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投信成績分かりやすく 通算損益を通知・報告書に簡易版

■ 12月に改正法施行

経営管理会計トピック
改正投資信託法が12/1に施行され、投信の規制が大きく変わることとなりました。今回は、規制対象となる「投資信託」と「株式」の違いを会計知から見てみたいと思います。おかしいですね、投資信託には株式が含まれているはずなのに、何を比較したいのか、、、後で判明します。

2014/10/27付 |日本経済新聞
朝刊投信成績分かりやすく 通算損益を通知・報告書に簡易版

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

新聞記事の趣旨は、次の通りです。
「分配金を出す投資信託は、運用益だけでなく、元本も取り崩して顧客に分配金を出すことが許されている」
「個人客は、元本まで取り崩して分配金が支払われていることを知っているのはアンケート対象の30%の人だけだった」
「改正法により、顧客に分配金を含めた通算損益を定期的に通知する制度が始まり、運用報告書も分かりやすい簡易版が登場する」


■ そもそも「元本」から「分配金」を支払っていいんでしたっけ?

投資信託という金融商品に対する法律的・契約上のことを言っているのではなく、経済合理性があるのか、を問うています。学生時代に「会社法(当時はまだ『商法』でしたが)」を学習した時に、「蛸配当」という言葉、法律的には「違法配当」という言葉を学びました。「本来分配可能な剰余金を超えて、粉飾決算等で配当可能利益を大きく見せかけて、過大な剰余金を株主に配当すること」

法の趣旨としては、会社財産を流出させて、資金的安全性を損ない、会社経営そのものを危うくするため、という理由で、分解可能利益(剰余金)については厳しく規制がかかっています。まあ、会社は株主のものなので、いくら配当しようが構わない、とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、一応、会社法は債権者保護の観点から立法されている面があり、債権者としては、いたずらに融資先の財産が社外流出することは回避したいという意を汲んだものになっています。

会計基準の方も、「企業会計原則」の一般原則その3「資本取引・損益取引区分の原則」として同様の縛りが明記してあります。「会計」としては、株主・債権者、双方のステークホルダーの利害調整を目的として、会計を学ぶ最初の方でこの精神に触れるのが常です。

ちなみに、
分配可能利益の計算については、下記ホームページを参考にしてください。
新日本有限責任監査法人
http://www.shinnihon.or.jp/corporate-accounting/commentary/companies-act/2011-03-01-01-01.html
  • 自己株式をきちんと考慮した「資本剰余金」と「利益剰余金」が分配可能
  • 「のれん」と「繰延資産」がある場合に特別な制約あり
  • 任意に連結ベースでの配当規制をかけることも可能


■ 「投資信託」を売っている人はどういっているか

参考にしたホームページはつぎの2つです。いずれも、分配金に関する記述を順に抜粋させて頂くと、

投資信託の分配金とは - ニッセイ アセットマネジメント
http://www.nam.co.jp/seminar/basis/toushin/13.html

投資信託はみなさんから集めたお金をまとめて、株式や債券などに投資しています。そしてその株式からは「配当金」、債券からは「利子収入」が入ります。また、株式や債券を売買することで「売買益」も出ます。この「配当・利子収入」と「売買益」の2つの収益が分配金の主な「分配原資」になります。

投資信託の分配金 知っておくべき重要なポイント - ソニー銀行
http://moneykit.net/visitor/fund/fund34_01.html

投資信託は、株式や債券など様々な資産に投資していますが、それらの資産から配当や利子である「インカムゲイン」を受け取っています。また、株式や債券などは価格が変動するため、それらを売買することで値上がり益である「キャピタルゲイン」を得られる場合があります。これらの利益に過去から繰り越されてきた利益を加えたものが分配対象額となります。この分配対象額の中から、ファンドの決算日に投資家に収益分配が行われるしくみになっています。ちなみに、分配金の金額は、投資信託ごとに決められた分配方針に基づいて運用会社が決定しています。

極めて真っ当です。


■ 当局の思惑と実態

当局である金融庁には、ある思惑があります。記事から抜粋すると、

「投信の仕組みを理解しやすくして、投資判断が分配金に偏った市場を是正する狙いだ」
「投信の仕組みを個人が理解しやすいようにすることで、貯蓄から投資を後押しする狙いだ」
「公募株式投信の約6割を占める毎月分配型は退職後に定期収入を求める高齢者に一定の需要はあるものの、「分配金の仕組みが分かりにくく消費者に誤解を招きやすかった」

とあり、現行の投信会社からの商品説明と運用報告が分かりにくいことを改善して、個人客とのトラブルを事前に回避し、さらなる投信の購入を促進し、株式市場の活発化を狙うものの様です。金融庁によるこれまでの行政指導では、元本を取り崩した分配金を「特別分配金」から「元本払戻金」に名称変更するように求めています。

こうすることで、新聞記事では、

「投信選びで総合的な運用力が重視されるようになれば、分配金が少なくても運用成績の良い投信に資金が集まる可能性がある」

とあり、トラブル回避と(真っ当な)投信購入残高を増やす、一石二鳥を金融庁が狙う部分が分かりました。

NISAも含め、豊富な高齢者の個人金融資産(預貯金中心)からの株式投資を促進することで、日本経済の活性化を図りたい金融庁。一方で、高齢者に「年金のように毎月分配金がでて便利ですよ」と売り込みをかける(一部の確信犯的)金融機関。

でもちょっと落ち着いて考えてください。株式投資は相対的にいって、長期間にわたり、かつ余裕資金で実践するもの。高齢者に売り込もうとしている当局にも金融機関にも「『複利』という言葉を本当にご存知ですか?」「個人(それも高齢者)の経済的生活のことを本気で大事に考えていますか?」と問い質したいものです。

そもそも会計屋なら常識の「損益取引と資本取引の厳格な区別」は投信という商品設計では完全無視なのが問題なのでは???

株式投資は、複利効果を狙って、長期的に行うもので、毎月の生活費として一定額の引き出しが必要な高齢者の金融資産を当てにすることはそもそも方向性が違うんではないかなと思うわけであります。筆者も勤務先から「確定拠出年金(401k)に移行します。ついては金融商品の説明会をします」という連絡で、専門家の話を真面目に聞いた経験があります。その時には、「働き盛りの30-40代は、積極的にリスクを取りに行って、株式の構成比率を高めに、年金の引き出し時期が近づき、50代になったら、安全資産に振り替えるべし」と教えて頂きましたが、、、

かのウォーレン・バフェット氏も著書の中で、「税金まで払って配当金を受け取りたくない。内部留保を高めた上で、株式分割をしてもらって、現金が必要になった時には、必要額分だけ所有株を売却するのが一番賢い」と語っていらっしゃいましたが、、、

筆者自身の投資方針ですか? ほぼ全量が長期保有(いわゆる塩漬け)で、配当金は全て奥方へ上納し、生活費の補てんに回されています。全く複利効果は発揮されていないのであります。他人のことを言う資格はありません。。。今回はこの辺でおしまいにします。(^^;)





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長期的意思決定 CVP分析より(2)

■ 「高級ピッツァ店」の収益改善策を考える

管理会計(基礎編)
前回」、「庶民派ラーメン店」と「高級ピッツァ店」の出店計画に対する損得計算を、「CVP分析」のフレームワークを使って例証してみました。下記に両者のプランの損得比較を再掲します。

管理会計(基礎編)_CVP分析_ラーメン店とピッツァ店_損益表 
管理会計(基礎編)_CVP分析_ラーメン店とピッツァ店_損益分岐点分析_チャート
この時、「高級ピッツァ店」の損益を改善し、少なくとも「庶民派ラーメン店」と同等の利益を出せる店にするには、一体どうしたらいいか、をCVPのフレームワークにしたがって考えていきたいと思います。


