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富士重、2期連続ROE30%超へ 今期 円安で業績上振れも 来期、配当性向引き上げ

■ ROEが2期連続30%とは、、、

経営管理会計トピック
富士重の業績が快調です。記事では、株主還元の強化に取り組む方針が伝えられました。
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富士重工業の2015年3月期の自己資本利益率(ROE)は、2期連続で30%を超える公算が大きくなってきた。会社計画のROE見通しは20%台後半だが、足元の円安で業績の一段の上振れが濃厚なため。来期には自己資本比率が初めて50%を超える見通しで、配当性向の引き上げなど一段の株主配分強化にも取り組む方針だ。
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2014/11/29付 |日本経済新聞|朝刊
富士重、2期連続ROE30%超へ 今期 円安で業績上振れも 来期、配当性向引き上げ

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

今回は、いつものいちゃもん(自分でもそう思っていますよ)ではなく、素直に新聞記事を読んで、記事内容を強化するコメントをしていきたいと思います。


■ 配当性向とROEの相関関係

完成車メーカーは7社(日野自動車やダイハツなど、上場子会社は除く)と、トヨタ自動車を筆頭に、ひしめき合っている状態なので、競合比較をどうすればよいかを考える際に、手頃な題材となります。

今回、新聞記事には、配当性向とROEの散布図が掲載されていました。筆者なりに各社の有価証券報告書等から数字を引っ張って来て、掲載された表を再現してみました。
経営管理会計トピック_完成車メーカ_資本政策_数表 
経営管理会計トピック_完成車メーカ_資本政策_グラフ1

改めて、この図表を眺めてみると、「配当性向」と「ROE」はホンワカと負の相関がありそうです。

散布図を眺めるとき、右肩上がりだと「正の相関」、左肩上がりだと「負の相関」といって、縦軸の要素と横軸の要素の間に正比例または反比例の関係性を、図の提供者は視覚的に分析させたいのだと理解してください。
閑話休題。

さて、散布図に戻ると、高い配当性向の会社は、ROEが相対的に低くなります。
それは、「株主投資利回り:TRS(Total Returns to Shareholders)」という概念を考えれば、その相関関係が理解できます。株主から一定の投資魅力を維持するためには、2つの方法があります。

ひとつめは、ROEを高めて、高株価状態を作り出し、持ち株を売却すると多額の「キャピタルゲイン」が得られやすくする方法です。

ふたつめは、配当性向を高めて、「インカムゲイン」を多くする方法です。

TRSの概念からは、両者はトレードオフの関係です。だから「配当性向」と「ROE」は負の相関関係となります。

ここで注意なのですが、筆者があくまで「TRS」を「指標」と呼ばず「概念」と呼んだのには訳があります。それは、「キャピタルゲイン」は実際に持ち株を売却しなければ実現しない利益であること。売るためには株を過去に購入しておかなければならない。その保有期間は株主それぞれ違います。したがって、一律的にある会社のTRSが○○%とは言えないはずなのに、ものの本やマスメディアは堂々と具体的な数字が実(まこと)しやかに喧伝(けんでん)されています。まあ、世に出ている「指標」としての「TRS」の真贋は皆さんの方で吟味してみてください。


■ この散布図を強化する(自己資本比率を加えると)

新聞記事内では、富士重の資本政策として、「今期初めて、配当性向20~40%という株主配分政策を明示したが、自己資本比率50%までは内部留保を優先し、配当性向は下限の20%という方針だ」と高橋CFOの方針が記載されているので、新聞に掲載された図表に、「自己資本比率」の要素を加えて、もう一度、散布図を確認してみましょう。

経営管理会計トピック_完成車メーカ_資本政策_グラフ2

新聞記事でも記載がある通り、富士重のポジションは、競合他社に比べて相対的に右上なので、確かに増配余地があります。インカムゲイン狙い(によって株価上昇も)の投資家に好まれるポジションです。ただし、自己資本比率を50%目指すというのは、ちょっと慎重すぎるかもしれません。

(注:本ブログでは、特に必要が無い限り、株価には言及しませんし、特定の銘柄を推奨することもありません。富士重は既に株価が天井ならば、財務指標がよくても、短期的な売買で常に得をするとは限りません。その辺はプロの方の分析にお任せします)

日産は、ちょっと危なっかしいです。自己資本比率は、マツダと同レベルなので、自己資本充実のためには、社外流出(配当支払い)を押さえて、内部留保に回した方がよいのではないかという感じです。しかし、マツダと日産の配当性向は段違いですね。マツダの方が足元の収益性(ROE)が高いにもかかわらず。。。
日産は、トヨタ、ホンダの配当性向を意識しているのかもしれませんがものには限度が。。。

スズキは、高い自己資本比率のポジションにありながら、配当性向が下から2番目です。強い危機感があり、有事に備え、キャッシュを社内に留保する政策を採っているのでしょう。7社の中で、最もROEが低いので、さらなる開発投資やM&Aへの資金需要か、市場変動への備えを考えている様子が見て取れます。まあインド市場のことやGM、VWとの提携解消等、不安材料が。。。

最後に、統計の見方の注意です。ROEは、親会社説による純利益と自己資本から計算されています。自己資本比率はB/Sの純資産から新株予約権や少数株主持分が差し引かれた数字で計算されています。また、配当性向は、決算短信作成要領に従ったものを記載しています。ということで、三菱自動車の配当性向は種類株によって異なりますから注意してください。


■ (おまけ)販売台数と収益性の関係

以前の投稿(自動車、日本勢が快走 トヨタ、純利益首位を堅持 今年度上期、ホンダ・日産自も浮上 米韓勢は失速)で、1台当たり純利益指標を国内メーカーで比較すると興味深い、といっていました。ここで、その作図結果を披露します。

経営管理会計トピック_完成車メーカ_1台当たり純利益_日本_グラフ

やはり、ここでも富士重は、群を抜いて収益性が高くなっています。一番円が大きい(1台当たり純利益が大きい)ですからね。「集中と選択」という言葉がぴったりです。セグメンテーションでは、北米市場のSUVに特化し、技術では、トヨタのような全面展開フルラインナップ(HV、PHV、EV、FCV等)戦略ではなく、総花的でない、「EyeSight」をはじめとする衝突安全や運転支援システムに特化しているところが高い収益性の秘訣のようです。

ここでも、日産は、トヨタの背中を追っかけて規模の拡大に追随しましたが、ちょっと収益性がついてきていない様子が見て取れます。チャレンジャー戦略を採るか、フォロワー戦略に徹するかは、ゴーンCEOの戦略眼次第なのですが、今のところは上手く利益がついてきていないですね。

スズキは、軽自動車なので、1台当たりの利益が小さくて当たり前です。でも、軽の規格が税制的にも、TPP的にも、これまでの優遇がどんどん解消されていく方向にあるんですよね。スズキには向かい風が吹いています。頑張れ!

