m(_ _)m
ブログ内検索
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

月別アーカイブ
プロフィール
経営管理とITとProject Management

小林友昭

Author:小林友昭
現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します。

問い合わせはコチラから
他の方には公開されません

名前:
メール:
件名:
本文:

ブログランキング
記事をお読みになって応援したくなったらワンクリックお願いします!   (ランキングページに飛ぶだけです)

FC2Blog Ranking
経理・会計・税金 ブログランキングへ

最新コメント
リンク
最近の読書遍歴
筆者が最近読んだ(読んでいる)中でこのブロクに関連している本の紹介です。
    ↓粉飾決算の見抜き方指南

会計不正はこう見抜け

新品価格
¥3,024から
(2015/4/19 12:31時点)

    ↓人工知能(AI)をいたずらに恐れない

AIの衝撃 人工知能は人類の敵か (講談社現代新書)

新品価格
¥864から
(2015/4/19 12:30時点)

    ↓クラウド時代のSIビジネスの処方箋

システムインテグレーション崩壊 ~これからSIerはどう生き残ればいいか?

新品価格
¥1,814から
(2015/4/19 12:28時点)

    ↓待望の改訂第3版 金融危機反映済み

ファイナンシャル・マネジメント 改訂3版---企業財務の理論と実践

新品価格
¥4,752から
(2015/3/2 11:50時点)

    ↓最強のエクセル資料作成指南

ビジネスエリートの「これはすごい!」を集めた 外資系投資銀行のエクセル仕事術---数字力が一気に高まる基本スキル

新品価格
¥1,836から
(2015/2/28 18:22時点)

    ↓超お手軽に競争戦略が分かる

最強の「イノベーション理論」集中講義

新品価格
¥1,728から
(2015/2/28 18:20時点)

    ↓グローバル事業戦略を確認

コークの味は国ごとに違うべきか

新品価格
¥2,057から
(2015/2/6 22:54時点)

    ↓増補改訂版が出ました

起業のファイナンス 増補改訂版 ベンチャーにとって一番大切なこと

新品価格
¥2,484から
(2015/2/6 22:41時点)

    ↓姉妹書の「経営戦略全史」もどうぞ

ビジネスモデル全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)

新品価格
¥3,024から
(2014/10/9 21:25時点)

    ↓入門書に最適なシンプルさです

新・企業価値評価

新品価格
¥4,320から
(2014/10/9 21:23時点)

    ↓ちょっと専門的ですよ!

起業のエクイティ・ファイナンス---経済革命のための株式と契約

新品価格
¥3,888から
(2014/10/9 21:22時点)

    ↓事例集として使えます

ビジネスモデルの教科書: 経営戦略を見る目と考える力を養う

新品価格
¥1,944から
(2014/10/9 21:21時点)

    ↓経営コンサルタントの暴露本です

申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

新品価格
¥1,728から
(2014/10/9 21:16時点)

アクセス数
オンラインアクセス数
現在の閲覧者数:
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
ファイナンス
20位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
経理・会計
6位
アクセスランキングを見る>>
読まれている記事
注)現在、PCとモバイル経由は別々に集計されています。記事名に「-」が付いているとモバイル
掲示板
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
会計とマネジメントとITの参考図書
セレクションは偏っていますよ。だって本当に読んでいる中からお勧めしているから!
    ●会計基礎
    ↓財務諸表の基本が分かる(1)

決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法 (朝日新書 44)

新品価格
¥778から
(2014/12/4 21:17時点)

    ↓財務諸表の基本が分かる(2)

財務3表一体分析法 「経営」がわかる決算書の読み方 (朝日新書)

新品価格
¥842から
(2014/12/4 21:20時点)

    ↓財務諸表の理解を深める(1)

企業の経営戦略を決算書から見抜く 「財務諸表」読解入門

新品価格
¥2,160から
(2014/12/4 21:22時点)

    ↓財務諸表の理解を深める(2)

[決定版] ほんとうにわかる財務諸表

中古価格
¥2,881から
(2014/12/4 21:23時点)

    ●管理会計
    ↓管理会計的考え方が身につく

決定版 ほんとうにわかる管理会計&戦略会計

新品価格
¥3,888から
(2014/12/4 21:25時点)

    ↓管理会計の全領域を押さえる

管理会計(第五版)

新品価格
¥5,184から
(2014/12/4 21:27時点)

    ↓予算編成と予実管理なら

高田直芳の実践会計講座 「管理会計」入門

新品価格
¥3,024から
(2014/12/4 21:35時点)

    ↓意思決定会計の初学用

ビジネスマンの基礎知識としての損得計算入門

新品価格
¥1,620から
(2014/12/4 21:37時点)

    ●ファイナンス
    ↓会計とファイナンスの基礎(1)

道具としてのファイナンス

新品価格
¥2,592から
(2014/12/4 21:39時点)

    ↓会計とファイナンスの基礎(2)

新版 ファイナンシャル・マネジメント ― 企業財務の理論と実践

新品価格
¥4,752から
(2014/12/4 21:41時点)

    ↓企業価値評価の王道(難)

企業価値評価 第5版 【上】

新品価格
¥4,320から
(2014/12/4 21:44時点)

企業価値評価 第5版 【下】

新品価格
¥4,320から
(2014/12/4 21:44時点)

    ●経営戦略
    ↓経営戦略の歴史を学ぶ

経営戦略全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)

新品価格
¥3,024から
(2014/12/4 21:51時点)

    ↓経営戦略論の体系を理解したい

戦略サファリ 第2版 -戦略マネジメント・コンプリート・ガイドブック

新品価格
¥4,536から
(2014/12/4 21:52時点)

    ↓経営学のほんとうの姿は?