■ 経営者がコントロールできる3つの要素

管理会計的「長期的意思決定」の場合、固定費も「裁量固定費」として、経営者がコントロールできるという前提に立った場合、経営者が損益管理のために、操作できる変数は次の通りです。
  • 売上高(厳密には販売単価と販売数量)
  • 変動費(厳密には変動費単価)
  • 固定費発生額

《1.固定費削減》
まず、一番取り組みやすい「固定費」の削減策から検討してみたいと思います。売上高は顧客、変動費は仕入先と価格交渉がきついのですが、固定費は、当然取引先があるものの、自社内である程度、出費の程度を管理することができます。今回も、レンタルする厨房設備(焼き釜)のグレードを少々落としても、提供するピッツァの品質に著しく影響しないことを確かめて、厨房設備のグレードを1段階落とし、レンタル料を10万円節約することにしました。

管理会計(基礎編)_CVP分析_固定費削減案  

ストンと、赤い固定費線が下に落ちるので、その分、売上高と変動費が不変でも、費用削減額 = 増益分 となり、ラーメン店と同じ月額利益となる試算ができあがりました。


《2.値引き》
次に、販売単価を下げることにします。値引きすると、ミクロ経済学的には、右下がりの需要曲線に沿って、需給バランスする点がシフトするので、販売数量が増えて、新しい均衡点を形成します。それが、販売数量:3,286枚の均衡点です。

(ここでは、逆に値上げを選択しても、新しい均衡点で需給がバランスすることは分かっています。しかし、さらなる高品質・高付加価値のピッツァであることを想定するお客様に訴求できないと判断し、値引きによる販売数量増加の施策を選択しています)

管理会計(基礎編)_CVP分析_値引き案  

売上線の勾配が小さくなるので、グラフは横に伸びます。従来は、3000枚の販売当初予測のところ、プラス286枚分、販売数量を伸ばすと、値引きした分悪化した限界利益率(および単価)を上回って、総額としての限界利益額を増やすことができると判断します。こうして、ラーメン店と同額の営業利益を確保するための、販売目標の上積み数を明らかにすることができました。


《3.変動費の削減》
最も、難易度が高いのですが、損益には最も効果的なのが変動費単価の削減です。材料費など、元々価格交渉をぎりぎりでやっているところなので、途中からさらに削減、というのは難しいケースが多いようです。
(2014/10/25:日経新聞朝刊の記事によると、トヨタは半年に1回、1%程度の値下げをサプライヤーに要求しているようですが、、、)
今回は、食品卸会社から高級小麦粉の仕入れ先を変えることで、コストダウンできたと仮定します。

管理会計(基礎編)_CVP分析_変動費削減案  

変動費線の勾配が小さくなるので、従来の販売数量より少なくても目標利益に達することができます。グラフは横に縮むようになります。


■ 3つの方法の相対的比較

3つの方法を今度は数表にして、並べてみました。赤字がオリジナル案から変更になった箇所になります。

管理会計(基礎編)_CVP分析_3案同時比較

「固定費削減案」は、限界利益より上の箇所については一切不変です。非常にシンプルです。

「値引き案」は、限界利益率が下がるものの、数量でカバーされるので、限界利益額は、固定費削減案より増えます。しかし、売上高も増額になるので、限界利益率(単価)はむしろ悪化します。限界利益率(単価)が悪化するということは、それを補うための、販売数量増が必須となりますので、拡販施策が必要になります。このリスクが実際のビジネスにおいてはかなり大きいというのが実務経験からの肌感覚です。安易な値引きはお勧めできない理由のひとつです。

「変動費削減案」は、もっとも損益構造が良くなる施策となります。その理由は、限界利益率(単価)が改善し、損益分岐点がより安全な方向(小さい方向)に向かうからです。さらに、大方のケースでは、営業利益率もよい方向に動くことが多いです。


■ (TIPS)グラフの各点の簡単な求め方

グラフでは、左から順に、
  • 「固定費回収点」
  • 「損益分岐点」
  • 「目標利益達成点」

がプロットされています。

これらを簡単に算出する計算方法を下記にまとめました。

(固定費回収点) = (固定費額) ÷ (販売単価)

(損益分岐点) = (固定費額) ÷ (限界利益単価)

(目標利益達成点) = (固定費額 + 目標利益額) ÷ (限界利益単価)


この方法だと、3つの点が「販売数量」で出てきます。


■ 損得計算の回答(中級)

前回は、「損益計算の回答(初級)」と題して、「庶民派ラーメン店」と「高級ピッツァ店」のそれぞれの月次試算P/Lを並べて評価する方法を紹介しました。

下記は、ちょっと手練れな感じで損得計算をしてみます。

要は、比較する2案で共通項目は、比較表に載せない、違いのあるところだけ載せて、差額を計算する、ということです。

管理会計(基礎編)_差額収支分析

上記の表では、次のように差額分析を行っています。
  1. 比較対象の売上の差額、コストの差額だけ取り出して、差し引き計算して答えを求めます
  2. 「プランA」をベースプランとして、「プランB」を選択するとどれくらい差異が発生するか確認します
  3. 上記のケースの場合は、「給与」と「家賃」はいずれものプランを採択しても同じ額だけ発生するので、差額収支計算上は無視することにします

AとBの両方ともに登場する、意思決定に無関係なコストのことを、「サンクコスト(埋没原価)」と呼びます。条件や金額が同じものを足して引くのは無駄だ、最初から無視するということです。

チョッと、初級に比べて、やり方がスマートではないですか?


■ 損得計算 (番外編)

よく耳にする「機会費用」という概念を解説します。
言葉だけで定義すると、「複数の選択肢から一つを選ぶ場合、選ばれなかった案を仮に選択した時に、もしかしたら得られたかもしれないが「あきらめた利益」のこと」をいいます。

管理会計(基礎編)_機会費用とは

ロードサイドへの出店のケースだと、仮に、「プランA:庶民派ラーメン店」を選択したということは、比較対象に上ったものの、選ばなかった「プランB:高級ピッツァ店」で得られたかもしれない利益を犠牲にした(あきらめた)ということになります。このあきらめ分が、「プランA」を選んだ際の「機会費用」ということになります。その額は900,000円。「プランA」を選択することで得られる営業利益は、1,000,000円。機会費用より100,000円だけ得られる利益が多い選択肢であるわけです。この場合は、機会費用を考慮しても、「プランA」を選択することは合理的である、と考えるわけです。

ここまで、「長期的意思決定 CVP分析より(2)」を説明しました。

管理会計(基礎編)_長期的意思決定 CVP分析より(2)  

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風速計 ベンチャー上場 もろ刃の種類株

■ 「アリババ」NYSE上場から議論が盛り上がる

経営管理会計トピック
今回も、小稿でしたが、「ベンチャー企業の上場を増やすために創業者の権利を優遇すべきかどうか」についての議論が本格化してきたことを取り上げた記事についてコメントしたいと思います。

2014/10/27付 |日本経済新聞|朝刊
風速計 ベンチャー上場 もろ刃の種類株

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

議論の発端は、中国の電子商取引最大手、Alibaba Group Holding(阿里巴巴集団)が9月19日にNYSEに上場し、米国市場最大規模になる218億ドルを調達したことのようです。その際にも、次のような記事がありました。

2014/10/16付 |日本経済新聞|朝刊
(アジアVIEW)香港に「一株一票」見直し論 アリババ上場見送り契機


この記事には、「アリババは当初、香港で上場を目指していた。だが馬会長ら経営陣が取締役の過半を任命できる「パートナー制」の容認を求めたのに対し、香港の証券監督当局が「株主権の平等を定める一株一票の原則に反する」と拒否した。同様の仕組みを認める米国上場に切り替えた経緯がある」とあり、香港当局が、種類株の一種、多数議決権株式を容認しなかったことが背景にあります。