最後に、統計上仕方がないのですが、純利益で計算する以上、トヨタホームやホンダ、スズキの二輪車の損益も含まれてしまっています。また、ホンダの四輪車の台数の数え方は、形式的な連結決算ベースのものと、実質的な管理ベースのものの2種類あります。複数の新聞記事のデータを検証して、後者を採用しているようなので、上記グラフも実質的な管理ベースのものを使っています。

数字を見るときには、その背景の作られ方にまで、意識して頂ければと思います。
今回は、結局、数字やグラフ等を見るときの注意点ばかりのコメントになってしまいました。




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値決めのための原価管理

■ 「原価管理」という用語は大きい概念なので

管理会計(基礎編)
前回」は、「売上方程式」の説明をしました。今回は、「値決め」に貢献できる管理会計の技法として、「原価管理」を説明します。ただし、管理会計において、「原価管理」という用語の意味は大変幅が広いので、ここでは、あくまで「値決めのための」という形容詞付きの「原価管理」のお話をします。断りを入れずに安易に「原価管理」という用語を使用すると、その筋の大家から叱られますので。。。

筆者が意図する「値決めのための原価管理」とは、
① コスト見積り(事前)
② 原価統制(事中)
③ 価格改定(事後)
の3つから構成されます。

① コスト見積り
「前々回」に説明した通り、将来販売する商品(サービス)の売値を「かかったコスト+マージン」で決める際には、「かかったコスト」を明らかにする必要があります。これから販売する商品(サービス)のコストはまだ実際に発生していないので「かかった」というより、「いくらかかるか」の見積もりをしてみる、という姿勢になります。

② 原価統制
そして、いったん売値を決めて、想定マージン(利益率)も決めたら、コストが見積通りになっているか、常に監視し、見積りからかい離しそうになったら、手を打つようにします。

③ 価格改定
販売(製造または仕入)している途中で、マーケットの状況が変化したり、経済環境(為替など)が流動的になったり、当初の見積通りに想定利益が上がらないことが判明するケースが発生することもあるかもしれません。その場合は、変動要因を考慮して、コスト等を再計算し、必要に応じて販売価格を改定することもあるかもしれません。


■ コスト見積り

ここでは、きわめて一般的なコスト見積りのプロセスを説明します。全ての要素を網羅した説明にしたいので、製造業を例にとらせて頂きます。
管理会計(基礎編)_コスト見積りプロセス 
「材料費」や「労務費」は、直接費として、製品1個あたりの製造にかかるコストとして積み上げるので、販売や生産数量が増減しても、「1個当たりコスト×数量」を計算してあげれば、話は済むので、いったん1単位当たりコスト見積りが終われば、コストプラス型の値決めには左程影響しません。問題は、総投資額を想定販売数量で除算して割り出す「製造間接費」の製品1単位あたりの負担額です。というのは、総設備投資額を300,000円と決めたは良いのですが、想定販売(生産)数量が当初の1000個から600個に見込が狂った場合は、

300,000円 ÷ 600個 = @500円/個


となり、製品1個(単位)が負担すべき製造間接費が変動してしまうところが難点です。
さらに、生涯生産数量が1000個→600個になったら、当初見込んでいたライン補修費にも見直しが入り、300,000円→240,000円となるかもしれません。

そうすると、総てが再計算対象となり、

240,000円 ÷ 600個 = @400円/個


となります。

まあ、ここは従前通り、@300円/個で調整がついたとしておきましょう。

すると、製品1単位当たりの見積原価は次のように表すことができます。

管理会計(基礎編)_見積原価カード 
  • 直接材料費は、製品1単位が使う材料を計算して、その材料1単位分の価格から求めます
  • 直接労務費は、製品1単位を作るためにかかる時間を計算して、その時給から求めます
  • 製造間接費は、総投資額を年間製造数量で除算して、製品1単位のコストを求めます


■ 売価設定

ちょっと余技で、コストプラス型の時の、売価設定方式の代表的な流儀をご紹介します。

① 粗利率(値入率)
前章で求めた、@600円/個の製品の粗利率(値入率)を40%にした売価を求める場合は、

@600円/個 ÷ (100% - 40%) = @1,000円/個


「値入れ」とは、原価に「いくらのマージン(利幅)を乗せて売価を決めるか」を意味しています。「値入率」とは、売価に対する値入高の割合を指し、値入高を売価で割った数字を百分率で表します。

② 利掛け率
前章で求めた、@600円/個の製品に、@400円/個の利益を乗せた売価を求める場合、

利掛け率 = 値入額 ÷ 原価 = @400円/個 ÷ @600円/個 = 66.7%

@600円/個 × (100% + 66.7%) = @1,000円/個


「利掛け」とは、原価に「いくらの値入れを乗せるか」を意味しています。「利掛け率」とは、原価に対する値入高の割合を指し、値入高を原価で割った数字を百分率で表します。


■ 原価統制

見積原価から売価を設定した製品を販売(生産)中に、思わぬところで、従前に決めておいた「見積原価カード」に狂いが生じてしまうことがあります。

例えば、仕入材料の入荷を頼んでいた業者の都合で、想定数通りの材料が支給されなかった場合、割高でも仕方なく新規の業者から材料を供給してもらったり、新製品の加工に手間がかかり、作業時間が見込みよりかかったりするかもしれません。

そうした製品1単位あたりの原価を見積りからかい離しないようにあの手この手を尽くすことが「原価統制」です。

ただし、生産現場がどんなに頑張ってもどうしようもない要因が存在します。それは、「不稼働費」「操業不足」というやつです。前章において、製造間接費の見積もりの所で触れたのですが、年間100個という販売(生産)数量の見込が外れて、実際は50個しか製造販売しなかった場合、「見積原価カード」にしたがうと、

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売上:@1000円 × 50個 = 50,000円
原価:30,000円
 直接材料費:@100円/個 × 50個 = 5,000円
 直接労務費:@200円/個 × 50個 = 10,000円
 製造間接費:@300円/個 × 50個 = 15,000円
利益:20,000円(利益率:40%)         
------------------------------------

となります。しかし、年間100個だけ製造販売することを前提として計算されている「製造間接費」は、30,000円/年だけ発生することが不可避です。上記の計算では、半額の15,000円しか発生していないように見かけ上なってしまいます。
(本シリーズのCVP分析のくだりで説明した「固定費」というやつです)

コストプラス型プライシングの難点は、実際の販売(生産)数量の予期せぬ変動により、前提としていた原価(大抵は固定費)が暴れてしまうことです。

本当の利益は下記のようになります。

------------------------------------
売上:@1000円 × 50個 = 50,000円
原価:45,000円
 直接材料費:@100円/個 × 50個 = 5,000円
 直接労務費:@200円/個 × 50個 = 10,000円
 製造間接費:@300円/個 × 50個 = 15,000円
 製造間接費(不稼働分):15,000円
利益:5,000円(利益率:10%)
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■ 価格改定

見積原価が変動することで、価格改定が起きるパターンはいろいろあるのですが、筆者の実務経験から、下記のような分類をさせて頂きます。

① 見積原価カード(直接費単価)の変更
② 生産数量の変動(製造間接費の負担額の見直し)
③ 為替変動

① 見積原価カード(直接費単価)の変更
原油価格の高騰(本記事記述時点では3年ぶりの安値ですが)により、材料費単価が50%上昇した場合、「見積原価カード」を修正します。ただし、生産現場も頑張って型取りを工夫して消費数量を1Kg節約することに成功したので、

直接材料費:@30円/Kg × 4Kg = @120円/個


となります。

② 生産数量の変動(製造間接費の負担額の見直し)
需要予測の見誤りを訂正し、年間100個の販売見込みを50個に修正しました。

年間の製造間接費の発生総額は、30,000円なので、

30,000円 ÷ 50個 = 600円/個


「見積原価カード」は、

製造間接費:@600円/個 × 1個 = @600円/個

となります。

③ 為替変動
実は、この会社は、この商品を全量海外に輸出していました。輸出とエンドユーザへの販売は全て米ドル建てでした。5%の円高(この記事を書いている足元では円安なのですが)となり、従前の販売価格では、競合に売り負けてしまうことが市場調査から判明しました。

仕方なく、売価:1,000円/個を5%切り下げて、950円/個とすることにしました。
5%為替が変動(円高)するということは、値入額がそのままとすると、コストが5%分自然に増加するので、つられて販売価格がそのまま5%増しになるのです。今回はその分売価で吸収という考え方です。

上記①から③までを全て考慮した場合の、この商品の損益は下記のようになります。

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売上:@950円 × 50個 = 47,500円
原価:46,000円
 直接材料費:@120円/個 × 50個 = 6,000円
 直接労務費:@200円/個 × 50個 = 10,000円
 製造間接費:@600円/個 × 50個 = 30,000円
利益:1,500円(利益率:3%)
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今回の価格改定は、売り手企業に不利な結果となりましたが、この記事を書いている時点では、原油安と円安の状況が続いています。そうすると、現実は、上記の価格改定のケースの逆方向になっているハズです。ということは、最近の企業業績の回復(輸出主導型の製造業が中心のやつですが)はどこに要因があるか、賢明な読者の方ならお分かりになるでしょう。

ここまで、「値決めのための原価管理」の説明をしました。
管理会計(基礎編)_値決めのための原価管理



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売上方程式

■ 「売上方程式」のなぜ?なに?