世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア

新品価格
¥2,052から
(2014/12/4 22:18時点)

    ↓ビジネスモデル作ってみる?

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

新品価格
¥2,678から
(2014/12/4 21:56時点)

    ●経営管理
    ↓制約理論(TOC)を学ぶ

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か

新品価格
¥1,728から
(2014/12/4 22:00時点)

ザ・ベロシティ

新品価格
¥1,728から
(2014/12/4 22:01時点)

    ↓収益モデルを考える

プロフィット・ゾーン経営戦略―真の利益中心型ビジネスへの革新

新品価格
¥2,592から
(2014/12/4 22:02時点)

    ↓会社組織の形を考える(1)

組織の経済学

新品価格
¥5,940から
(2014/12/4 22:05時点)

    ↓会社組織の形を考える(2)

戦略の経済学

新品価格
¥6,912から
(2014/12/4 22:06時点)

    ↓アーキテクチャを考える(1)

ものづくり経営学―製造業を超える生産思想 (光文社新書)

新品価格
¥1,296から
(2014/12/4 22:09時点)

    ↓アーキテクチャを考える(2)

ビジネス・アーキテクチャ―製品・組織・プロセスの戦略的設計

中古価格
¥915から
(2014/12/4 22:11時点)

    ↓稲盛イズムの原点を知る

稲盛和夫の実学―経営と会計

新品価格
¥566から
(2014/12/4 22:13時点)

    ↓岡目八目。他人のふり見て、、、

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

新品価格
¥823から
(2014/12/5 10:30時点)

    ●ビジネスマンとしての教養
    ↓アドラー心理学でも身に着ける?

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

新品価格
¥1,620から
(2014/12/4 22:25時点)

    ↓自己啓発本の古典です

人を動かす 新装版

新品価格
¥1,620から
(2014/12/5 00:02時点)

    ↓メンターとの良き出会い

そうか、君は課長になったのか。 (ポケット・シリーズ)

新品価格
¥972から
(2014/12/5 10:33時点)

    ↓歴史と社会からビジネスを斬る

東大講義録 文明を解く I (日経ビジネス人文庫)

新品価格
¥771から
(2014/12/5 00:05時点)

東大講義録 文明を解くII―知価社会の構造分析 (日経ビジネス人文庫)

新品価格
¥720から
(2014/12/5 00:07時点)

    ↓文明史からビジネスを斬る(1)

文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)

新品価格
¥972から
(2014/12/5 00:07時点)

文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)

新品価格
¥972から
(2014/12/5 00:10時点)

    ↓文明史からビジネスを斬る(2)

文明崩壊 上: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)

新品価格
¥1,296から
(2014/12/5 00:14時点)

文明崩壊 下: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)

新品価格
¥1,296から
(2014/12/5 00:15時点)

    ↓文明史からビジネスを斬る(3)

昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来

新品価格
¥2,052から
(2014/12/5 00:12時点)

昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来

新品価格
¥2,052から
(2014/12/5 00:12時点)

    ↓文明史からビジネスを斬る(4)

17歳のための世界と日本の見方―セイゴオ先生の人間文化講義

新品価格
¥1,836から
(2014/12/5 00:34時点)

    ↓文明史からビジネスを斬る(5)

誰も知らない 世界と日本のまちがい 自由と国家と資本主義

新品価格
¥1,944から
(2014/12/5 00:35時点)

    ●ITと業務プロセス
    ↓ITの上流設計をやる!

業務システムのための上流工程入門―要件定義から分析・設計まで

新品価格
¥2,592から
(2014/12/5 00:23時点)

    ↓データモデリング(1)

業務別データベース設計のためのデータモデリング入門

新品価格
¥3,240から
(2014/12/5 00:28時点)

    ↓データモデリング(2)

生産管理・原価管理システムのためのデータモデリング

新品価格
¥3,240から
(2014/12/5 00:29時点)

    ↓データモデリング(3)

販売管理システムで学ぶモデリング講座 (DB Magazine SELECTION)

新品価格
¥2,592から
(2014/12/5 00:25時点)

    ↓データベースと業務設計(1)

グラス片手にデータベース設計~販売管理システム編 (DBMagazine SELECTION)

新品価格
¥2,592から
(2014/12/5 00:30時点)

    ↓データベースと業務設計(2)

グラス片手にデータベース設計 生産管理システム編 (DB Magazine SELECTION)

新品価格
¥2,592から
(2014/12/5 00:32時点)