■ 多議決権種類株

「種類株」とは、配当やその他の議決権などで、権利内容が異なるものをいい、日本の会社法でも第108条で複数種類が認められています。議決権に制約がある見返りとして、剰余金の配当等に有利な条件が設定されている「優先株式」や、株主総会にて全てまたは一部の決議で有利になる「多議決権株式」があります。

「優先株」は、金融不安の中で、多数の金融機関に資本注入する際に日本でも多用されましたし、現在も、伊藤園が発行しています。
「多議決権株式」の方は、IT企業に多く、創業者の経営権を保護したまま、外部からの資金調達をしたい場合に利用されることが多いようです。
極めつけは、「黄金株」といわれているもので、敵対的企業買収など(何が敵対的かの議論は横に置いておきます)について拒否権を有しているものまであります。現在、日本においては、国際石油開発帝石が発行しており、なんとその所有者は経済産業大臣となっています。

当局や、会社法学者の間では、「株主平等の原則」に反するのではないか、という指摘や、複数種類の株式のそれぞれの価値算定が困難であるということが問題視されてもいます。

「株主平等の原則」に反する、ということでは、黄金株まで行かずとも、多議決権株式にも同じことが言えて、1株1票で株式総会決議ができないと、普通株式の所有者が不利益を被る可能性があるということのようです。


■ ではなぜ種類株式を発行している会社の株主になるのか

では、なぜ、グーグルやフェイスブックのような、一見、株主平等に反する恐れのある会社の普通株式を、一般投資家は購入するのでしょうか。ラリー・ペイジ氏や、マーク・ザッカーバーグ氏の経営手腕を買っているわけで、グーグルやフェイスブックのガバナンスにはそれほど興味はなくても、経済的リターンを欲している人が、事情を分かった上で、普通株式を購入しているわけです。他の、表面的・形式的な、株主平等の原則を守っている会社の株式より、リターンが大きいと判断した結果以外の何物でもありません。

どの金融商品を買って、どういう経済的リターンを得るかは、資本主義経済において、個々人の権利(自由意志)が保証されているべきです。種類株式を発行している会社は何もその事実を隠しているわけではないので、詐欺的行為には決して当てはまりません。いやなら、そんな会社の株は買わなければよいだけです。投資の自由は投資家の手に委ねられているのです。


■ 事例の紹介

バークシャー・ハサウェイは、A種株式とB種株式を発行しています。B種株式の発行価格はA種株式の1500分の1に抑えられている一方で、A種株式はB種株式の10000株相当の議決権が与えられています。ウォーレン・バフェット氏は、A種株式を押えていることで、同社の経営権を確保している訳です。この場合、一般投資家は、なぜB種株式の売り出しに対して、狂喜乱舞して買いに行ったのでしょうか。それは、偏(ひとえ)に、バフェット氏の手腕に期待して、相対的に他企業への投資より大きい経済的リターンを望んだからに相違ありません。同社の株主なら誰でも、バフェット氏に代わって、バークシャー・ハサウェイの経営権をコントロールしたいという動機を持たないと思います。

先述の、国際石油開発帝石の黄金株の件にしろ、あくまで例えばの話ですが、外資による経営権取得により、目先の株主還元のみを狙った事業分割や、同業や投資ファンドへの身売り等が無いことが保証されているからこそ、安心して株主になっている人もいるかもしれません。2014/10/27前場終値ベースで、同社株は、PER:10.79、PBR:0.68、出光興産株は、PER:10.98、PBR:0.47、JXHDは、PER:9.32、PBR:0.53、となっています。
直近の株価動向では同業他社に比べて何ら遜色はない、という感じです。


■ (おまけ) ソニー狂想曲の仇花 - トラッキングストック

種類株の話をすると、必ず筆者は、ソニーのトラッキングストックのことを思い出します。2001年6月に、当時の子会社名:ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソネット・エンタテイメント)を対象としたトラッキングストック(子会社業績連動株式)は、議決権はソニー親会社に対して行使しますが、配当等の経済的権利は、対象子会社の業績に応じて配分するというものでした。80年代に、GEやディズニーが採用した方式で、巨大なコングロマリットの中に居ながらにして、外部から資金を調達できるという「いいとこどり」ができる、という触れ込みのものでした。

コングロマリットの中にいれば、優秀な経営者の知見も利用でき、巨大な共通経営資源も有効活用でき、そのうえで外部の資金も利用できるわけです。結果は、2003年4月のソニーショックとなり、、、その後は、本体株式に吸収されてしまいしたが。

同様の資金調達にひと工夫があった例としては、旧ボーダフォン買収時のソフトバンクの資金調達方法(LBOでノンリコースローンの活用)も、2006年当時はびっくりしました。

最後に一言、「資金の需要、資金の供給、あるところに、ファイナンス・スキームあり。どんなスキームを組むかは、経済活動の自由で当事者に選択権があった方が良い」

ソニーのトラッキングストックの件も、半年遅れで、当時の商法が種類株導入に向けて改正されたのでした。
ソニーのパイオニア精神、甦れ!






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プロジェクトの計画を作ってみる

■ プロジェクト計画について

プロジェクトマネジメント(基礎編)
前回」は、プロジェクトの進捗が思わしくないとき、「プロジェクト憲章」の準備の効果と、これを使っての対応策の検討方法を簡単に説明しました。今回は、「プロジェクト憲章」をつくった後、プロジェクト計画を作成するときの、留意点について、老婆心ながら筆者の心構えをお伝えしたいと思います。

前回も言及しましたが、「コンティンジェンシー・プラン」を用意しておくと、様々なプロジェクト進行に対する障害への耐性がつきます。

山登りの比喩を使わせてください。

PM(基礎編)_山頂の目指し方

登りたい山の頂上はひとつです。しかし、登るペースや、パーティ・メンバ、登山道については選択肢がいろいろあります。登る時期や登る楽しみ(目的)も様々です。雪山・夏山は、いつ山に登るかで違ってきます。眺望を楽しむのか、山頂に辿り着いた達成感を味わうのか、途中の草木を愛でるのか、メンバの懇親を深め、よりよきチームワーク形成を望むのか、登山計画の立て方は、入念に、かつ楽しんでやるものと(勝手に)想像しています。

プロジェクト計画の立案も同じです。山頂(プロジェクトのゴール)を目指して、既に登山用のシューズやらザイルやらを品定めするところから、登山は始まっているのと同じように、登る山を決めて、メンバを決めて、スケジュールを組む。そして、途中で天候に変化が現れた時、どこで荒天を回避するか、予めバックアッププランを考えているはず。まったく、同じではありませんか。


■ ゴール(山頂)への最短ルートの探索

山登りは、必ずしも最短ルートで最速で頂上を目指すとは限りません。しかし、企業経営におけるプロジェクトは、最短期間(それが最小コストにつながることも多い)で完遂することを心がけるケースが圧倒的に多いです。

ここで(かなり大幅に)横道に逸れます。

決して、プロジェクトの完了だけが、プロジェクト実行の目的とは限らないケースがあります。終わらなくても許されることもあるプロジェクト。何かキツネにつままれた感じがするかもしれませんが、それは実在します。会社は、通常は「Going concern」を前提にしています。つまり、何世代にもわたって経営を続けていく必要があります。そのためには人材の教育が必要になります。プロジェクトはヒトを育てます。類似テーマで、大規模プロジェクトを定期的に実施していかないと、世代を超えた「ノウハウ」の継承、「リーダー」の育成ができないケースがあります。

特に、筆者が関与することが多い、管理会計制度・システムの変革プロジェクトは、テーマが「管理会計」なので、その会社独自の経営管理のノウハウの塊であることが多々あります。決して、教科書や社外の教育機関から学べないことも多いため、OJTでないと身につかないモノが比較的多いのです。その場合は、人材育成ができれば、プロジェクトは半分失敗しても、会社としてはプロジェクト遺産が人材という形で残り、それでOKということです。失敗の経験も立派な財産です。そういう意味では、筆者にも財産が多く。。。(^^;)