管理会計(基礎編)
前回」は、「値決め」の考え方の類型化と、それぞれに適合する管理会計的手法(ツール)のお話をしました。今回は、その手法のひとつである「売上方程式」の説明をします。

「売上方程式」とは、別名「レベニュードライバー」とも呼び、その会社がどういう風に収益を得ているか、販売戦略に沿って解析しようとするものです。「売上方程式」は、顧客から貴重な代金を頂戴するロジックを表しているものです。と同時に、その会社が顧客(マーケット)をどのように見ているかの写し鏡ともなっています。

売上を増やしたい場合、売上がどういう構成要素に分解され、それぞれの構成要素ごとに売上増加の施策が考えられます。その的確な施策の立案と実行ができる単位にまで方程式を因数分解していきます。


■ 「売上方程式」の基本形

以下に、売上方程式の基本式を示します。

売上 = 単価 × 数量


まず、売上を増やしたければ、販売単価を上げる(値上げ)をすればよい、というのが、右辺の第1項が示しています。次に、販売数量を増やせば売上が増えると考えるのが、右辺の第2項が示すところです。

実務では、両者のコンビネーションについて想像を巡らす場合が多いです。
例えば、「数量」を伸ばしたいので、「値引き」をするという販売施策があるとします。売上方程式の「単価」は減少するのですが、その減少を補って余る以上の増数効果がある場合は、トータルで売上が増えます。いわゆる価格弾力性が1以上であることが値引き施策が増収につながる条件となります。


■ 「売上方程式」の設定パターン

一応、筆者もコンサルタントなので、いわゆる類型化をして説明することがもはやコンサルの習性として身に染みています。実務での「売上方程式」の設定パターンを次に説明します。

① かけ算方式
販売施策ごとに、乗算していくと、全社の売上になるように仕組まれた式を作成します。
例えば、マーケット規模の自体拡大とそのマーケット内でのシェア拡大の2つが主な販売施策の会社ならば、

売上(円) = 市場規模(円) × 自社のシェア(%)
10,000円 = 200,000円 × 5%


という感じになります。  
マーケット規模の拡大は、業界団体を上げての認知活動(○○展示会の実施等)に広告宣伝費をかけ、シェア拡大には、ターゲット顧客への特別割引キャンペーンを仕掛けるなどの販売施策が考えられます。

② 足し算方式
販売施策または提供商品(サービス)を足していくと、全社の売上になるように仕組まれた式を作成します。

販売施策の場合は、

売上 = チラシ広告による集客売上 + ネット注文による売上 + 一般店頭売上


提供商品(サービス)の場合は、

売上 = 米国市場でのセダンの売上 + 日本市場でのトラックの売上


という感じになります。
足し算なので、それぞれの構成要素別に予算(販売目標)を立てて、ガッツリとノルマ管理するのに適しています。

③ KPI方式
大事にしている販売施策上の管理指標単位の売上高を分析できるような式を作成します。
例として、1店舗当たりの1日の売上(日販(にっぱん))を重要管理項目としている場合、

X店の売上(日販) = X店の3ヵ月移動売上(月次) ÷ 営業日(月次)


という感じです。

2014/11/27付 |日本経済新聞|朝刊
ローソン変われるか(中)埋めたい「日販12万円の差」 対セブン商品力磨く

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

上記の新聞記事の内容を引用すると、

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 「日販の差12万円」――。ローソンの大きな課題が、コンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン・ジャパンとの売り上げの差だ。2013年度の1日1店当たりの平均売上高(日販)はセブンの66万4千円に対して、ローソンは54万2千円。商品力の差をどう埋めるのかが、本丸のコンビニ生き残りに向けたカギとなる。
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とあり、店舗の魅力向上のため、商品力をどうにかしたい、その商品施策の出来不出来を日販で評価・管理するというコンビニ業界の実例になります。


■ 「売上方程式」の事例紹介

せっかくなので、筆者の手元にある例をご紹介したいと思います。常日頃から、新聞記事や各社の決算報告資料から、その会社や業界が大事にしている「売上方程式」情報が採取できるよう努力しています。筆者も、コンサルテーション実務の中や、新聞などのマスメディア、各社のIR情報からストックを増やしています。

① かけ算方式 で 消費財
管理会計(基礎編)_売上方程式_消費財 
上記の表中の丸にばってんのマークはここで「かけ算」をすることを意味しています。
BtoCの典型例を図にしてみました。


② 足し算方式 で 生産財(産業財)
管理会計(基礎編)_売上方程式_生産財 
既存顧客からの売上と新規顧客からの売上にまず分けます。それぞれの因数分解のされ方を見て頂けるとお分かりでしょうが、既存顧客と新規顧客の攻め方が違いますので、それぞれの攻め方が有効だったかどうかを確認するために、違う方程式を使いたいため、最初に分けるのです。ちなみに、図中の丸に十字は、ここで「足し算」をすることを意味しています。
BtoBの典型例を図にしてみました。

最後はちょっと視点が違って、業界ごとに代表的な「売上方程式」を抜粋したものを下記に示します。

管理会計(基礎編)_売上方程式_業界別 
かけ算方式、足し算方式、KPI方式、といろいろバリエーションがあることを感じてもらえればと思います。

ただし、いろいろあるなぁ~、と眺めているだけでは能がありません。なぜ、この業界はこの売上方程式を使っているのか、それぞれ各社の背後にある販売施策について想像を巡らせていただければと思います。

ここまで、「売上方程式」の説明をしました。
管理会計(基礎編)_売上方程式


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値決めと管理会計

■ 「値決め」こそ「経営」なり

管理会計(基礎編)
前回」まで、「意思決定会計」の分野の説明をしてきました。今回からは、厳密には「意思決定会計」に含まれるのですが、特に重要と筆者が考えたため、別出しした「値決め」について説明を始めていきたいと思います。筆者の頭の中にある管理会計の領域整理を再掲します。

管理会計(基礎編)_管理会計領域3

筆者の敬愛する経営者の一人、京セラ名誉会長の稲盛和夫氏の言葉に、「『値決め』こそ『経営』なり」というものがあります。自社の愛する製品・サービスの値段をいくらにして、大切なお客様に提供するか、会社経営にとって最重要課題のひとつではないでしょうか?

そこで、まず「値決め」に「管理会計(的思考とそのツール)」がどこまでお手伝いすることができるか、説明する前に、そもそもマーケティング学の分野にて、どのように「値決め= Pricing」をするように定義されているのか、マーケティング学における知恵を、おさらいしてみたいと思います。
フィリップ・コトラー先生的には、なにせ「4P」筆頭の「Price」ですから、、、


■ マーケティングにおけるPricingの方法

マーケティングの大家の教科書は世にいくつも出回っているので、あくまで下表は、管理会計との関連での整理にすぎませんので、その点ご了承ください。

管理会計(基礎編)_プライシングの類型 

1.競争的プライシング
これは、筆者の経験値にすぎないのですが、マーケティング部門の方が、これらの手法をお使いの際に、十分な計数データが管理会計部門から提供されているケースは稀であるような皮膚感覚を持っています。

例えば、「スキミングプライシング」を採るときには、早期に回収すべきとしている「先行投資額」はどのように定義するのでしょうか?どのステージの研究開発費から算入すべきなのでしょうか?量産工場のライン新設費用は含めるのでしょうが、ラインの補修費用は回収対象からは除くのでしょうか?