閑話休題。

プロジェクト計画を練り上げるときには、まずゴールをイメージしてください。登山の場合は、山頂からの絶景のように。ゴールの一歩手前では何をやっているでしょうか? エベレスト登山の場合は、ベースキャンプで、山頂アタックの準備をしているはず。管理会計システム構築プロジェクトの場合は、UAT(User Acceptance Test)を実施しているはず。UATの開始のためには、システムテストの完了と、UATのための、テストシナリオ、テストデータ、テスト環境の準備、ユーザトレーニングが完了しているはずです。時計を逆回しして、想像を巡らせてください。


■ 効率的なプロジェクト計画の立て方

詳細は、専門書や専門家のブログで確認して頂きたいのですが、筆者から言えることは、ただひとつ。

「ゴールから計画をつくること」

です。

先程は、登山の例を絵にしましたが、計画をつくるための意識の向きは、今度は下記のようなイメージになります。

PM(基礎編)_山頂から登り方を考える

20X6年4月に、管理会計システムを本稼働させる。そのために、UATは、20X6年2月に開始しておかないといけない。そのために、システムテストは、20X6年1月には開始しておかないといけない、、、、、そのためには、20X4年4月には、基本構想策定に着手しておかないといけない。

スケジュールだけではありません。管理会計システムを本番稼働させる。そのためには、マスタデータがセットされていなければならない。ユーザマニュアルを整備しておかないといけない。過去データを新システムに移行させておかなければならない、、、、、、業務要件とシステムの基本機能を決めておかなければならない。

やるべきタスク(To DO リスト)も、ゴールから考えます。

後ろから考えると、自然に最短時間で作業計画を作ろうという意識になります。現在時点からスケジュールづくりを始めると、

「○○部署の○○さんはこの時期忙しいから協力を仰げない。依頼時期を遅らせよう」
「○○のタスクは少なくとも○○ヵ月はかかるはず」
「海外関連会社の説得には最低でも○○ヵ月はかかる見込みだ」

など、障害や課題ばかりに目がいって、そうした安全策を積み重ねると、とんでもない時間とコストを必要とするプロジェクト・プランになってしまいがちです。

ゴールから考える。そうすると、自然とプロジェクトタスクが整然と「クリティカルパス」となって並ぶハズです。

皆さんは、小学生の時に、夏休みの宿題を片付ける計画を、学校の先生からの指示で1学期の終わりに作ったことはありますか? 筆者は、必ず、7/24から計画を立て始めました。そうすると、夏休み期間内に宿題に充てる時間がどんどん足りなくなってしまい、8月下旬には無謀な量のドリルの消化ページが割り当たってしまいます。しかも、お盆の頃には、やれ花火だ、やれ縁日だ、家族旅行だ、映画だ、プールだと、行事に明け暮れ、計画は破たんしてしまっています。そこから、元々捌ききれない量のドリルが待っている、、、生涯で、夏休みの宿題をすべてやり終えたことは一度もありません。

夏休みの宿題程度なら、先生に怒られておしまいですが(教育関係者の皆様、ごめんなさい)、ビジネスとなると話は別です。どんな小さなプロジェクトでも、ルーチン業務でも、一度ゴールから計画を作ってみてください。これまで自分が作ってきた作業計画とは見違えるくらい実行可能性が高い計画になっているはずですから。
(もし、実行できなくても決して苦情のメールを筆者に出さないでください。相談になら事前に乗りますから)

ここまで、「プロジェクトの計画を作ってみる」を説明しました。

PM(基礎編)_プロジェクトの計画を作ってみる


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ジャンル : ビジネス

プロジェクトの進捗が思わしくないときどう対処すべきか

■ 必ず進捗が遅れるのがプロジェクト

プロジェクトマネジメント(基礎編)
前回」は、「プロジェクト憲章」の必要性と内容について説明しました。最後に、「プロジェクト憲章」は絶対不変なのかについて、問いを投げかけさせていただきました。今回は、この問いに対して、筆者のこれまでの経験からくるひとつの見解を述べさせていただきたいと思います。

筆者の力不足なのでしょうが、いまだに当初の計画に寸分違わず、プロジェクトを進行させたことはありません。経験プロジェクト数は、事業会社から含めて二桁台に到達していますが、必ず途中で、課題が発生し、作業が遅れ、プロジェクト内容に修正を施しています。

「人間は生まれれば必ず死が訪れる」「朝になれば、必ず夜が来る」のと同じくらい、プロジェクト進捗が途中で遅れることは必至のことのように思えます。

筆者は、経験を通じて、「プロジェクト進捗が遅れないようにどうするべきか」を考えるより、「プロジェクト進捗が遅れた場合にどうするべきか」を考えるようになりました。


■ 進捗が遅れた時にまず考えること

まず、基本動作として、「進捗遅延」が発生した場合に、「原因追究」することは当たり前のようになっています。「原因追究」は当然やることにした場合、次に問われるのは、「原因の解決策」の立案です。

ごく一般論で申し上げると、「進捗遅延」が発生した場合、
  1. 「当初の見積もり」より作業時間が多くかかった
  2. 「当初の見通し」より課題解決の難易度が高かった

との反省の弁が陳述され、クライアントからコンサルタントが計画の甘さについて詰(なじ)られます。

次に、コンサルタントは、
  1. 「リカバリ」: 残業・徹夜をすること、メンバを増員すること
  2. 「リスケジュール(リスケ)」: 作業納期を遅らせること
  3. 「スコープ縮小」または「代替案の提示」: やることの量か質を減らすこと

のいずれかを提案して、クライアントに、これらの対応策(またはその組み合わせ)を泣く泣く呑んでもらいます。

最初の「リカバリ」策は、プロジェクトの受託者であるコンサルタントやITベンダーが無償(追加料金の請求をしないという意味)で対応することが多く、一見すると、プロジェクトの委託者であるクライアントにはなんら不利なことはないようにも見受けられます。しかし、そこはビジネス。無償ということはあり得ません。当初のプロジェクト委託費用には必ず「リカバリ」対応にかかるコストがサバを読んで織り込まれていることが通常です。

また、残業・徹夜での対応の場合、担当者の作業品質が落ち、かえって品質チェックの作業量が増えたり、作業目標水準を落とさざるを得なかったりと、クライアントにも不利益が発生することがあります。

プロジェクトにおいて、「作業遅延」が発生した場合、受託者-委託者双方に必ずマイナスが発生すると考えていた方がよさそうです。


■ シンプルに対応策を考える

前章のコンサルタントからの対策案は、必ず「課題解決能力」の増強か、「解決すべき課題の質・量」の軽減か、いずれかまたは双方の組み合わせです。

PM(基礎編)_プロジェクト課題と解決能力のバランス

「やるべきこと」と「やれる能力」とがアンバランスなことにより、「作業遅延」が発生すると考えるのです。

プロジェクトでは、「やってみないとわからない」ことが多いのも事実です。そういう場合のためにも、「コンティンジェンシー・プラン」を必ず作っておくことが肝要です。

どういう場合に、「やるべきこと」と「やれる能力」にギャップが発生するのかを明らかにしておくこと、そして、もしもの時が発生した時に、対応策の打ち手をすぐ打てるように「コンティンジェンシー・プラン」を予め用意しておくこと。

これらのことが、実際にプロジェクトを始める前に文章として、プロジェクト関係者間で合意されていることが大事になってきます。そのために、プロジェクト開始前(または開始直後)のタスクとして「プロジェクト憲章」を作成し、それらを「How」の箇所で記載することが必要だと考えています。


■ プロジェクト憲章の改訂

プロジェクト進行の遅延は不可避だと先述しましたが、入念にプロジェクト計画を立案し、「プロジェクト憲章」で全関係者により相互チェック、合意形成しておけば、遅延の発生頻度はかなりの確率で減少させることが可能です。さらに、遅延が発生した場合の、コンティンジェンシー・プランが記載されていれば、対応も素早く実施できます。

作業遅延が発生した場合に備えて、「プロジェクト憲章」を作成し、仮に作業遅延が発生した場合は、作成時の精神に立ち返り、落ち着いて対策をとるということになります。

それでは、「プロジェクト憲章」の何を確認して、遅延対応策を検討するべきなのでしょうか? そのためには、「プロジェクト憲章」には何が記載されているべきなのでしょうか?

PM(基礎編)_プロジェクト憲章で確認すること

筆者は、次の4つが最低でも記載されていれば、もしもの時の判断基準になると考えています。
  • Why: 何をすべきで、そのために何が達成されているべきかを示す目標
  • What1: プロジェクトスコープとして、何が実現されていなければいけないかの優先順位
  • What2: プロジェクト成果が発揮されるべき時間的制約
  • How: プロジェクトプランの見直し方法(見直し方針、予算変更幅、見直し策の準備)

「リカバリ」「リスケ」「スコープ縮小」「代替策の採択」のいずれが、プロジェクト目的の果たすために最も効果的か、この4つに照らして考えることをお勧めします。

予め、コンティンジェンシー・プランが「プロジェクト憲章」にビルトインされていれば、憲章自体の改訂は不要でしょう。しかし、予見できない変更が発生した場合、「プロジェクト憲章」の改訂が必要になります。

そして、筆者が一番大切にしている価値観は、「そもそもこのプロジェクトの目的を果たすために最も効果的な方法は何か」です。その価値観を確認するために、「プロジェクト憲章」に立ち返ることを常としています。そして、目的すら変更すべきケースにまで至った場合には、「プロジェクト憲章」の改訂にためらいは一切持ちません。

ここまで、「プロジェクトの進捗が思わしくないときどう対処すべきか」を説明しました。
PM(基礎編)_プロジェクトの進捗が思わしくないときどう対処すべきか
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発掘長期保有株(3)ROE改善度 人員、資金を最適配分 上位20社、半数が上場来高値

■ 「ROE改善度」による企業ランキング

経営管理会計トピック
今回は、時価総額1000億円以上で、この5年間にROEが改善したランキング上位20社のリストが目に留まったので取り上げたいと思います。

2014/10/24付 |日本経済新聞|朝刊
発掘長期保有株(3)ROE改善度 人員、資金を最適配分 上位20社、半数が上場来高値

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

記事では、ROEが大幅に改善した企業というのは「合理化に踏み込んだり、人員や資金を最適配分する仕組みを作り直したりして稼ぐ力を取り戻したところが多い。上位20社のうち7割が今期最高益を更新する見通し」とあります。

下記は、新聞記事に掲載のあった、上位20社のランキングです。

5年間でROEが改善した企業
1ユナイテッドアローズ
2サイバーエージェント
3DIC
4富士通ゼネラル
5セリア
6日本ペイント
7日本瓦斯
8東海東京F・HD
9住友ゴム工業
10朝日インテック
11日本M&Aセンター
12平和
13大東建託
14ミネベア
15テイ・エス テック
16SCSK
17ブリヂストン
18あいHD
19リゾートトラスト
20大和ハウス工業

それでは、次章で、いわゆる「稼ぐ力」を財務分析だけで検証させてください。


■ ROEの分解式による「稼ぐ力」の読解

前章のランキングに入った20社は、業種・規模も様々なので、一概にビジネスモデルの優劣や、成長ステージの別を個別に議論できないので、こういう時は、財務数値だけで語ることもひとつの有効な分析方法となり得ます。

まず、財務分析の前提ですが、少なくとも日経新聞のこの記事では、

ROE = (親会社説による当期純利益) ÷ (期首期末の純資産の平残)


で、計算されていました。

20社の相対的比較ができればよいので、ここでは算出方法は問わないこととします。また、筆者の手間を削減する意味で、分子は「親会社説による当期純利益」、分母は「純資産の期末残高」とさせていただきます。つまり、有価証券報告書の「第1【企業の概況】 1【主要な経営指標等の推移】」に記載のある「当期純利益」と「純資産額」の数字をそのまま使わせてください。(^^;)

下表のROE分解式は、念のため、計算式を再記しておきます。

ROE = 売上高純利益率(ROS) × 総資産回転率(STN) × 財務レバレッジ

経営管理会計トピック_ROE改善企業ランキング_上位20社

経営管理会計トピック_ROE改善企業ランキング_上位20社_補足データ 
決算月を途中変更した企業があったこと、「直近」の定義が不明なこと、等から新聞記事のデータに近似しない企業がありますが、ご容赦ください。

デュポンチャート方式によるROEの分解分析について、皆さんはどのような感想をお持ちになったしょうか?


■ ランキング上位は本質的な収益体質へ改善

実は、このような分析に取り掛かる前に、筆者は、仮説を必ず持ってから作業に入ります。作業前の仮説は、「『財務レバレッジ』を使って、ROEを改善している企業が多いはず」でした。

それがどうでしょうか? ランキング上位に入っている企業は押しなべて、「財務レバレッジ」を効かしているどころか、「債務を返済」or「自己資本の充実(利益剰余金の増加)」を図っていました。大きなリターン(高いROS)で、逆にROE計算の分母を増やしながら、ROE自体も上昇している訳です。ここまで来ると、欧米企業との財務戦略の違いが明確です。財務レバレッジを効かすことが良いか、悪いかの判断は、当該企業の資金需要状況と成長ステージに左右されるので、一概に言えませんが、この結果に筆者は少々びっくりしています。

次に、「STN」の改善貢献度が低いことが目を引きました。上位2社は、さすがに「STN」も大きく改善しているのですが、分析結果から、日本企業は、総収入を得るための事業投資効率に総じて疎いというか、意識が薄いようです。

最後に、一番重視されているのが「ROS」で、「ROE」改善に最も貢献しているポイントでもあることが分かりました。日本企業は総じて、目前の高マージンのビジネスモデルの構築、現場オペレーションの改善に強いことが改めて分かりました。コスト削減、高マージンの新商品を途切れさせずに上市する、などなど。

まあ、「直近(決算月がバラバラなのであくまで類推ですが)」の5年間といえば、リーマンショック直後の、いわゆる「需要蒸発」の直後なので、ROSの改善が目立つのは当然といえば当然なのかもしれません。

最後に、筆者の仮説通り、「財務レバレッジ」で「ROE」を改善させている企業は皆無ではありませんでした。特に、「ROS」の貢献度がマイナスでかつ「財務レバレッジ」がプラスの貢献になっている企業には注意してください。高「ROE」だけで株式購入すると、たまに痛い目に合う、、、ということです。





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(ビジネスTODAY)日本電産のM&A「狙いは本塁打」 買収実績、1年なし 「永守流」転換、車載部品に的

■ M&A戦略のお手本見本市

経営管理会計トピック
今回は、日本電産のM&A戦略についての小考です。記事によると、「日本電産が成長の原動力としてきたM&A(合併・買収)で沈黙を保っている。昨年のホンダ子会社の買収合意以来、空白期間は近く1年になるが、買収額が小さいヒット量産型から数千億円規模のホームラン型への転換をめざしているからだ」とあります。

2014/10/23付 |日本経済新聞|朝刊
(ビジネスTODAY)日本電産のM&A「狙いは本塁打」 買収実績、1年なし 「永守流」転換、車載部品に的

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

記事では、「春から数えると8件のM&Aを見送ってきた」「ファンドが入ってきた」「金額がつり上がった」とあります。
ステレオタイプ的に、M&Aに積極的な企業の経営者は、事業意欲が強く、自分の縄張りである自社の成長のためにはなりふり構わない(買収金額に糸目をつけない)ことも散見されます。そうした強欲経営者とは一線を画しているが永守CEOです。