また、「ペネトレーションプライシング」の場合には、製造(または販売)コストぎりぎりまで価格を下げる必要がありますが、将来販売する商品の製造コストや販売コストが予め分かっていることは極めて稀です。量産中に、経験曲線効果が出て、製造コストが当初見積もりより低減する分はどう考慮しましょうか?

別に、言いがかりをつけているのではなく、筆者の実務経験から、マーケティング部門と管理会計部門とはもっと密接なコミュニケーションが必要と言いたいだけでした。

2.コストプラス型プライシング
このタイプのプライシングの難点は、次の2つです。
まずひとつ目が、「あるべき想定マージン」はどうやって計算されるのでしょうか?例えば、中期事業戦略で社内外に約束したROEを達成するため、新規投入製品の利益率が○○%ないといけない、等とストーリーを描いて設定されることはありがちですが、その場合は中計期間中に一体何個販売されるのか、販売数量次第で利益額が変動してしまうので、マージン率自体を軽軽に設定することは困難なケースが多いと思われます。

また、コストの方ですが、回収すべきコストの範囲が常に議論の的になります。本社管理費用は除外しますか?全社基礎研究費用は除外しますか?そうすると、自ずと営業利益ベースではなく、売上総利益ベースの議論になります。そうなると、次は、製造固定費は想定しますか?生産及び販売数量次第で製品単位当たりの固定費負担額は如何様にも変動しますので、予め、回収すべき製品単位当たり固定費を算定することは至難の業です。

3.バリュープライシング
最近一番流行っている(と思われて、コンサルティングサービスでも引き合いが多い)やり方です。バリューエンジニアリング(VE)で、製品をバラバラにして、ひとつひとつの構成要素がどれくらい顧客に使用価値や所有価値をもたらしているのかを分析し、その価値に見合った価格を付けようとするものです。ブランド品の宝飾品・皮革品は、ロゴと値段そのものが所有価値を生み出しますし、電動ドリルはユーザの思い通りの穴をあけることに使用価値があるのでしたね(レビット先生の有名な言葉なので、ご存じない方は「レビット ドリル」でググってみてください)。

ちょっと、コンサル的に、価格と価値のマトリックスを作成してみましたのでここで披露しておきます。
管理会計(基礎編)_バリュープライシングの例

実は、ここまで来ると、バリュープライシングの規(のり)を超えて、「1.競争的プライシング」に抵触してしまいかねません。それでもあえてこの表を出したのは意図があって。。。何が言いたいのかというと、上記の分類はあくまで頭の整理のためのものであって、現場現実は常にその組み合わせと応用が行われているということ。コンサルがさも全知全能のようにあるフレームワークを示したとしても、実際はそんな教科書通りには進みません。賢明な皆さんは、自分の頭で考えることを決してやめないでください。


■ 管理会計のツールのお役立ち度

では、「値決め」に対して、「管理会計」がどこまでお手伝いできるのか、管理会計ツールを類型化したものを下図のように示します。

管理会計(基礎編)_値決めする際に使う管理会計ツール

まず、「収益(売上)」のみを計数分析対象とするか、「コスト」まで考慮するかで大別されます。「コスト」を考慮する場合には、1年に1回来る決算上の「会計的利益=期間損益」ベースで損得を考える場合と、値決めをしたい対象の商品・サービスの生涯獲得収益と生涯必要コストの総計で損得を考える場合にさらに細かく分類できます。

1.売上方程式
どういった販売要素(チャネル、顧客セグメンテーション、価格、販売形態等)で収益が上がっているか、要素ごとにキチンと数字で分析し、次の販売機会の値決めに反映しようとするものです。

2.原価管理
販売前は、想定コストを積み上げて、コストプラス型プライシング的に、販売価格を割出します。販売後(量産開始後)は従前の想定コストが思惑通りになるようにコントロール(原価統制)を行います。

3.ライフサイクルコスティング
広義な意味で使用し、「原価企画:構想・設計段階にて総コスト(製造・販売)を作り込むこと」を含めた概念として扱います。製品ライフサイクル(企画・設計・量産・収束・廃棄)にわたって、総ての収益とコストを集計して採算を見るものです。例えば、原発の場合だと、建設前に廃炉費用も全て考慮するということです。

あくまで親和性の高い組み合わせという意味では、
「1.競争的プライシング」には、「売上方程式」と「ライフサイクルコスティング」、
「2.コストプラス型プライシング」には、「原価管理」、
「3.バリュープライシング」には、「原価企画」
となりますでしょうか。

「次回」以降、「売上方程式」から順に内容を紹介していきたいと思います。

ここまで、「値決めと管理会計」の説明をしました。
管理会計(基礎編)_値決めと管理会計


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株主資本等変動計算書を斬る

■ S/Sの構造と他F/Sとの相関関係

会計(基礎編)
前回」まで、「包括利益計算書(C/I)」の説明をしてきました。今回は「○○を斬る」シリーズの最終回として、「株主資本等変動計算書(S/S)」の内容を見ていきます。

まず、S/Sは、B/Sの「純資産」の前期と今期の差分の内訳を記載したものになります。

会計(基礎編)_株主資本等変動計算書とBSの関係

名称の「株主資本等」の『株主資本』と『等』が気になると思います。そこで、その内訳を下記に示します。
会計(基礎編)_株主資本等変動計算書の内容 

●株主資本
株主としての財産額を表しています。もし、この瞬間会社を解散して、会社が持っている財産を山分けする場合の金額(あくまで会計帳簿に乗っている金額ベースですが)を意味しています。

① 資本金
そもそもの、株主から会社設立のために、根本となる出資額を意味しています。株主総会という株主が集まる会議で、その金額を減らしたり増やしたりすることが話し合われます。

② 資本剰余金
「資本取引」から生じる金額と説明されても、いまいちピンとこないと思います。株主から出資してもらったお金の一部を資本金にしないで、もしもの時に、資本金より取り崩しやすいように名称を変えて保有しておく金額とか、増資(新株発行)や会社組織変更により株主の出資金額の修正値を放り込んでおいたりする器として用意されています。

③ 利益剰余金
簡単に言うと、P/Lで計算された純利益から、配当金として株主に配った残りを放り込んでおく器として用意されているものです。P/Lで計算された「儲け」が積み上がったものを意味するので、「損益取引」に起因する会社財産という意味になります。

④ 自己株式
会社が自社の株式を購入した分なので、いつもマイナス表示になっています。普通は、会社の外の人(投資家=株主)からお金をもらって資本金が増えるところ、会社自身が持っている現金で自社の株を買うので、資本金がその分減ってしまいます。そこで、資本金のマイナスとして表示されます。株式市場に流通している株券を自社で買って、金庫にしまっておくというイメージから「金庫株」とも呼ばれます。

●その他の包括利益累計額
「包括利益計算書」で計算された「その他の包括利益」のその瞬間の累計残高を意味しています。

●新株予約権
極言すると、将来株式を新規に発行する時に、株券を購入できる権利として手付金を前払いした金額になります。まだ、当社の株主になっていませんが、その会社に手付金を払っているので、将来の株主から預かっているお金として、株主資本とは別で管理します。

●少数株主持分
親会社以外の株主から出資された金額に、出資後に会社が儲けた利益で配当されていない分を足した金額を意味しています。

「新株予約権」や「少数株主持分」は、厳格に、銀行からの融資金額とは異なります。とはいえ、純粋に今現在の会社を支配している株主から出資された金額(株主資本)とも違います。はっきりと「負債」といえないものは全てごった煮にして、「純資産」と呼んで放り込むことにしました。


■ S/Sの表示形式の留意点

実は、S/Sには定型フォームが会計基準ごとにことなり、同じ会計基準でも複数の表示方法が選択できるようになっています。したがって、有価証券報告書で各社のS/Sを見てみると、いろんなフォームのものにお目にかかることができます。