M&A戦略のお手本が日本電産には目白押しです。


■ 永守流M&Aの極意

ひとつひとつ数え上げたらきりがないのですが、目立ったものについて説明します。

《1.企業選定のブレない軸》
日本電産は、他のコングロマリット型企業と違い、決して非関連多角化を促進することはありません。ホームページから引用すると、「当社のM&Aは、「回るもの、動くもの」に特化し、技術・販路を育てあげるために要する「時間を買う」という考え方に基づき行っています。」とあり、企業規模拡大のために、いたずらに多角的事業を買収していくというより、「モーターというメカトロ技術のシナジー」が発揮できる案件にしか、手を出しません。

そのうえで、「PCのHDD中心の精密小型モーター」の一本足打法から「車載用モーター」「家電・商業・産業用モーター」へ素早い事業構造転換を図ろうとしており、規模だけのためのM&Aではないということです。

《2.シナジー発揮を重視》
上記にも重なる部分がありますが、関連多角化(日本電産の場合はモーター技術をコアにしている)しかやらないので、対象企業(事業)をわざわざ買収して、永守氏の事業ポートフォリオに加えた方が、単独経営よりも収益性・成長性に勝ったものにならないと、日本電産の株主もM&Aを支持しないわけであります。記事でも、永守氏は、「買収の成否の8割は買収後のシナジー(相乗効果)で決まる」「A社とB社の2社買収でシナジーを期待する場合、A社買収の見込みが立たなくなったらB社買収も見送る」との徹底ぶり。

株主(投資家)にとってみれば、モーター関連の産業機器分野において、自身で投資ポートフォリオを組むより、日本電産グループの中で、永守氏に目利きをしてもらい、事業ポートフォリオを組んでもらって、日本電産の株を持っていた方が投資収益性が高くなると思われるのも無理はありません。

《3.経営権プレミアムの誘惑に勝つ》
経営者は、高い成長目標を自身の事業意欲なのか、権勢欲なのか、高額報酬のためなのか、分かりませんが、兎角、M&Aによる企業規模拡大に執心しがちです。そうすると、普通にオーガニックグロースで到達するより、多額の資金を投じて、該当企業(事業)を買収することも厭わなくなります。この高値掴みをする際の増えた買収額のことを、「経営権(支配権)プレミアム」というのですが、記事の中でも触れている通り、永守氏はこれを十分わきまえている言動をされています。

日本電産のFY13の連結B/Sを確認すると、
  • 営業権(のれん)の総資産構成比:13.3%
  • DEレシオ:0.65
  • 現金および現金同等物:2,477億円、総資産構成比:21.1%
  • ネットDEレシオ:0.19
自制心の強い、B/S以外の何物でもありません。


■ (付録)日本電産のすごいIR

最後に、直接関係は無いのですが、日本電産のIRのすごさを紹介します。
日本電産は、創業者である永守CEOの強いリーダーシップで牽引されてきた会社であることは間違いありません。氏にはいろいろな逸話があり、正月しか仕事を休まないとか、ネタを探すと、枚挙にいとまがありません。

それより、何よりも目を引くのは、会社のホームページおよび有価証券報告書に16番目の「事業リスク」として、次の一節がきちんと説明されていることです。

以下、有価証券報告書「第2 事業の概況 4.事業等のリスク」より引用。

(16)NIDEC社長である永守重信(氏)への依存
NIDECの継続的な成功は主にNIDECの創業者であり社長兼CEOの永守重信氏の能力と手腕に依存しております。永守氏は積極的にNIDECの経営に携わり、特に企業買収活動をはじめとした戦略的意思決定に関与しております。永守氏への依存を軽減するためデザインされた経営構造の確立過程で、永守氏の突然の離脱があった場合、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。



さらに、会計業務担当者なら、この一節が公表されている凄みも加味してもらうとよいかもしれません。

(18)管理会計において米国会計基準による財務情報を利用していないことに伴うリスク
NIDECは、連結財務諸表で報告しているオペレーティング・セグメント(「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表」の連結財務諸表注記「25.セグメント情報」参照)から毎月報告される財務情報に基づいて、NIDECの業績を予測し、事業活動の意思決定を行っております。この月次のセグメント情報は各セグメントの所在国の会計原則に基づいて作成されております。例えば日本電産は日本基準を適用しており、シンガポール日本電産ではシンガポール会計基準が適用されております。つまり、NIDECのセグメントデータは米国の会計基準またはその他の単一の会計基準に基づいて作成されておりません。加えて、財務会計で行う決算調整やその他の調整項目は月次のセグメント情報に含まれておりません。これら月次のセグメントデータの性質は、財務会計における米国会計基準調整後のセグメントデータと比べて、個別のセグメントや全体的な業績を相対的に評価することを困難にする可能性があります。



日本電産はSEC基準で財務諸表を開示しているのですが、きちんと経営会議でこうした会計基準の違いが意識されて、意思決定がなされていると考えらえます。

ちなみに、日本電産の事業別セグメント情報を確認してみてください。ちょっと一般的常識とは異なるセグメンテーションになっています。この点については、別途説明したいと思います。



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手形債権流動化を加速 三協立山、今期300億円規模

■ 「債権流動化」の動機

経営管理会計トピック
今回は、小稿でしたが、アルミ建材製造の三協立山株式会社が、「2015年5月期は300億円前後を流動化する。前期に流動化した手形債権は200億円強だった。早期の資金回収で運転資金を減らし、有利子負債を圧縮して金利負担を軽減する」という内容です。

2014/10/21付 |日本経済新聞|朝刊
手形債権流動化を加速 三協立山、今期300億円規模

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

ここでは、この施策の意味を再確認したいと思います。有利子負債を増額してまで資金調達額を増やす必要性があるか見てみます。2014年5月期は、売上高:2952億円で、2015年5月期第1四半期の決算短信によると、2015年5月期の業績予想は、売上高:3000億円と2%の微増なので、大きく運転資金不足が発生する事態とは思えません。キャッシュフローも見てみましたが、営業CF:220億円に対し、投資CF:▲69億円、財務CF:▲83億円と、ここでも特に大きな資金需要(設備投資や財務戦略上の返済準備)があるとは思えませんでした。

とすれば、新規の資金需要に対応するというよりは、新聞記事にある通り、現在の金利負担を軽減する方に焦点が当たっているみたいです。


■ 「債権流動化」の損得

新聞記事には、「取引先は三協立山よりも信用力が高い企業が多く、「手形債権を流動化した方が、銀行借り入れよりも金利負担が少ない」(同社)という」とあり、「前期は資金回収の早期化によって支払利息は10億円と前の期に比べて3億円減少した」と、その効果について記述がありました。

ちなみに、
手形債権の流動化とは、取引先が保有している手形債権を期日到来前に外部に売却する(=オフバランス化する)ことによって現金化(流動化)することです。

本当にその効果が3億円もあるのか、いつもの悪い癖で数字を確かめました。


■ 「有価証券報告書」から詳(つまび)らかにする

下記は、三協立山の連結F/Sからの抜粋です。

経営管理会計トピック_三協立山_FS

FY13は、棚卸資産の比率が下がったものの、売上債権比率が前年対比微増で25%を超えています。法人企業統計:全産業平均では、13.8%(平成24年度)なので、売上債権に資金が滞留していることは確かです。運転資金の対売上高比率も、前年から0.2ポイント悪化しています。資産構成から、売上債権の圧縮が求められることが分かりました。

また、FY13の有利子負債の構成比は24.2%と、こちらは法人企業統計:全産業平均では、33.5%(平成24年度)なので、特段、有利子負債の負担が過重だとは思いません。