下記に、きわめて初心者に分かりやすくデフォルメしたフォームを紹介します。

会計(基礎編)_株主資本等変動計算書_フォーム

縦は、今年の最初の残高、今年の変動内容、今年の最後の残高の順番に並んでいます。
横は、純資産の項目ごとに並んでいます。
この例では、株主資本は細かくなっていますが、実務では、その他の包括利益累計額も、C/Iの表示単位である細分類ごとになっているケースが多いです。

このデフォルメ表で、他のF/Sとの数字の突合せ方法を簡単にまとめます。

期首残高と期末残高は、該当項目がB/Sの昨年と今年の「純資産」に記載されています。大概のB/Sは昨年と今年の数字が左右に並んでいるので、見つけやすいです。

当期変動額の「配当金」はキャッシュフロー計算書の「財務キャッシュフロー」に該当の項目があります。ただし、本当に現金を株主に払っているかで多少金額が変わっているケースもあります。

当期変動額の「当期純利益」はP/Lの下の方に同額が記載されています。

今回一番の山場なのですが、当期変動額の「その他の変動額」の内、「包括利益」に関する部分は、「包括利益計算書」に該当の金額が見つけられるか、実は微妙です。というのも、日本基準とIFRSでは、「その他の包括利益」が「少数株主にかかわるもの」「持分法にかかわるもの」が別表示になっていたり、混入していたりするので、「包括利益計算書」をいくら眺めていても、S/Sと同じ金額を探すのが非常に困難だからです。

米国会計基準の場合、S/Sのその他包括利益累計額(の当期変動分)の非支配株主持分も合算した「経済的単一体説」の数字が、「包括利益計算書」にそのまま記載してあるので、お互いの数字のリンクを検証することができます。アメリカ人は不透明さを徹底的に嫌いますので、その性質がここにも出ています。


■ 実例をお見せします

論点は、前章で全て言及しましたので、ここでは、3つの会計基準によるS/Sの実例をご紹介するに留めたいと思います。

●日本基準
会計(基礎編)_株主資本等変動計算書_日産自動車

●米国基準
会計(基礎編)_株主資本等変動計算書_トヨタ自動車

●IFRS
会計(基礎編)_株主資本等変動計算書_JT

IFRSでは、積極的に「株主資本」の定義がなされていません。それは、「新株予約権」を合算して親会社持分が定義してあるからです。フォーム名称も「持分変動計算書」となっていますから。もうひとつの特徴は、「その他の包括利益」と「当期純利益」の振替額が「85億円」ときちんと定義してあることです。前回、包括利益計算書の説明の際、IFRSでは、その他の包括利益の区分に、「後で純利益に振り替えられるか否か」というものがあるお話をしました。この85億円は、損益取引として認識され、当期純利益に計上され、結果として利益剰余金に足し込まれた分です。


もしよろしければ、ひとつひとつの数字を、B/S、P/L、C/Iと照らし合わせてみてください。トヨタ自動車(米国基準)のS/Sしか、他のF/Sと数字が一致しないと思います。

ここまで、「株主資本等変動計算書を斬る」の説明をしました。
会計(基礎編)_株主資本等変動計算書を斬る 

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(目覚める資本 運用立国への道 関係者に聞く(下))年金が安定保有の中核に コリン・メイヤー氏 英オックスフォード大学教授

■ これまでの最近の投稿記事のまとめ

経営管理会計トピック
日経新聞の連載企画で、「目覚める資本 運用立国への道-関係者に聞く」の中に、コリン・メイヤー氏(英オックスフォード大学教授)のインタビュー記事内の記述に、最近の筆者の投稿記事との関連する点がいくつかあったので、最近の筆者の投稿のまとめとして今回取り上げました。

氏のインタビューは、「銀行との株式の持ち合いが解消され、経営が市場の圧力にさらされるようになるなど、良い方向に動いている。事業会社との持ち合いは残るが、深刻な弊害をもたらすほど過剰な状態というわけではない」との日本の株式市場への評価から始まっています。

2014/11/21付 |日本経済新聞|朝刊
(目覚める資本 運用立国への道 関係者に聞く(下))年金が安定保有の中核に コリン・メイヤー氏 英オックスフォード大学教授

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

投稿記事のまとめは、
① 安定株主づくり
② 種類株(多議決権株式)
について振り返りたいと思います。


■ 安定株主づくり

筆者は、経営者が経営の本道を忘れて、安定株主対策に走ることは一投資家として歓迎していません。ただし、経営の安定のために、投資家(株主)に中長期的な事業プランに関する積極的対話は必要だと考えます。事業プランに賛同する出資者が居て、それを実行する経営者が居る、中長期的な経営目標の達成までの途上の業績変動でいちいち騒ぎ立てない、それは重要なことだと考えます。

さて、メイヤー氏に英国の株式市場での問題点を聞くと、下記のような回答がありました。
「株式所有が細かく分散しすぎたため、長期の安定株主がいなくなった。各投資家が短期間の運用成績を向上させようと企業に様々な圧力をかけ、経営者が振り回されている。長期と短期のバランスが崩れている。日本はそうならないように注意が必要だ」

この点については、「老舗企業も株主優待 コマツとリコー、上場66年で初導入 個人の長期保有促す」でも触れましたが、寧ろ、株主優待制度で「個人株主」を増やすのではなく、丁寧なIR活動を通じて、機関投資家に中長期的に株式を保有してもらうようにすることが本道だと主張させて頂きましたので、氏と全く同感です。

個人投資家の動員戦略については、他にも課題があります。

今度は機関投資家の方の問題なのですが、毎月分配型の投資信託商品で個人投資家(おそらくメインターゲットは高齢者)から資金を収集しようとする「朝三暮四」よりたちが悪い方法での集金の問題については、「投信成績分かりやすく 通算損益を通知・報告書に簡易版」で説明させて頂きました。

一方で、企業側にも、過大な株主分配により、株価上昇と見かけのROE向上を演出しようとする個社が、このところの好調な業績を背景に複数登場してきました。

直近ですと、下記のような記事を参考にしてください。

2014/11/21付 |日本経済新聞|朝刊
利益の大半、株主配分 カシオ9割、アマダ全額 上場企業全体で10兆円




■ 種類株の活用

種類株(多議決権株式)については、「風速計 ベンチャー上場 もろ刃の種類株」でコメントさせて頂きました。どの企業に投資するかは、投資家の自由。種類株発行企業でも、自身の株主権の権限をきちんと見極めて、自己の経済的便益が最大になるような投資をすればよい、というような趣旨の発言をさせて頂きました。

メイヤー氏の提言では、安定株主づくりのために、長期の投資家により多くの議決権を与える種類株の付与を主張されています。

ちょっとこれだけの記述では実際の運用がどれくらいかわからないので、氏の近著「ファーム・コミットメント」を読んでください、ということになるのでしょうか?(うーん、3,024円、、、)

他に参照したサイトによると、「デュアル・クラス・シェアーズ(dual class shares)」として、フランスのダノンやカルフール、英蘭ユニリーバ、デンマークのカールスバーグなどで成功をおさめた方法とのこと。

でも、長期保有株主に特別配当で長期保有にインセンティブを与える方法と、長期保有株主に、株主総会での取締役の選任・解任を含む普通株より大きい議決権を与える方法と、日本の株式市場においては、どっちが長期保有してもらえそうな選択肢となりますでしょうか?

おそらく、より経済的リターンを欲する投資家は前者、より経営へのコミットメントを重視する投資家は後者に惹かれることでしょう。

技術的には、種類株式を発行すると同時に、自社株買いをして、普通株による自社株を消却で、一株当たり利益の希薄化を防ぐことになると思いますが、「JPX日経インデックス400」に選ばれなかったからといって、配当性向を100%にする、という蛮行(おっと失礼、機動的な配当施策)をやってしまう日本企業に、このような洗練された手法が使いこなせましょうか?

なにせ、英国は、東インド会社に始まる400年以上にわたる株式会社の歴史を持つお国柄。成熟度が日本と全然違います。英国に株式会社誕生したころ、まだ日本は関ヶ原の戦い(1600年:慶長5年)をやっていましたから。。。







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自動車、日本勢が快走 トヨタ、純利益首位を堅持 今年度上期、ホンダ・日産自も浮上 米韓勢は失速

■ 上期、世界純利益ランキングが出ました

経営管理会計トピック
今年度上期決算データを使って、完成車メーカーの世界純利益ランキング記事が掲載されました。

「世界の自動車大手で日本勢が快走している。2014年度上期の純利益を比較したところ、トヨタ自動車が首位を堅持、ホンダと日産自動車も順位を上げた。国内で消費増税の逆風は吹くが、好調な北米市場や円安を味方に付けたうえ、原価低減策も引き続き効果を発揮している。米国や韓国勢が失速するなか、日本勢の好調ぶりが目立ってきた」

記事では、上記のように、日本勢の躍進の様子が記述されています。

2014/11/21付 |日本経済新聞|朝刊
自動車、日本勢が快走 トヨタ、純利益首位を堅持 今年度上期、ホンダ・日産自も浮上 米韓勢は失速

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

「米調査会社ファクトセットのデータを使い、14年度の上期(日本企業は14年4~9月期、海外企業は1~6月期)の純利益を比較した」

上記のように、3ヵ月の期ズレはありますが、一応世界ランキングが出ましたので、ちょっとグラフ化して眺めてみようと思います。


■ 分かりにくい時は可視化する

まずは、新聞に掲載されていたランキングを一部省略して転載します。

 経営管理会計トピック_上期自動車販売と純利益_ランキング

数字の根拠を確認するのが他人の作成したデータを分析する際の礼儀だと思っているため、一応今回も最低限確認しました。ランキングの中の「純利益」は国に依らず、「親会社説」に伴う「純利益」でした。日本流に言うと、一律、「少数株主利益」が控除されています。まず利益の定義のばらつきはありません。次に、為替レートですが、14年6月末日を採用していました。こちらは計算の簡便化のため仕方がないでしょう。

では分析に移ります。
業界の専門家や、計数分析のプロならば、この表だけを見て、あれこれコメントすることはできるのでしょう。しかし、筆者のような愚鈍者には、このままでは何の直観も働きません。そこで、いつもの通り、多分こういうストーリーかなあと仮説をもって、このランキング表をグラフ化したいと思います。

その仮説とは、「自動車産業は規模の利益が効き、販売台数に比例して収益性が高まる」というものです。縦軸に「純利益」、横軸に「販売台数」をプロットします。そうすると、仮説通りだと、右肩上がりの散布図が完成するはずです。そして、円の大きさ(1台当たり純利益)も、右上に行くほど大きくなる、と思っていました。。。

そして作成されたのが下記グラフです。

経営管理会計トピック_上期自動車販売と純利益_グラフ

結論から言うと、仮説はものの見事に外れてしまいました。


■ 1台当たり純利益指標が意味するもの

まず、世界販売上位10社は大きく3グループに分類されそうです。

① 世界シェアを追い、コストダウンも追及するメガプレイヤー
トヨタ、VW(独)がこのグループです。規模の拡大のため、生産能力への設備投資を積極的に行い、合わせて、車台の共通化や生産性の向上など、コストダウン(カイゼン)にも余念がなく、高収益がもたらされています。トヨタとVW(独)の1台当たり利益の差異は、円安とレクサスに代表される高級車シェア増大効果によるものだと思われます。

② 規模の拡大を追わず、高級車の独自市場を守るわが道を行くプレイヤー
BMW(独)、ダイムラー(独)がこのグループです。いずれも、1台当たり純利益がTOP2位に入っており、100万台クラスの生産規模ながら、後述の第3グループのいずれの企業より大きい純利益を稼いでいます。会社としても1台当たりの高収益性も、無理な過剰投資はしない、ブランドと独自マーケティングの展開で、自社市場を守っている戦略の賜物です。

③ 規模の拡大競争に収益性が追い付いていないプレイヤー
ホンダ、現代自(韓)、日産自、上海汽車(中)、フォード(米)、GM(米)がこのグループです。よくグラフをご覧頂くと、販売台数が増えれば増えるほど、会社の純利益額も1台当たりの純利益額も減少していっていることが分かります。メガプレイヤーとしてのトヨタ、VW(独)とのシェア拡大競争に乗って、設備投資やラインナップ充実、新興国進出、新技術車(EV、PHV等)の投入、各種ITCへの先行投資等、元々規模の大きいところと真っ向勝負を挑んで、体力を消耗していることが分かると思います。

ホンダ、現代自(韓)のポジションから、GM(米)のポジションまで、目には見えない隠されたルートがぼんやりと見えませんか?

最後に、1台当たりの純利益指標ということは、税制や為替の違い、金融販売事業の優劣、設備投資のタイミング、自動車セグメント以外への投資等、会社の総合的な収益性を販売台数で除算しているため、会社の総合力を販売台数あたりで示していることになります。

こういう指標は、完成車の製造販売メーカーとして、車の売り切りビジネス時代は有効でしたが、これからは自動走行システムそのもの、燃料電池車の運用インフラの運営等も、事業領域に組み込まれていくはずですので、徐々に、この種の指標では見えて無いものが増えていくのでしょう。

実は、ここにマツダや富士重が加わるとまた違った業界地平線がみえるのですが、それは新聞記事の分析を超えるので機会が別途あった時にご紹介したいと思います。





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(ビジネスTODAY)ノジマ、飽和スマホに賭け 携帯販売のITXを850億円で買収、接客術で開拓

■ 携帯電話販売事業の拡大

経営管理会計トピック
家電量販店のノジマが、携帯電話販売の中堅ITXをLBO(Leveraged Buy-Out)で買収するとの記事がありました。

「首都圏地盤の家電量販店大手、ノジマは18日、携帯電話販売5位のアイ・ティー・エックス(ITX、東京・港、荻原正也社長)を買収すると正式発表した。ノジマは携帯電話販売で現在の10位前後から3位に浮上する。850億円という年間売り上げの半分弱に相当する投資に踏み切り、自社を上回る規模の企業を手に入れる。スマートフォン(スマホ)など飽和感の強い国内の携帯電話市場で成長していくことができるか」

2014/11/19付 |日本経済新聞|朝刊
(ビジネスTODAY)ノジマ、飽和スマホに賭け 携帯販売のITXを850億円で買収、接客術で開拓

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

新聞記事では、ノジマの財務体質の悪化への懸念が強調されていましたが、LBOを採用なので、極言すると、ノジマ本体の財務にはほとんど影響しないと考えることもできます。

そこで、本稿では、まずノジマの事業戦略の狙いをおさらいして、この買収の損得を考えていきたいと思います。


■ 教科書的には「ニッチャー」の戦略を採用

ノジマは、簡単に言うと、家電量販店市場で切磋琢磨していると考えます(経営者的には、第三者に勝手に自社をある市場のカテゴリに入れられるのは本望ではないことは承知しておりますが)。家電量販店業界では、「リーダー」であるヤマダ電機を、「フォロワー」であるビックカメラ(&コジマ)、エディオイン、ケーズHD、ヨドバシカメラが追っかけている状態。ここで、ノジマは、あえて、駅前や郊外への出店戦略でしのぎを削る量的拡大競争、ヤマダの住宅事業への参入等の多角化競争とは一線を引こうと、「ニッチャー戦略」として、IT機器の専門的なコンサルティング販売事業の強化を選択しました。