さらに、支払利息の対売上高比率は、FY13で0.3%ですが、法人企業統計:全産業平均では、0.56%(平成24年度)なので、他社に比べて支払利息が損益に課題に影響しているとも思えません。

つまり、支払利息の負担軽減というよりかは、運転資金の内部的手当て(資金効率の向上)の効果の方が財務分析的にはインパクトが大といえそうです。


■ 支払利息の中身をチェック

連結P/Lを見てみると、「支払利息」とだけありましたが、ここには、債権流動化にかかる手数料や、ファクタリング費用、受取手形の割引と裏書譲渡の残高が前期末で合わせて856百万円もあり、その経費も含まれているとみるべきです。全額が、有利子負債に対する利息とは限りません。したがって、この金額だけを追ってみても、F/Sだけで、三協立山の負担している利率は明らかになりません。

そこで、面倒くさいかもしれませんが、連結附属明細表として「社債」と「借入金」の詳細がわかるので、そこからかなり乱暴ですが、平残方式でかつ積み上げによる有利子負債に対する支払利息額を類推してみます。

経営管理会計トピック_三協立山_社債明細表 
経営管理会計トピック_三協立山_借入金明細表

社債は少額ですが件数が多く、集計が面倒だったのですが、すべて利付債で計算しやすかったのが不幸中の幸いでした。
積み上げると、808百万円の利息を払っており、平均利率は1.354%となりました。この利率が、三協立山によると、取引先よりも信用力が落ちるせいで負担が大きいのだ、ということのようです。

では検証してみましょう。

連結P/Lの支払利息は、1033百万円。そのうち、有利子負債への支払いは808百万円。差額は、225百万円。これが、前期に流動化した手形債権:200億円にかかる手数料(利息に相当すると考える)とすると、

(225百万円) ÷ (200億円) = 1.125%


先程の、有利子負債への支払い利率:1.354%に比べて、0.229%有利であることが分かり、新聞記事の「信用力の差」の分、手形債権流動化の方が有利な資金調達方法であるということは証明できました。でも、金利負担の節約分は46百万円/年 となります。かなり僅少ではないか、という印象はぬぐえませんが、商売の方で、46百万円のマージンを上げるのは大変でしょうから、こうしたちょっとした創意工夫から、企業収益を好転させようとする企業努力は肯定されるべきです。

筆者の見解としては、ここは、金利負担の節約より、調達資金量が財務指標に与えるインパクトの方を大きいと見た方がよいように思えます。

というのは、ROA(経常利益)がFY13:6.6%なのですが、手形債権流動化をせずに、200億円を新規に調達していたら、

ROA(経常利益) = 156億円 ÷ (2,342億円 + 200億円) = 6.1%


と0.5ポイント悪化します。こっちの指標に与える影響の方が大きいとみるべきでしょう。


■ 新聞記事の掲載データの検証の勧め

もし、記事にある通り、3億円の支払利息の節約が200億円の手形債権流動化の効果だとしたら、

(利率) = (3億円) ÷ (200億円) = 1.5%


となり、逆に、三協立山の実際支払利率:1.354%(類推ベース)で、新規に有利子負債による調達をした方が有利になるのです。 

ちなみに、このブログ記事を書いている時点の最新情報(2014/7/10)で、日銀のホームページから、
  • 短期プライムレート:1.475%(最頻値)
  • 長期プライムレート:1.15%
となっております。

そんなに、目玉が飛び出るほど、金利負担が過重とは思いませんが、元来、コンマいくつで勝負する世界。財務担当者の努力には頭が下がる思いです。



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「税逃れ」規制を欧米が強化 多国籍企業、漂う海外戦略

■ 悲喜交々「タックス・インバージョン」に翻弄!?

経営管理会計トピック
本ブログで最初に取り上げたのは、「グローバルオピニオン 米法人税の改革が必要」でしたが、それ以来、特にここ最近、「タックス・インバージョン(納税地変換)」の新聞記事がやたら目につきます。

2014/10/21付 |日本経済新聞|朝刊
「税逃れ」規制を欧米が強化 多国籍企業、漂う海外戦略

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

企業活動がグローバルになり、簡単に国境を越えて取引が行われているので、租税の徴収権設定の基本的考え方として、「属地主義」をとるにしろ、「属人主義」をとるにしろ、グローバル企業1社に対して、税務当局がひとつには決まらないため、必ず次の課題が発生します。
  1. 国家間で法人税制に差異がある限り、税務負担が最も小さくなるように商取引の形態を変容させることは経済合理性から避けられない(株主からの受託責任)
  2. 課税当局とすれば、「二重課税」回避、または、「課税逃れ」防止のために、様々な手段をとらなければならないことに起因する「徴税コスト」の上昇が、返って税収の国庫収入に対する効果を減衰させる
  3. 企業側も、タックスプランニング推進の誘因から逃れられず、本業ではないところで経費や人的リソースを使って、税引き後利益の最大化を図ろうとする
  4. そうした企業のタックスプランニングを支援する業界や組織が利益を得る(官製市場の創出)


■ 税制が企業活動を左右することについて

記事の中でも、「グーグルのパトリック・ピシェット最高財務責任者(CFO)は16日の決算会見で、アイルランドの優遇見直しについて「政治家が法律を作り、企業はそれに従うだけ」というインタビューがありました。政策が企業活動に多大な影響を及ぼしている証左だと思います。

直近の事例では、米製薬大手アッヴィが、アイルランドの同業シャイアーとの買収合意を撤回しました。

2014/10/17付 |日本経済新聞|朝刊
米製薬が買収を撤回 アッヴィ、節税規制強化で


さらに、株主対策として、50億ドル(約5350億円)規模の自社株買いと、四半期配当の約17%引き上げも発表しました。

2014/10/21付 |日本経済新聞|夕刊
(短信)米アッヴィ、自社株買い5350億円


米国政府の方針次第で、ひとつの会社が財務戦略を大きく変更せざるを得ない状況に追い込まれてしまったということです。これが、グローバルには一つの市場、ローカルには政策当局が国境で分かれている矛盾です。文化・宗教の違いは、社会そのものの違いで、いたずらに政策的な変更を加えることは、様々な逆作用を引き起こしてしまいかねませんが、税制ぐらいは、企業活動に中立的であってほしいものです。

財務省のホームページには、「税の三原則「公平・中立・簡素」」と謳われているのですが、、、

一節を引用します。

「税制が個人や企業の経済活動における選択を歪めないようにするのが、中立の原則です」

全く、とほほ。。。です。


■ 背に腹は代えられない「医療費削減」の陰で

日本政府も、少子高齢化が進むに当たり、手を拱(こまね)いてもいられず、医療費削減のための政策として、「後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用促進」を採っています。

詳細はこちら

その中で2006年から、「後発医薬品を含む処方を診療報酬上評価」「後発医薬品を調剤した場合に調剤報酬上評価」ということで、ジェネリック医薬品を処方・調剤することにインセンティブを医療機関や薬局に対して設けています。みなさんも、ジェネリック医薬品をどうしてそんなに薬剤師さんが進めるのか、不思議だったのではないでしょうか。

政府(厚労省)の指示というのもありますが、経済的なインセンティブもあったわけです。厚労省は、国家財政の負担減、医療機関の収入増、患者(国民)の医療費負担減、健康保険組合の負担減、と皆にとってWin-Win だと主張しているわけです。

その陰で、後発医薬品メーカーと先発医薬品メーカーのシェア争いが発生し、前者の成長性・収益性が後者を上回り始めた部分もでてきました。厚労省の政策が、医薬品業界の業界地図を大きく塗り替えられることに加担しているわけです。先発医薬品メーカーの関係者(株主でもいいです)からすれば、政府のやり方はそのまま看過できるのでしょうか。