但し、この分野は、既に成熟しているため、大きなパイの成長が望めません。あくまで、顧客への対面販売のノウハウの差別化で、携帯電話会社による販売代理店の選別競争に勝とうとする動機のようです。対面販売を欲しているのは、その市場におけるエントリーモデル購入希望者や、お年寄りやはじめてスマホを購入する初心者が対象顧客になる想定です。ちょっと、規模拡大は難しいようです。この成長性の限界に対する見解は、次章の買収損得計算に反映させます。


■ ITX買収の損得計算をやってみる

ここで、筆者が仰々しく、DCF法で企業価値評価をすると考えた読者の皆様、期待を裏切りどうもすみません。

①LBO(買収相手方の企業の資産価値・将来生み出すキャッシュフローを担保にして、資金を調達する方法)を採用していること
②携帯電話販売事業が成長市場とは思えないこと
③ノジマ本体(本業)とのシナジーを別途考慮する必要はないと判断したこと

から、簡単に推計できる「投資回収期間」分析を行うことにします。まあ、ターミナルバリューを出して、複雑な割引率をひねくり出すまでもないというのが筆者の直観だからです。

では、「投資回収期間」分析をする前提条件を整理します。

①買収資金:850億円はメザニン・ファイナンスで、年利6%、期限は6~8年程度で調達
②返済原資は、ITX社のフリーキャッシュフロー:100億円/年(新聞記事による)
③元本返済は、毎期末にFCF(フリーキャッシュフロー)と支払利息の差分を全額充当
④ITX社の従来の借入金返済などのキャッシュフローは従前通り
⑤ノジマ本体のF/Sは今回の分析からは切り離す(経営統合によるシナジー発揮や追加支援費用等は、ITXのOrganic growth と相殺されると考える)


上記の条件から、推計は下記の通り。

経営管理会計トピック_ITX買収シナリオ1_数表 
経営管理会計トピック_ITX買収シナリオ1_グラフ

残念ながら、8年では、買収資金は回収できず、8期目にはまだ365億円の借入金が残ってしまいました。

そこで、逆に、8期目で買収資金を完済できる条件を探してみると、毎期FCFが10%成長すると仮定して再計算すれば、、、下記のようになります。

経営管理会計トピック_ITX買収シナリオ2_数表 
経営管理会計トピック_ITX買収シナリオ2_グラフ
つまり、普通のメザニンファイナンスにおいて8年で利率6%の買収資金850億円を返済するには、原資であるFCFが毎期10%づつ成長することが前提条件ということになります。
既に国内の携帯電話(スマホ)販売市場は飽和しており、毎期10%の成長シナリオはよほど自信が無いと描くことはできないと思います。

ノジマ経営陣には、勝算がどこかにあるのでしょう。それは今後、経過観察として見守っていきたいと思います。


■ それにしてもFCF100億円とは

前章では、新聞記事に記述のあった野島社長のインタビューコメントからFCFのベースを100億円/年としていましたが、これが適正な収益性レベルかを、この章ではちょっと考えてみたいと思います。

新聞記事には、携帯電話販売代理店ランキング表が掲載してあり、ITXは販売台数266万台の5位。1位は、560万台販売のティーガイア、2位は、400万台販売の光通信。そこで、両者の直近の有価証券報告書から、連結の損益とキャッシュフローを確認してみます。ITXの数字は、プレスリリースから引用しています(損益のみ)。

経営管理会計トピック_携帯電話販売会社数値比較

実は、比較対象としたかったティーガイアも光通信も、直近2期は、連結範囲の変更や、投資有価証券の積極的な売買損益などがあり、ビジネスが生み出すキャッシュフローの実力値を表した開示データになっていません。

しかし、経営には不測の事態がつきものです。ノジマを含めれば、3社×2期の比較対象を並べてみて、営業利益72億円/年でFCF100億円/年(共に新聞記事より)という目算が適正かどうか、ちょっとこの数字を眺めて、マルチプルな相関関係を感じ取ってみてください。

皆までは言及しません。。。



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老舗企業も株主優待 コマツとリコー、上場66年で初導入 個人の長期保有促す

■ 株主優待制度を始める理由

経営管理会計トピック
老舗企業も株主優待制度を新設するケースが相次いでいるとして、7社の老舗企業が列挙されていました。新聞記事では、「比較的短い期間で株を売買しがちな外国人株主の比率が高まる中、長期にわたり保有してくれる個人株主を増やす狙いだ。」とあります。

2014/11/20付 |日本経済新聞|夕刊
老舗企業も株主優待 コマツとリコー、上場66年で初導入 個人の長期保有促す

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

ちょっと、株主優待制度を新設した理由付けが紋切り型だったので、いつもの悪い癖が出て、各社の実態を簡単に調べてみました。


■ 高まる外国人株主比率への対抗措置だけが理由でしょうか?

新聞記事では、コマツ、リコー、帝国繊維、三井製糖、プリマハム、パナホーム、東京鉄鋼の7社の株主優待制度の中身が紹介されており、外国人株主比率が高い状況を何とかするため、代わりに個人株主を増やす手段として、株主優待制度が採用されたとあります。

では直近のデータで確認してみましょう。
コマツは、ホームページには9月末データが掲載されていましたが、一律定義をきちんと合わせるため、全社数値は、直近の有価証券報告書(2014年3月期、帝国繊維のみ2013年12月期)から取っています。

自社株や単元未満株の取り扱いなど、各社のIR状況がバラバラだったので、いささか鮮度は落ちますが、一律の定義で比較できる有報データを採用して整理しています。

経営管理会計トピック_所有株式比率_数表 
経営管理会計トピック_所有株式比率_グラフ
こうして、所有株式割合を比較してみると、7社とも全てが全て外国人株主対策のみで株主優待制度を始めたわけではないことが分かります。

① 高まる外国人株主対策

新聞記事通りに、純粋に高まる外国人株主比率に対処するため、個人株主を増やそうというのは、リード文にもありましたが、コマツ(外国人株主比率:42.8%)とリコー(同比率:35.3%)の2社のみのようです。東京鉄鋼も同比率が3割ですが、同社は違う理由もありそうです(詳細は後述予定)。

② 流通株式増加対策
東証一部二部にも、上場廃止基準があり、いわゆる「流通株式」が2000単位に満たないと、上場廃止になってしまいます。「流通株式」とは、経営者とその関係者、自己株式、関係会社とその役員、10%以上所有している者を除いた株主が所有する株式のことで、その他に、「流通株式時価総額」「流通株式比率」等、簡単に言うと、活発に市場で取引されていなければならないという条件を満たす必要があります。

そのために、株主数が増えれば、上記の指標は改善し、上場廃止規定に抵触することはないと発行会社が考えるわけです。このグループに当てはまるのが、筆頭株主として親会社(またはそれに類する会社)が存在している、三井製糖、プリマハム、パナホームということになります。それぞれ、三井物産、伊藤忠、パナソニックが親会社(相当)にあたり、大株主上位10社の占有率が5割を超えています。

③ 株主増加対策
上記の②と同根ですが、上場廃止基準に「株主数」もあります。下表は、簡単に所有構成別の株主数を整理したものです。

経営管理会計トピック_所有株主数_数表

帝国繊維と東京鉄鋼は、株主数がそれぞれ、2,752名と3,525名なので、まあ、東証一部に新規上場の形式基準的には2,200名の株主が必要で、上場廃止基準は400名未満となっているので、安心して上場を維持するためには、純粋に株主数を増やしたいのでしょう。また、株主が増えれば、売買も活発になり、適時に適正な株価が形成されると考えているのだと思います。

このように、きちんと有報を見るだけでも、新聞記事とは違った角度で各社の株主対策の真の動機が分析できると思います。


■ 「株主優待制度」は歓迎されるべきか

こういう見出しを書くということは、筆者があまり「株主優待制度」を好意的に見ていないということがバレバレだと思います。ただし、筆者も「株主優待制度」でもらった商品券で買い物をするので、活用はしています。でも、多少問題ありと考えています。

① 株主優待制度での安定株主づくりは本道ではない
新聞記事には、短期売買を繰り返す外国人株主より、長期保有してくれる個人株主を増やすために、有償(タダで優待は無いですよ)、すなわち会社の経費を使う正当性は、どこにあるのか疑問だということです。外国人だからといって短期売買すると決めつけるのではなく、長期的に自社株式を保有してくれるように、長期的な企業成長や株主利益の増加に対する説得力のある事業戦略の確からしさを訴えるのが、経営者としてあるべき責務だと考えます。

株主優待制度でつられた個人株主は、毎期の業績変動や業績の低迷に鈍感で、長期的に自社株を持ち続けてくれると考えるのは、ちょっと個人株主をバカにしていませんか?そういう魂胆が透けて見えるところが気に入りません。

個別銘柄の批判はここではしませんが、上記7社の内には、ストックオプション制度や買収防衛策を講じているところがあったりします。まったく、身内だけを大事にしている会社はそのうち、株式市場から見捨てられますよ。

② 金額的影響度が小さいからお目こぼしされている
また、会社法の基本原則に立ち返って考えてみてください。
「配当規制」の観点から本当に大丈夫ですか?「現物配当規制」「配当財源規制」には引っかからずに、株主優待制度のために、会社の財産を使うことが可能です。つまり、単期赤字でも、累積で配当財源がなくても、優待制度を使って、株主に金銭的な何かを配分することが可能なのですよ。これは単に、当局からお目こぼしされているだけで、法の精神には反することです。

「株主平等原則」にも、厳密に言えば反しますよね。一律、1000株以上保有している株主に対して、何がしかの経済的便益が図られるとしたら、1万株持っている株主と1000株持っている株主と同じということになります。また、会社によっては、外国人株主には優待制度を適用していないところもあります。何か違和感ありませんか?

昨今、現金配当のみならず、株主優待制度からの便益も含め、「本当の株主利回り」などという指標が世の中に出回っていますが、株主優待制度は世界的には極めてまれな、日本独特の文化だということを忘れないでいてほしいと思います。





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(GLOBAL EYE)ニッチも積もれば山となる 買収、得意分野に徹し成長

■ 事業ポートフォリオ戦略に対する解説に違和感あり

経営管理会計トピック
恥ずかしながら、この業界はよく知らないので、この記事で初めて知りました。「9月、免税店などの旅行者向け小売店で世界2位だったデュフリー(スイス)が同国の同業大手ニュアンスを買収した。買収後の売上高は約56億スイスフラン(約6780億円)とDFSグループ(香港)を抜き首位に立った。」

2014/11/18付 |日本経済新聞|朝刊
(GLOBAL EYE)ニッチも積もれば山となる 買収、得意分野に徹し成長

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

新聞記事にある記述で、事業ポートフォリオに関するものがあったのですが、読んでいてちょっと違和感があったのでコメントしてみたいと思います。


■ ニッチ市場戦略を採用したのに大企業って?

新聞記事では、まず、免税店などの旅行者向け小売店のデュフリー(スイス)、高速道路や空港内の飲食店のアウトグリル(イタリア)などの企業が、「特殊立地」に専念しながらも、日本の外食最大手、ゼンショーホールディングより規模が大きく、「ニッチ市場も世界で積み上げれば大企業に育つ」と解説されています。

また、「一般的な立地へと多角化した方が早く拡大できたかもしれないが、蓄積したノウハウは生かせず、規模の利益も出しにくい。」ともあります。

そもそも、経営学でいう「ニッチ(Niche)」とは、本来は生物学で「生態的地位」のことを指します。直訳すれば「隙間」や「窪み」。恐竜全盛時代の哺乳類が細々と爬虫類が生息しない場所、または生活できない条件(餌の取捨選択(雑食)や夜行性など)下で、生き延びてきたことを比喩として、大企業が進出してこない、小さい隙間市場でビジネスをすることを例えて言います。

つまり、ダーウィンの進化論的には、適者生存。劣悪な環境にも対応できたものだけが生き延びられるちょっとした生態系の隙間。鍾乳洞にいる目が退化した蛇は、お天道様の下で普通の蛇との生存競争に負けて、仕方なく鍾乳洞を住みかとし、環境に適合するため、視力を捨てた(視力が不要になった)ということなのに。。。

ニッチであるからこそ、残存者利益としてや、高い参入障壁、その根源となる技術的または地理的な特殊性等により、高い利益率を得られるもので、成長や拡大を意識した瞬間に、マス市場での立ち居振る舞いとなり、それはもはやニッチ戦略とは呼べなくなるのではと思ってしまいます。

例えば、自動車産業はニッチでしょうか?多分マス市場だと多くの人がお答えになると思います。

でも、完成車メーカーとして、日本には、「新明和工業」「光岡自動車」等が存在しています。新明和工業は、特装車といって、ごみ収集車やミキサー車を製造しています。また、光岡自動車は、「ヒミコ」「オロチ」といった何とも言えないマニア垂涎の高級カーを提供しています。

ここまで来ると、2社ともニッチと自信をもっていえそうですが、トヨタの水素燃料電池車の場合はどうでしょうか?

産業立地だけでニッチかどうかが決まるのではなく、その産業の中でさらにセグメンテーションされた顧客だけを相手に、規模は小さいけど、高収益率を誇る市場がニッチ市場だと思います。

なにか、「グローバルニッチ」という言葉を聞くと、「閑静な繁華街」という意味的にはおかしい言葉と同列にしか思えず、お尻の辺りがむずむずしてきます。

これが違和感の其の1。


■ 経営リスク軽減のための多角化と収益性の関係

次に、香料で世界大手のジボダン(スイス)の例が紹介されています。新聞記事には、「『一本足打法』は経営のリスクを分散させにくい面もある。だが高収益なら環境の変化を乗り越える体力は蓄えられる。ジボダンの売上高営業利益率は19%に達する。」とあり、香料事業に特化しているジボダンが高収益を誇っているといっています。

おそらく、この記事内では、「経営リスク」とは、ある特定の産業(市場・顧客)の景況によって企業業績が大きくブレることを指し、リスクとリターンの表出パターンができるだけ同期化しない複数事業を同一企業内に持つことで、そのリスクを回避する方がベターな経営、という文脈なのだと思います。ただし、専業でも、そもそも高い利益率ならば、景況が悪くなっても、経営土台は大丈夫、といいたいのだと思います。

「ポートフォリオ」を組むということは、事業でも投資でも、リターンは市場平均値に収斂していくのが本当です。その代り、ボラティリティというリスクから解放されるというトレードオフが効いているだけのことです。

新聞記事にある「アンハイザー・ブッシュ・インベブ」は、圧倒的な規模の利益によって規制市場の中で高収益率を誇り、「ネスレ」は、巧妙なマーケテイングとプロダクトポートフォリオの入れ替えで規模の成長を結果として得ている分けです。

企業規模については、それ自体が戦略目標になっている場合と、他の競争優位要件による超過収益力の結果として得られる場合とは、きちんと区別する必要があります。

また、事業ポートフォリオの選別の目利きを経営者に任せるのがよいか、出資先企業の選別により、投資家自身が判断を担った方がよいのか、それは、投資家が判断するもので、一律的に経営者に多角的経営を押し付けるものではないと思います。経営者が専門家利益を享受できる、すなわち効率的かつ効果的に事業の目利きができる範囲で事業ポートフォリオを組めばよいことで、とやかく、他社と比べて詮索される話でないと思うのですが如何でしょうか?

とかく、多角化による経営リスクの軽減が最終的な経営目標みたいに言われるのが違和感の其の2。

以上、事業ポートフォリオについてのコメントでした。別途、「経営管理(基礎編)」で事業ポートフォリオ管理について記事を投稿する予定です。それまで、このコメントが皆さんの事業ポートフォリオ戦略分析のご参考になれば幸いです。





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