ジェネリックの使用比率を30%越えにもっていくためのインセンティブ設定は、安定供給や薬効や安全性の保証など、門外漢ながら、きちんと専門家の判断があった上で実施されることは当然のことと考えています。しかし、先発医薬品メーカーのこれまで保ってきた特許に守られていた利益も、ただ無駄に国庫支出をいたずらに増やしていたわけではなく、新薬開発の原資になっているわけで、新薬開発の原資確保について、日本政府はどう考えているのか、目の前の医療費削減か、国民の命を守る新薬開発への投資促進か、納税者(有権者)の前できちんと説明をしてもらいたいと思います。

(上記は、一人の国民として、一人の父親としての意見です。決して筆者は医療関係者ではありません)





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長期的意思決定 CVP分析より(1)

■ 「変動費」「固定費」「限界利益」「営業利益」の整理

管理会計(基礎編)

前回」、意思決定における管理会計の鳥瞰を説明しました。しかしながら、いささか概念的すぎて消化不良を起こしかねない点があったかもしれません。そこで、今回は、「限界利益」を使った「長期的意思決定」について。ビジネスケースを使って具体的に説明したいと思います。

具体例に入る前に、ケースで使用する「費用」概念、「利益」概念を今一度確認することにします。

ここでは、例証を簡単にするため、いくつか前提条件を置きます。
  1. 1個2個と、販売および生産数量を数えることができる商品を扱っている
  2. 販売数量と生産数量は一致する、つまり作り置き(在庫)は無いものとする
  3. 販売数量の増減に連動しないコストが一定額発生するものとする(ミクロ経済学でいうところの「短期」)

費用・利益概念の整理は次の通りです。
  • 「変動費」とは、販売数量1単位ごとに「単価○○円」をカウントできるコスト
  • 「固定費」とは、販売数量の増減にかかわらず、ある一定期間支出額が固定されているコスト
  • 「限界利益」とは、「売上」から「変動費」だけを引いたもの
  • 「営業利益」とは、「限界利益」から「固定費」を引いたもの

日本語に忠実になるなら、「売上」から「変動費」を引いた残りの利益は、「変動利益」と呼んだ方が適切なようです。しかしながら、一般的には「限界利益」の名で呼ばれることの方が多いみたいです。


■ (ケーススタディ) ロードサイドへの飲食店の出店

あなたは、今日からロードサイドの飲食店のオーナーです。

出店プランが2つあります。どちらがより「儲かる」か、オーナーであるあなたは選択を迫られています。既に、物件の賃借契約も済ませ、店員(正社員)も確保しました。後は、何を売る(作る)かを決める番です。事前に市場調査も実施し、検討すべきデータはそろっています。

管理会計(基礎編)_CVP分析_ラーメン店とピッツァ店_ビジネスケース

庶民的なラーメン店の場合は、一杯あたり、500円という値付けですが、月商10,000杯の売上が見込まれます。一方で、高級ピッツァ店の場合は、一枚あたり、2500円と販売単価はラーメンに比べて5倍となりますが、販売見込み数量は約3分の1となってしまいます。

通常の設例の場合は、「販売情報」と「コスト情報」だけで、上記のように、個あたりの利益情報は表示しません。今回は、ちょっと難易度を下げるために個あたりの利益情報も表示しています(皆さんにはそういうサービスは不要ですか?)。

プランAか、プランBか、うーむ、ハムレット状態です。
電卓で、自分なりの損得計算を出してから、次章に進んでください。


■ 損得計算の回答(初級)

さあ、ここでいきなり回答です。

管理会計(基礎編)_CVP分析_ラーメン店とピッツァ店_損益表

それぞれの試算ベースの月次P/Lを作成し、利益の大小を比較します。

「限界利益」について、「率」は同じですが、「額」は「ピッツァ店」の方が多いです。
稼いだお金が「限界利益」だけで評価されるのならば、「ピッツァ店」の勝利です。

では、お店を1か月維持するのに必要な「固定費」まで負担させた「営業利益」ベースならば結果はどうか? 今度は、「固定費」が160万円も低い「ラーメン店」の方が、「営業利益」は大きくなりました。

典型的な、薄利多売型の商売と、高付加価値だがボリュームが大きくならない商売の比較例としました。

種明しすると、最初のチャートで、個あたりの利益を表示していましたね。これに販売数量をかけると、実はそれぞれのお店の1ヵ月の営業利益になるんです。すでにほぼ答え(あくまでヒントといっておきますが)が表示されていたわけです。つまり、商品1単位当たりの営業利益を表示していました。

これは、逆に言うと、販売数量が変数として先に決まっているから、個あたりの営業利益が計算することができたので、最後に求められる答えを最初のチャートに書いていたことになります。それぞれ、どちらのお店も、販売数量が増減すれば、固定費は不変でも、限界利益が販売数量に比例して増減するので、最終的な個あたりの営業利益は変わってしまいますので。


■ 損益分岐点分析

同じ「ラーメン店」と「ピッツァ店」の損益状況を今度は、CVP分析(Cost – Volume – Profit 分析)のチャートで図示したいと思います。この場合の「Volume」は、前提条件でも触れたとおり、「販売数量」を意味しています。

管理会計(基礎編)_CVP分析_ラーメン店とピッツァ店_損益分岐点分析_チャート  

黒い実線が「売上線」
青い実線が「変動費線」
赤い実線が「固定費線」
を意味しています。
  • 「ラーメン店」は、相対的に高さが低く、横に長い。これは、薄利多売型のビジネスの特徴です。
  • 「ピッツァ店」は、相対的に縦に長く、横が狭い。これは、高付加価値型のビジネスの特徴です。
「ラーメン店」は、低価格で商品提供するが、そもそもコストも低く抑えている。そうすると、数を売らないと、利益が出ません。
「ピッツァ店」は、高級価格で商品提供するが、固定費が高いので、個あたりの限界利益が大きくないと、固定費を負担しきれません。

ちなみに、ラーメン一杯あたりの限界利益は300円、一方でピッツァ一枚あたりの限界利益は1500円。このあたりが、ビジネスの目の付け所の違いになります。

横軸に並んでいる数量には、それぞれ意味があります。
「ラーメン店」を例にすると、左から「4000杯」「6667杯」「10000杯」となっています。
それぞれ、順に、
  • 固定費を回収できる販売数量:4000杯
  • 固定費と変動費の合計が販売収入と同額になる販売数量:6667杯
  • 全体の損益(営業利益)がはっきりとする最大販売見込み数量:10000杯
となります。

真ん中の損益がトントンになる点を「損益分岐点:BEP(Break-even Point)」といいます。


■ くどいのですが、また「短期」と「長期」の違いを持ち出します

今回のケースは、管理会計的な分類における「長期」的意思決定です。ミクロ経済学的な「短期」とは、「固定費」が存在している世界を意味しています。よく、「短期」=「CVP分析」では「固定費」を無視して「限界利益」だけで意思決定した方がよい、という言説もあります。今回のケースは、「CVP分析」の前提世界の中における、管理会計的「長期」的意思決定のケースです。したがって、「固定費」も含めて損得を判断する必要があります。

つまり、何が言いたいのかというと、管理会計的な「短期・長期」と、ミクロ経済学的な「短期・長期」は全く違うということ。そして、「CVP分析」というフレームワークは、管理会計的な「長期」的意思決定(今回のビジネスケース)と「限界利益」だけで判断した方がよい「短期」的意思決定の両方に使えるということです。

次回は、このまま「長期」の話を続けます。それから、高等技法(増分分析)と特殊概念(サンクコスト・機会費用)を説明し、それ以降に「短期」的意思決定のビジネスケースの説明を続けていきたいと思います。しばらく、この説明の流れにお付き合いください。

ここまで、「長期的意思決定 CVP分析より」を説明しました。

管理会計(基礎編)_長期的意思決定 CVP分析より
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